ネットワーク構成図は誰が作る?業者に頼む場合と自社で書く場合

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「ネットがつながらない。ルーターってどこにあるの? どこに電話すればいい?」——社内に詳しい人がいない会社で、こんな場面に出くわしたことはないでしょうか。

「入れてくれた業者とは、もう付き合いがない」「前の担当者が何か書いていたはずだけど、見つからない」と、手が止まった方もいるかもしれません。

そんなときに頼りになるのが、ネットワーク構成図です。実は、ネットワーク構成図は、機器や配線を任せている業者が作ってくれることもあれば、自社で用意する必要があることもあります。

この記事では、情報システムの担当者がいない会社で、ネットワークの面倒を見る役が回ってきた方に向けて、構成図を業者に頼めるかの見分け方、図の前にそろえる一覧、自社で書くときのたどり方、直す時期を説明します。取引先から求められたときに、どの段階でネットワーク図が要るのかにも触れます。図記号や作図ソフトの使い方には入りません。内容は、2026年9月に公的機関と事業者の案内で確かめたものです。

目次

ネットワーク構成図とは?困ったときにどこを見るかを決める図

左に、白い小さな箱、アンテナが2本ある平たい箱、ポートが並んだ紺色の横長の箱をケーブルでつないだ実物の機器、右に、白い紙に四角を線でつないだだけの図を並べ、その間を右向きの矢印で結んだ図解。上に「機器のつながりを、箱と線で描いた図」、下に左から「実物の機器」「ONU・ルーター・スイッチ」、「ネットワーク構成図」「箱と線で描いてよい」と書かれている。

ネットワーク構成図は、会社のネットワークの「路線図」のようなものです。どの駅からどの駅へ線がつながっているかが1枚で分かるように、どの機器がどの機器につながっているかが分かります。

通信に関わる機器と配線を図にしたもの

東京都 産業労働局の中小企業向けの解説「いまさら聞けない!よくあるネットワーク構成図」は、「通信に関わる機器や配線を図化したものをネットワーク構成図と言います。」と説明しています。公的な資料では「ネットワーク図」とも書かれ、IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は「ネットワーク図(構成図)」と書いています。

東京都のページが「中小企業でよくある構成」として載せている図は、とても簡単です。インターネットから回線の入口の箱に入り、電話の側とパソコンの側に分かれて、それぞれ途中の機器を通って電話やパソコンへ届く流れを、箱と線でつないであるだけです。

電話とパソコンは「電話×●●台」「パソコン×●●台」と台数でまとめてあり、IPアドレスや型番は書かれていません。

役に立つのは、止まったとき・機器を入れ替えるとき・人に説明するとき

同じページは、ネットワーク構成図を作って管理すると、次の効果が期待できるとしています。

  • 保有資産の把握
  • 不具合発生時の対応(被疑箇所や影響範囲の特定、復旧作業)
  • 新たな機器の導入や既存機器の撤去時の検討

キヤノンマーケティングジャパングループの中小企業向けの解説「管理台帳・ネットワーク図を作成する」も、図にするメリットの1つに「IT業者との打ち合わせがしやすくなる。」を挙げています。

ネットが止まったとき、図があれば、どの箱から先がおかしいのかを、業者と同じ紙を見ながら話せます。

インシデントの原因を調べるときも、添えるのは「簡単な構成図」

「詳しい図でなければ役に立たない」と構える必要はありません。情報漏えいやウイルス感染、システム停止といった、セキュリティの事故(インシデント)の原因を調べるときでさえ、公的な資料は「可能であれば」簡単な構成図を添える、という書き方をしています。

経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドラインの付録Cは、「インシデント発生時、原因調査等を行う際に組織内で整理しておくべき事項を示す。」として表を載せています。その「システム構成」の行には、「※簡単な構成図なども可能であれば併記すること。」とあります。

IPAの「中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き」も、「インシデント対応時に整理しておくべき事項」の表に「※可能であれば簡単な構成図等も併記」と書いています。

同じ手引きを出典の1つにして、会社のパソコンでウイルス感染が疑われたときに、見つけた人が最初にやること(切り離す・残す・知らせる)を別の記事にまとめました。

ネットワーク構成図は誰が作るのか — 業者に頼めるときと、自社で作るとき

2つの場合を左右に並べた図解。左は、ONU・ルーター・スイッチの3台をひとつの点線の輪で囲み、その右に四角を線でつないだ図の紙を置いている。右は、同じ3台をそれぞれ別の点線の輪で囲み、その右の紙は点線の枠だけで中身が無い。上に「会社全体の図を、誰が持っているか」、下に左は「購入・保守を1社に任せている」「その会社が図を作れることがある」、右は「買った先がばらばら」「全体の図は、自社で作るか調査を頼む」と書かれている。

