「これ、保守って入ってる?」——会社のスイッチやNAS(ネットワークにつなぐ保存用の機器)が止まった日に、上司からこう聞かれて答えに詰まったことはないでしょうか。
「契約書のどこかで見た気がするけれど、何をしてくれるのかは知らない」「入っていれば、電話一本ですぐ直してもらえるのだろうか」と思った方もいるかもしれません。
実は保守契約は、機器が壊れたときに、誰が・いつから・どこまでやるのかを、壊れる前に決めておく約束です。「直るまで面倒を見てくれる約束」ではありません。
この記事では、社内に情報システムの担当者がいない会社で、機器の面倒を見る役が回ってきた方に向けて、保守契約が約束していること、約束していないこと、自社に契約があるかの確かめ方、契約が無いまま壊れたときの順序を説明します。料金の相場には入りませんが、料金が何を単位に決まるかは条項から説明します。内容は、2026年9月にメーカー3社が公開している契約条項とサービスの案内で確かめたもので、バッファローとアイ・オー・データはNAS、アライドテレシスはスイッチなどのネットワーク機器の保守です。
いま機器が止まっていて、契約があるかを先に知りたい方は「自分の会社に保守契約があるかを確かめる」から読んでください。
目次
保守契約とは、壊れたときの直し方を先に決めておく約束

保守契約は、かかりつけのお医者さんを決めておくのに似ています。具合が悪くなってから病院を探すのではなく、「困ったらここに連絡する」を先に決めておくものです。
お金の面では、修理代を先払いしてある状態に近くなります。バッファローは、法人向けNAS(テラステーション)のオンサイト保守パックの保守契約条項の第1条で、対象製品が故障した場合に「ご契約期間内は部品代や技術料等をお支払い頂くことなく本サービスを受けることができます」と書いています。
料金が何を単位に決まるかも、同じ条項から読めます。第3条に「本サービスはオンサイト保守パック1パッケージにつきサービスを受けられる対象製品は1台です」とあり、期間は第8条で、契約開始日から「契約年数欄に記載した年数」までとされています。第11条は、作業のための「光熱水道費、消耗品費、通信費(ただし、当社からお客様への通信に要する費用を除きます)はお客様の負担とします」としています。バッファローの場合、機器1台ごと・年数ごとに申し込み、作業にかかる光熱水道費や通信費などはこちら持ち、という形です。
ただし、同じ条項をよく読むと、約束されているのは「直る」ことではなく、決められた時間の中で「始める」ことだと分かります。そこはこのあとの「保守契約があっても『すぐ直る』とは限らない」で見ていきます。
保証と保守は、効く場面が違う
機器を買ったときに付いてくる無償保証と、別にお金を払って結ぶ保守契約は、別のものです。
アライドテレシスは、両者の違いをよくあるご質問で説明しています。無償保証は「保証期間中に不具合が発生した際、製品をお送りいただければ、弊社にて修理 または 交換後 お客様へ機器をお返しいたします」、有償保守は「大きく分けて デリバリーサービス と オンサイトサービスの 2種類 ございます」という説明です。
| 項目 | 無償保証 | 保守契約(有償) |
|---|---|---|
| 付いてくるか | 買えば付いてくる | 別に申し込んで、料金を払う |
| 直し方 | 送って、直って戻るのを待つ | 来てもらう・代わりが届く・送る から選ぶ |
| 止まっている間 | 手元に機器が無い | 代わりの機器が用意される契約もある |
バッファローの場合、保守契約は無償保証の上に乗っています。条項の第2条に「製品の保証書による無償保証の適用を受けられない場合には、本サービスの対象外とします」とあり、無償保証が効かない壊れ方は、保守契約に入っていても対象外になります(SSDを載せた製品が、保証する書き込みの量に達して無償保証から外れた場合だけは、例外として対象に含めています)。
この結びつきは、会社によって違います。スイッチなどを対象にするアライドテレシスの約款は、無償保証が効くことを条件にしておらず、対象外にする作業を第5条に並べています。
個人で使うスマートフォンにも、メーカーの保証と、携帯会社に月額で払う端末補償という2つの約束があり、引き受けるものが違います。こちらは別の記事で整理しています。
直し方は、来てもらう(オンサイト)・代わりが届く・送る(センドバック)
保守契約は「入るか入らないか」だけでなく、どういう直し方をしてもらうかを選ぶものでもあります。
バッファローは法人向けNASの保守サービス内容のページで、「オンサイト保守(サービスマンが現場へ駆けつけ対応)」「デリバリー保守(代替品を即日発送)」「センドバック延長保守(お送りいただいた故障品を、修理後お客様へご返却)」を並べています。
| 形 | 何が起きるか | 機器を付け外しするのは |
|---|---|---|
| 来てもらう(オンサイト・訪問) | 技術者が来て、機器を交換する | 業者 |
| 代わりが届く(デリバリー・先出し) | 代わりの機器が先に届き、壊れた機器を返す | 自分たち(届いた機器に付け替える) |
| 送って直す(センドバック) | 壊れた機器を送り、直ってから戻ってくる(そのあいだ手元に無い) | 自分たち(送る前に外し、戻ったら付け直す) |
