「サーバーが落ちた」「サーバーにアップしておいて」——仕事でも日常でも、サーバーという言葉は説明なしに出てきます。
でも、それが何を指しているのかは、なかなか教えてもらえません。機械のことなのか、場所のことなのか、それともサービスの名前なのか。
この記事では、ITやネットワークの知識がない方に向けて、サーバーとは何かを、いちばん短い答えから順に説明します。
目次
サーバーとは? いちばん短い答え

サーバーとは、頼まれた情報を渡す役をしているコンピュータのことです。
ウェブサイトもメールも動画も、中身はどこかのコンピュータの中にあります。あなたがスマートフォンで何かを開くたび、そのコンピュータへ「これを見せてください」と頼み、向こうが中身を送り返しています。この「送り返す側」がサーバーです。
図書館に置き換えると、そのままの形になります。
| 例え | 実際 |
|---|---|
| 図書館 | サーバー |
| 本 | 情報(ウェブサイト、メール、動画など) |
| 利用者 | 私たち(パソコンやスマートフォン) |
図書館は本を保管していて、利用者が「この本を」と頼めば出してくれます。自分から本を配って回ることはしません。サーバーも同じで、頼まれてはじめて動きます。
サーバーというと、データセンターに並んだ黒い機械を思い浮かべるかもしれません。実際にそういう機械もあります。ただしこの言葉は、次の3つのどれを指しても使われます。
- 置いてある機械 — 「サーバーを買う」「サーバー室」と言うときのこれ
- その機械の上で動くソフト — 「Webサーバーを入れる」と言うときのこれ
- 頼まれて渡すという役 — 「このサーバーが返している」と言うときのこれ
もとの意味は3つ目です。Webのやりとりを決めている HTTP の仕様書も、サーバーを接続を受け付けて応答を返すプログラムと定めていて、機械の種類のことではありません。
だから、同じ1台のコンピュータが、あるときはサーバーになり、別のときは頼む側——クライアントになります。クライアントとは、あなたが使っているパソコンやスマートフォンのような、頼む側のことです。この呼び分けの決まりは、この下の記事で詳しく扱っています。
サーバーは、ネットワークのどこにいるのか

「サーバー」と一口に言っても、置かれている場所は3つに分かれます。どこにあるかで、つながらないときの相談先が変わります。
| 置かれている場所 | 例 | つながらないときの相談先 |
|---|---|---|
| インターネットの向こう側 | ウェブサイト、動画配信、SNS、クラウドのサービス | そのサービスの提供元 |
| 会社や学校の中 | 社内のファイル共有、勤怠のシステム、校内のシステム | 情報システムの担当。担当がいない会社なら、そのしくみを入れた業者か回線の契約先。学校なら管理している先生 |
| 家の中 | 録画した番組を家族で見る機器、写真をためておく機器 | その機器のメーカーのサポート(買った本人が問い合わせる) |
いちばん多いのは1つ目です。あなたがふだん使っているサービスの中身は、あなたの家でも会社でもない、どこかの建物に置かれたコンピュータの中にあります。
その建物のことをデータセンターと呼びます。「クラウドに保存した」と言うときの保存先も、正体はここです。
2つ目と3つ目は、インターネットに出ないまま、同じネットワークの中だけでやりとりが終わる形です。会社のファイル共有が、外出先からだと開けないのはこのためです。
上の表の「担当がいない会社なら」に当てはまる方は、連絡先の決め方を別の記事にまとめてあります。回線・プロバイダ・自社の機器・クラウドのどれの話なのかで、渡す先が変わります。
身のまわりのどこにサーバーがあるか

サーバーは、何を渡す役なのかによって呼び名が変わります。名前の前半が、そのまま担当している仕事です。
| サーバー | 渡しているもの | あなたが触れている場面 |
|---|---|---|
| Webサーバー | ウェブページの中身 | ブラウザでページを開いたとき |
| メールサーバー | 送られてきたメール | メールを送るとき・受け取るとき |
| DNSサーバー | 名前に対応する番号 | アドレスを入力した直後(意識せずに使っている) |
| ファイルサーバー | 共有された書類やデータ | 会社の共有フォルダを開いたとき |
| プロキシサーバー | 代わりに取ってきた中身 | 会社のパソコンでウェブを見たとき(通っている場合) |
| ゲームサーバー | 対戦の進行や結果 | オンラインゲームで遊ぶとき |
種類は違っても、共通しているのは頼まれてはじめて動き、頼まれたものを返すところです。手元に置いてあるものを返すこともあれば、プロキシのように別の場所から取ってきて返すこともあります。
なお、これらを使うために自分でコンピュータを買って置く必要はありません。他社が持っているサーバーを、必要なぶんだけ借りる形も広く使われています。その借り方の話が「クラウド」です。
サーバーが動かなくなると、どうなるか
「サーバーが落ちた」と言われるのは、この渡す役が応じられなくなった状態です。頼んでも返事が来ないので、ページが開かない、送信できない、といった形で表に出ます。
このときあなたの側でできることは、多くありません。サーバーは相手の持ち物なので、直せるのは持っている側だけです。
できるのは、自分の側の問題か、相手の側の問題かを切り分けることです。同じ回線につないだ別の機器(スマートフォンなど)で、まったく関係のないサイトが開けるかどうかを見てください。
自分の回線は生きています。開けない側だけの問題である可能性が高いので、待つか、そのサービスの案内を見ます。
相手ではなく、自分の側の回線や機器を疑う番です。サーバーの話ではなくなります。
サービスによっては、いま動いているかどうかを専用のページで公開しています。使っているサービスの名前と「障害情報」を並べて検索すると、見つかることがあります。
まとめ
サーバーは、頼まれた情報を渡す役をしているコンピュータです。特別な機械のことではなく、その役をしているあいだ、そう呼ばれていると考えてください。
- 頼まれてはじめて動く。自分から配って回ることはしない
- 置き場所は「インターネットの向こう」「会社や学校の中」「家の中」の3つ。どこにあるかで相談先が変わる
- 何を渡す役かで、Webサーバー・メールサーバーのように呼び名が変わる
- 止まったとき、こちらにできるのは自分側か相手側かの切り分けまで
サーバーを自分で持たずに借りる考え方は、いくつかの段階に分かれています。その整理は、この下の記事にまとめています。
参考: サーバ – Wikipedia