東京都のページは、構成図を誰が作るかを、機器の買い方で2つに分けて書いています。

機器の購入や保守を1社に任せているなら、その会社が作れることがある(費用は先に確かめる)

1つめは、「IT機器や配線を特定の企業に任せている(購入や保守委託をしている)場合は、当該企業でネットワーク構成図を作成してくれることがあります(別途費用がかかる場合もありますのでご確認をお願いいたします)。」です。

会社に来て調べ、構成図を作ることをサービスにしている事業者もあります。1回の診断のレポートに入るものと、月額のサポートの一部として作るものがあります。

作るものを案内に載せているサービスを、2026年9月に確かめた例を表にしました。

サービス作るもの料金と条件
NTT東日本「おまかせICT診断」ネットワーク構成図・平面図・IT関連機器一覧(診断のレポートに入る)55,000円/回から(税込・PC20台まで)。他社の機器も含めて調べる
NTT東日本「ICT環境見える化調査」(ダイヤモンドサポート)平面図・機器情報・保守契約情報・ネットワーク接続図など(調査報告書)個別見積
NTT西日本「情シスおまかせコンシェルジュ」ネットワーク構成図や機器一覧表(保守手引書として)スタンダードプランの場合、初期費用66,000円~(税込・調査対象機器20台まで)、月額料金10,780円~(税込)。NTT西日本が指定する「フレッツ光」などの回線とプロバイダーの契約が別途必要

キヤノンMJも、「管理台帳・ネットワーク図を作成する」の中で「日常業務の中でお時間が取れないような場合は、代行調査も承りますのでご相談ください。」と案内しています(料金はページに書かれていません)。

頼む前に、次の点を確かめてください。

  • 料金と、図のほかに何が含まれるか(1回の診断か、月額のサポートの一部か)
  • できあがった図と機器の一覧を、自社でも受け取れるか
  • あとで機器を変えたとき、図の直しも頼めるか。その料金はかかるか
  • 調べに来てから、図が届くまでにどれくらいかかるか
  • 提供エリアと、回線の契約が要るかどうか

買った先がばらばらなら、全体の図を持っている業者はいない

2つめは、「しかし、様々な企業からIT機器を購入している場合は、ネットワーク構成図は各社の情報システム管理者等で作成する必要があります。」です。

回線はこの会社、ルーターは家電量販店、複合機は別の会社、と買った先が分かれていると、会社全体をつないだ図は、誰かが作らないかぎりどこにもありません。情報システムの担当者がいない会社では、その役が、ネットワークの面倒を見る人に回ってきます。

ただし、自分で書く以外の道もあります。NTT東日本の「おまかせICT診断」は、「NTT東日本のサービスだけでなく、他社機器も含めた調査」をするとしています。IPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインも、IT資産管理に労力を割くのが難しい場合の選択肢に、「IT資産管理代行サービスの利用(IT資産管理の外部委託)」を挙げています。

業者からもらった図は、もらった日の図

業者に作ってもらった図にも、限りがあります。NTT東日本のICT環境見える化調査のご留意事項には、「調査報告書の内容は調査当時の調査結果をもとにして作成されるものであり、現状環境と正確に合致していることを保証するものではありません。」とあります。

そのあとに機器を足したり動かしたりすれば、図はそのぶん実物とずれていきます。同じページは、ダイヤモンドサポートを使っている会社については、環境が変わっても随時アップデートすると説明しています。更新が契約に含まれていなければ、図は自分で直すことになります。直す時期は、「ネットワーク構成図を古くしないために、直す時期を決めておく」で説明します。

LAN工事のときに、図や機器の一覧を受け取っておく話は、こちらで詳しく書いています。

図より先に、ネットワーク機器の一覧をそろえる

左に、空欄の表が描かれた紙、右に、四角を線でつないだ図の紙を並べ、左から右へ矢印でつないだ図解。上に「図より先に、機器の一覧をそろえる」、左の紙に「① 機器の一覧」、右の紙に「② 構成図」、下に左から「製造元・置き場所・保守事業者」「一覧の名前で箱を描く」と書かれている。

自社で作るなら、いきなり図を描き始めるより、先に機器の一覧を作るほうが進めやすくなります。一覧は、図の「部品表」のようなものです。

IPAのガイドラインも、資産管理の項で、各拠点のネットワークについて「構成機器や保守事業者の情報を整理しましょう」と書き、そのあとに「加えて」ネットワーク図の作成を挙げています。同じガイドラインのコラムは、「まずは「資産管理台帳(サンプル)」(付録6)を参考にして、一覧表や管理台帳の作成から始め、定期的な見直しを習慣化しましょう。」としています。

