データセンターとは?クラウドのデータは実際どこにあるのか

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スマートフォンで撮った写真、クラウドに預けている仕事のファイル、会社の勤怠システム。これらは「クラウドにある」と言われますが、雲の中に浮かんでいるわけではありません

実際には、どこかの建物の中に置かれたサーバーの中にあります。その建物がデータセンターです。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、データセンターがどんな施設で、ふだん使っているサービスとどうつながっているのかを解説していきます。日本のデータセンターがどこに集まっているのかにも触れます。

データセンターとは? クラウドの実体が置かれている建物

サーバーラックやモニターが並ぶ室内を斜め上から見て、人物が作業しているイラスト(データセンターとはの節の扉絵)

データセンターとは、サーバーやネットワーク機器をまとめて置いておくための専用の建物です。

サーバーは、ふつうのパソコンと同じで電気で動く機械です。止まらずに動き続けるには、安定した電源と、熱を逃がす空調と、地震や水害からの守りが要ります。それを建物ごと用意したのがデータセンターだ、と考えるとつかみやすくなります。

あなたのデータは、実際にどこにあるのか

モニターとサーバーラックの前に虫めがねと書類が並んでいるイラスト(データがどこにあるかの節の扉絵)

ふだん使っているものを、置き場所までたどってみます。

使っているもの実際の置き場所
スマホの写真のバックアップその会社が借りているデータセンターのサーバー
仕事のファイル共有サービス同上(多くは国内と海外に分かれている)
会社の勤怠・経費のシステムクラウドなら事業者のデータセンター、社内設置なら自社のサーバー室
よく見る動画サイト世界各地のデータセンター(近い場所から配られる)

つまり、「クラウドに保存した」は「どこかのデータセンターのサーバーに置いた」と同じ意味です。預けた先が自分の手元から離れているだけで、実体は必ずどこかにあります。

これが分かると、読める告知がある

クラウドサービスの障害の知らせに、「東京リージョンで発生」「一部の地域のお客様に影響」といった書き方が出てきます。

これはどのデータセンター群で起きたかを指しています。自分の使っているサービスがどこに置かれているかで、影響を受けるかどうかが変わる、ということです。

では、自分のデータがどこに置かれているかは、どうすれば分かるのでしょうか。確かめられる場合と、そうでない場合があります

  • 利用規約・プライバシーポリシー … 「データの保管場所」「越境移転」といった項目に、国名や地域が書かれていることがあります
  • 管理画面の設定 … 法人向けのサービスでは、契約時や設定画面で保管する地域(リージョン)を選べるものがあります
  • 障害情報のページ … 過去の告知にどの地域名が出ているかで、自分が使っている地域の見当がつくことがあります

⚠ ただし、建物の所在地まで公開している事業者はまれです。防犯上の理由があるため、「国内」「東京リージョン」といった粒度までしか分からないのがふつうだと思っておいてください。

データセンターが、ふつうの部屋と違うところ

机とサーバーラックが並ぶ室内を斜め上から見て、人物が画面を見ているイラスト(設備の節の扉絵)

サーバーを置くだけなら、事務所の片隅でもできます。実際、社内にサーバーを置いている会社はたくさんあります。それでも専用の建物が必要になるのは、止まらないことを前提にすると要求が跳ね上がるからです。

備えているもの何のためか
電源停電しても止めない。無停電電源装置と自家発電機を備える
空調機械が出す熱を逃がす。熱がこもると壊れる・性能が落ちる
建物地震・水害への備え。立地の選定も含まれる
入退室の管理機械に直接触れる人を限る。カメラや記録も含む
回線外とつながる線を複数持つ。1本切れても止めない

どれも派手さはありませんが、「止まらない」を買っているのがデータセンターだと言えます。

「データセンターにあるから安全」ではない

建物が守っているのは機械と電源と回線です。IDとパスワードが漏れれば、そこから中のデータに手が届きます(二段階認証を掛けていない場合はなおさらです)。

また、うっかり自分で消したファイルは、建物の頑丈さとは関係なく消えます。預ける場所の堅牢さと、自分のアカウントの守りは別の話です。

クラウドとデータセンターの関係

ノートパソコンの周りにグラフや図表の画面が浮かび、小さな人物たちが作業しているイラスト(クラウドとの関係の節の扉絵)

「クラウド」と「データセンター」は、よく並べて語られますが、別々の軸を指す言葉です。

ひとことで言うと

データセンター置き場所。サーバーを収めている建物そのもの

クラウド借り方。そこにある機械を、インターネット越しに必要な分だけ使う形

会社がサーバーを用意するときの選び方は、大きく3つに分かれます。

機械の持ち主置き場所
自社のサーバー室に置く自社自社の建物
場所だけ借りる(コロケーション)自社データセンター
機械ごと借りる(ホスティング)事業者データセンター
クラウドを使う事業者事業者のデータセンター

使う側から見ると、クラウドは「建物も機械も他人のものを、使った分だけ借りる」形です。だから自分でサーバーを買わずに済みます。ホスティングとの違いは、使う量をあとから増減できるかにあります。

日本のデータセンターは、どこに集まっているのか

2人が大きな画面の前に立ち、グラフや資料を見ているイラスト(国内の立地の節の扉絵)

データセンターは全国に散らばっているように思えますが、実際には偏りがあります。

総務省の令和6年版 情報通信白書は、日本の立地状況について「近年は大阪圏への投資が増加しているものの、6割程度が東京圏に集中しており、今後もこの状況が続くと見込まれている」と書いています。

同じ資料は、大震災などで東京圏・大阪圏が被災した場合に通信サービスに全国規模の影響が生じる可能性があるとして、データセンターの分散立地を進める必要があるとしています。

同じ話は、会社の規模でも起きる

これは国の話ですが、理屈はそのまま自分たちにも当てはまります。預け先が1か所しかなければ、そこが止まったときに全部が止まります

だから「バックアップを別の地域にも置きませんか」という提案が出てきます。同じ建物の中で二重にするのと、離れた場所にもう一つ置くのは別の備えで、後者だけが地震や水害に効きます。

海外との通信を運ぶ海底ケーブルも同じ事情を抱えており、こちらは陸揚局が房総半島の周辺に集まっています。日本のデジタルの土台は、思っているより狭い範囲に寄っているということです。

まとめ

人物がノートパソコンと資料を広げて作業しているイラスト(まとめの扉絵)
  • データセンターは、サーバーをまとめて置くための専用の建物。クラウドの実体はここにある
  • ふつうの部屋と違うのは電源・空調・建物・入退室・回線。買っているのは「止まらないこと」
  • データセンターは置き場所、クラウドは借り方。同じものの別の面を指している
  • ⚠ 「データセンターにあるから安全」ではない。建物が守るのは機械と電源と回線まで
  • 日本は立地の6割程度が東京圏に集中(総務省)。国は分散立地を進めている
  • 同じ理屈は会社にも効く。預け先が1か所なら、そこが止まると全部止まる

「クラウドに置いてある」を「どこかの建物のサーバーに置いてある」と言い換えられるようになると、障害の告知も、預け先を選ぶ話も、ぐっと具体的に読めるようになります。

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