キヤノンMJの解説も、「台帳とリンクが取りやすいように機器の名称も統一化しておきましょう。」と書いています。一覧と図で箱の名前をそろえておけば、図には箱と線を描き、詳しいことは一覧に任せられます。

一覧の項目は、IPAの「ネットワーク機器台帳」のサンプルにそろっている

IPAのガイドラインの付録6「資産管理台帳(サンプル)」はExcelのファイルで、その中に「ネットワーク機器台帳」というシートがあります。ガイドラインのページの付録の一覧から取れます。列は次のとおりです。

まとまり列
ネットワークに関する基礎情報ネットワーク名・所在地・IPアドレス・ネットワークの利用目的
機器に関する基礎情報名称・種別・製造元・製造モデル・OS・設置場所
管理情報管理部署・管理者名
保守情報保守事業者名・(保守事業者)担当者名・契約情報
その他購入日

名前・型番・置き場所だけでなく、製造元(メーカー)と、保守をしている事業者の名前・担当者・契約まで並んでいるのが、このサンプルの特徴です。止まったときに、機器ごとに誰へ連絡すればいいかを一覧で引けます。

機器は、回線の入口の箱から順に見て回ると漏れにくくなります(見て回る順番は「自社でネットワーク構成図を書くときは、回線の入口から箱を1つずつたどる」で説明します)。製造元と型番は、本体のシールなどの表示で控えます。

サンプルの説明は、小規模事業者なら、管理部署は書かずに管理者名だけを書いてもよいとしています。

パスワードの列はありません。同じガイドラインの付録5「情報セキュリティ関連規程(サンプル)」も、パソコンなどのログインパスワードについて「ログインパスワードを他者の目に触れる所に書き記さない。」としています。一覧にも図にも、パスワードは書かないでください。

取引先から求められたときは、段階によってネットワーク図が要るかどうかが分かれる

経済産業省などが方針を定め、IPAが運営する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」(SCS評価制度)の準備が進んでいます。経済産業省の制度のページは、「具体的には、2社間の取引契約等において、委託元が、委託先に適切な段階(★)を提示し、示された対策を促すとともに実施状況を確認することを想定しています。」と説明しています。

制度として取得を義務づけるものではありません。同じページのよくある質問は、この制度を「任意の制度です」としたうえで、★の取得は取引の契約で決められるものと説明しています。始まる時期は、IPAがよくある質問で「★3・★4は2027年3月頃の運用開始を予定しています。」と案内しています。

この制度の要求事項・評価基準では、ネットワークの把握が段階によって分かれています。

段階評価基準(ネットワークに関する情報の把握)
★3ネットワークを把握するための仕組みを整備すること。その際、把握すべき情報の中に各ネットワークの所在地及び用途に関する情報を含めること。
ネットワーク機器を把握するための仕組みを整備すること。その際、把握すべき情報の中に各機器の製造元、モデル及び保守事業者に関する情報を含めること。
★4★3の2つに加えて
ネットワークを対象として、ネットワーク図を作成すること。
年1回以上の頻度でNo.3-1-2-3で作成したネットワーク図の記載内容について点検すること。

★4の2つめにある「No.3-1-2-3」は、1つめの「ネットワークを対象として、ネットワーク図を作成すること。」の番号です。ネットワークと機器の把握は★3から、ネットワーク図の作成と年1回以上の点検は★4の基準です。IPAの台帳の列にも「所在地」「ネットワークの利用目的」「製造元」「製造モデル」「保守事業者名」があるので、評価基準の語と並べて確かめられます。

★4のネットワーク図に何を書けば足りるかは、まだ細かく示されていません。IPAは、要求事項・評価基準の解説書と、自分で適合を判断するための取得ガイドを、2026年10月頃に公表する予定としています。

★4を求められたときの手がかりになるのは、IPAの付録5です。「ネットワーク機器台帳/ネットワーク構成図の作成」の項で、ネットワーク構成図に含める内容として次の6つを挙げています。

  • 主要なネットワークセグメント(企業LAN、サーバーネットワークなど)
  • デバイスの配置(ルータ、スイッチ、ファイアウォールなど)
  • 接続関係(各デバイスの接続経路など)
  • IPアドレス情報(各セグメントのIPアドレス範囲、主要なデバイスの管理IPなど)
  • デバイス名
  • セキュリティ要素(ファイアウォールやVPNの位置など)

ただし、これは規程の「サンプル」に書かれた内容です。自社の今の形をつかむための図に、これを全部書く必要はありません。取引先から★4を求められたら、解説書の公表を待ち、どこまで要るのかを取引先にも確かめてください。

自社でネットワーク構成図を書くときは、回線の入口から箱を1つずつたどる

左端から入ってくる水色の線につながる白い小さな箱、アンテナが2本ある平たい箱、ポートが並んだ紺色の横長の箱、3台のノートパソコンを、左から順にケーブルでつなぎ、その上に左から右へ向かう点線の矢印を描いた図解。上に「回線の入口の箱から、ケーブルの先へたどる」、下に左から「入口の箱」「光の線が直接ささる箱」、「ルーター」「内と外を仕切る箱」、「スイッチ」「ここから枝分かれ」、「パソコン」「台数でまとめる」と書かれている。

一覧の機器を図にするときは、外から回線が入ってくる箱から始めて、ケーブルの先へ1つずつたどります。東京都のページも、「また、実際の機器や配線を追い、どの機器がどのような機能を持ち、どこと接続しているかを調べていくことで、正しいネットワーク構成図を作成することができます。」と書いています。

入口(ONU・ホームゲートウェイ)から、ルーター・スイッチ・無線アクセスポイントへ

  1. STEP

    回線の入口の箱を見つける

    光回線なら、壁の光コンセントから細い線が直接ささっている箱です。ONUか、ONUとルーターの機能が1台にまとまったホームゲートウェイです。図のいちばん上に「インターネット」、その下にこの箱を描きます。

  2. STEP

    入口の箱から出ているケーブルをたどる

    入口の箱の次は、多くは、内と外を仕切る箱のルーターです。ファイアウォールなど別の箱が来る会社もあり、入口がホームゲートウェイなら、ルーターの働きはその箱に入っています。本体のシールなどの表示で、一覧の「製造元」「製造モデル」「種別」と合っているかを確かめます(一覧に無い箱なら書き足します)。電話の機器など、ほかにもつながっている箱があれば、線を分けて描きます。

  3. STEP

    枝分かれする箱を描く

    ルーターの先のスイッチ(ハブ)から、ケーブルが何本にも分かれます。キヤノンMJの解説は、「接続はハブからハブ、ハブからPCやプリンターなど、目視確認して記入していきます。」と書いています。天井や壁に付いた無線アクセスポイントも、1つの箱として描きます。壁や天井に入って先が見えない線は、見えるところまで描き、その先は「不明」としておきます。何の箱か分からなくても、省かずに箱として描いておきます。

  4. STEP

    パソコンや電話は台数でまとめる

    自社で使う図なら、1台ずつ描かずに「パソコン×●台」とまとめて構いません。東京都のページの図も、この書き方です。箱の名前は、一覧の「名称」とそろえます。

事務所と工場のように場所が分かれているなら、場所ごとに分けて描き、場所どうしがつながっていれば、その線も描きます。IPAのガイドラインも「本社や事業所等、各拠点におけるネットワーク」について整理するよう書いており、台帳にも「所在地」の列があります。

図はきれいでなくて構いません。キヤノンMJの解説は、「ネットワーク図で大切なことは、見た目より正確性です。正確であれば簡略記号で描いても手描きしても構いません。」と書いています。まず要るのは、きれいな図ではなく、今の実物と合っている図です。

自社の今の形をつかむための図なら、細かい情報を図に詰め込む必要もありません。NTT東日本のコラム「ネットワーク構成図の基本4種類と書き方のコツを解説」も、「例えば構成の現状把握をしたい場合は、アドレスなどの細かい情報は不要です。」と書き、「詳細は別紙に記載するなど工夫しましょう。」としています。この記事でいう別紙が、先に作った一覧です。

それぞれの箱が何をしているのかは、こちらの記事で1つずつ説明しています。

箱ごとに書き添えるのは、置き場所と、誰に連絡するか

詳しいことは一覧に任せられますが、止まったときにまず見るのは図です。図の箱には、名前のほかに次の2つだけは書き添えておくと役立ちます。

  • 置き場所: 一覧の「設置場所」。天井裏や書庫の上など、ふだん見えない場所にある箱ほど大事です
  • 誰に連絡するか: 一覧の「保守事業者名」と「(保守事業者)担当者名」

NTT東日本のICT環境見える化調査も、調査報告書に平面図を入れ、保守契約情報として「契約有無」と「故障時の連絡先 等」を入れています。

ただし、一覧に保守事業者の名前が書いてあっても、その契約が今も続いているとは限りません。保守契約には期間があるからです。

契約があるかの確かめ方と、契約が約束している範囲は、保守契約とは何かを説明した記事にまとめました。

電話する先は、その機器が誰の持ち物かで変わります。回線の事業者に電話するのか、機器を入れた業者に電話するのかの分け方は、会社のネットが遅いと言われたときの連絡先の決め方で説明しています。

ネットワーク構成図を古くしないために、直す時期を決めておく

3つの場面を横に並べた図解。左は、紺色のスイッチの横にある図の紙に、水色の四角が1つ線で足されている。中央は、1日だけ水色になったカレンダーと、虫めがねを当てた図の紙。右は、図の紙が3枚ずらして重なっている。上に「直すのは、変えたとき・年に1回。古い版も残す」、下に左から「機器を変えたとき」「一覧と図にも足す」、「年に1回」「実物と見比べる」、「古い版も残す」「上書きしない」と書かれている。

構成図は、作った日から少しずつ古くなります。直す時期を先に決めておくと、「いつの図か分からない」を防げます。

機器を足した・動かした・替えたとき

IPAのガイドラインは、資産管理の項でこう書いています。

本社や事業所等、各拠点におけるネットワークについて、構成機器や保守事業者の情報を整理しましょう。加えて、主要なネットワークセグメントやデバイスの配置等を記載したネットワーク図(構成図)を作成・版管理し、構成変更の度に更新して活用しましょう。

業者に作ってもらった図でも同じです。NTT西日本の情シスおまかせコンシェルジュ利用規約は、「ご契約時に実施した調査から変更があった場合、ご契約者自身で保守手引書に変更箇所を指示し、当社へご提出いただきます。」としています。調べ直しと更新を頼むこともでき、その場合はオプションの料金がかかります。

機器を足した人が、その場で一覧と図にも足す、と決めておくのがいちばん確実です。

業者からもらった図や、前の担当者が残した図など、古い図があるなら、描き直す前に、その図を持って入口の箱からたどり、違うところを書き込んでみてください。直すところが、その場で分かります。

変えていなくても、年に1回は実物と見比べる

SCS評価制度の★4は、作ったネットワーク図の記載内容を、年1回以上の頻度で点検することを評価基準にしています。

★4を求められていなくても、年に1回、決めた月に図を持って機器の前に立ち、箱と線が実物と合っているかを見比べておくと、図を信じて使えます。

古い版も残しておく

IPAのガイドラインは、ネットワーク図を「作成・版管理し」と書いています。この記事では、版管理を、作り直すたびに前の図を上書きせず、いつの図かが分かる形で残しておくことと考えてください。

図に作った日付を入れ、古い図は消さずにとっておけば、「この箱はいつから増えたのか」をあとから追えます。

まとめ

この記事では、ネットワーク構成図を誰が作るのかと、自社で作るときに何から始めて、いつ直すのかを説明しました。

  • ネットワーク構成図(ネットワーク図)は、通信に関わる機器と配線を図にしたもの。止まったとき、どこがおかしいかを業者と同じ紙で話せる
  • インシデントの原因を調べるときに組織内で整理する項目でも、図は「可能であれば」簡単な構成図を添える、という扱い
  • 機器の購入や保守を1社に任せているなら、その会社が作ってくれることがある(費用は先に確かめる)。買った先がばらばらなら、自社で作るか、調査を頼む。頼む前に、料金・受け取れるもの・あとの直し・期間・提供エリアと回線の契約を確かめる
  • 業者の調査報告書も、調べたときの内容。更新が契約に含まれていなければ、そのあと変えたところは自分で直すか、直しを頼む
  • 図より先に、IPAの「ネットワーク機器台帳」のサンプルの列で一覧を作る。一覧にも図にも、パスワードは書かない
  • SCS評価制度(任意の制度。★の取得は取引の契約で決まる)では、ネットワークと機器の把握は★3から、ネットワーク図の作成と年1回以上の点検は★4の評価基準。★4の図に何を書けば足りるかは、2026年10月頃に公表予定の解説書を待ち、取引先にも確かめる
  • 自社で書くときは、回線の入口の箱から1つずつたどる。自社の今の形をつかむための図なら、実物と合っていれば手描きでもよく、細かい情報は一覧に任せる。箱には置き場所と連絡先だけは書き添える
  • 直すのは、機器を変えたときと年に1回。古い図があるなら、持って回って違うところを書き込む。古い版も残す

「ルーターはどこ?」と聞かれたときに1枚を出せるように、まずは回線の入口の箱から順に見て回り、機器の一覧を作るところから始めてみてください。

参考: いまさら聞けない!よくあるネットワーク構成図(東京都 産業労働局)

参考: 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(IPA)

参考: 要求事項・評価基準(IPA)

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