アイ・オー・データも、NASの保守サービスを訪問と配送の2本立てにしており、配送のほうは「交換作業はお客様ご自身で行っていただきます。」と案内しています(NAS 保守サービス(アイ・オー・データ))。
送って直す形は、無償保証と同じ流れに見えます。違いは、保証が切れたあとも使えることです。バッファローは、商品を買うときに別に契約しておく「延長保守」を、「無償保証期間終了後の万が一の修理依頼の際に本来必要となる修理費用が不要となる保守サービス」としています。
同じ「保守に入っている」でも、当日その場で何が起きるかはまったく違います。自社の契約がどの形なのかは、あとの「自分の会社に保守契約があるかを確かめる」で確かめ方を説明します。
保守契約があっても「すぐ直る」とは限らない

確かめた条項や案内を読むと、時間について書いてあるのは、ほとんどが「いつ対応を始めるか」で、「いつ直るか」ではありません。
宅配便にたとえると、「明日お届けします」ではなく「明日、受け取りに伺います」に近い約束です。荷物がいつ相手に届くかは、そこからの道のりしだいになります。
何時に連絡したかで、対応が始まる日が変わる
バッファローの条項の第8条は、対応時間を「休祭日および当社の定める休業日を除き、月曜日から金曜日までの9時~17時」とし、続けてこう書いています。
本サービスの対応は、16時までにご連絡を頂いた場合は翌営業日に、16時以降にご連絡を頂いた場合は、翌々営業日に対応を開始します。また、交通事情や天候や対象製品の設置場所等の諸条件により、翌々営業日以降の対応になる場合もあります。
この書き方だと、金曜日の15時台に連絡すれば対応が始まるのは月曜日、16時すぎなら翌々営業日の火曜日です(どちらも祝日を挟まない場合)。連絡した時刻が1時間違うだけで、動き出す日が1日ずれます。
他社の案内も、書き方は違いますが、書いてあるのは対応や訪問を始める日です。2026年9月に確かめた3社を並べました。
| 会社 | 連絡を受け付ける時間 | 案内されている対応 |
|---|---|---|
| バッファロー(NASのオンサイト保守) | 9:00〜12:00、13:00〜17:00(月〜金。祝日・年末年始と同社の休日を除く) | 16時までの連絡で翌営業日に「対応を開始」 |
| アイ・オー・データ(NASの訪問安心保守) | 平日9:00-17:00(専用ダイヤル。同社の指定休業日を除く)/Webフォームは24時間 | 平日9:00-15:00に訪問の日取りが決まった分まで「最短翌営業日対応」 |
| アライドテレシス(スイッチなどのオンサイトスタンダード) | 月〜金 9:00〜17:00(土日祝日と12月29日〜1月3日を除く) | 受付完了後、翌営業日以降で訪問時間を調整(約款の別紙1による) |
バッファローの行の時間は、同社の保守サービスのページにある電話の受付時間です。条項の第8条が定める「月曜日から金曜日までの9時~17時」は対応の時間で、別のものです。
アライドテレシスにいたっては、サービスメニューの表の下に「代替機器の配送時間および技術員の派遣時間は、あくまでも目安となります。対応の時間をお約束するものではありません。」と書いています。時間そのものが約束ではない、とはっきり書いてある例です。
反対に、当日中に交換まで行うと書いているプランもあります。アイ・オー・データの当日訪問プランは「平日9時~17時までのオンサイト確定で、当日中(約4時間以内)に交換作業&動作確認を行います。」としています。ただし、同じページのよくある質問では、この時間を「当日中(約4時間以内)にお伺いします。」と、訪問の時間として書いています。プランの説明のすぐ下には「当日訪問できない場合がありますのでご注意ください。」ともあり、行うのは機器の交換と動作確認までです。
こうした時間の取り決めを、アライドテレシスは「サービスレベル(配送時間、駆けつけ時間)」と呼んでいます。契約書では、英語の頭文字で「SLA」(サービスレベル合意)と書かれることもあります。その欄で見るのは、書いてある時間が「始まるまで」なのか「終わるまで」なのかです。
受付時間が平日の日中だけなら、土曜の朝に止まった機器は、連絡できるのが早くて月曜です。翌営業日に対応する契約なら、対応が始まるのは火曜になります。その機器が止まったまま週末を越せるかどうかを、壊れる前に考えておくと、契約の形(来てもらうのか、代わりが届くのか)を選ぶ基準になります。
「切り分け」は自分の仕事として書かれていることがある
もう一つ、条項を読むまで気づきにくいことがあります。どの機器が壊れているのかを突き止める作業は、契約によっては自分たちの仕事として書かれています。
この作業は「切り分け」と呼ばれます。ネットがつながらないとき、悪いのは回線なのか、ルーターなのか、スイッチなのか、パソコンなのかを、順番に外して絞り込んでいく作業です。
バッファローの条項は、第7条で「障害箇所および原因の切り分けはお客様にてお願い致します」、第2条で「お客様のネットワーク環境での異常または不具合における切り分け作業については、お客様が行うこととします」と、2か所で書いています。
アライドテレシスの保守サービス約款の別紙1(サポート・サービス仕様書)も、デリバリーとオンサイトの両方の範囲の1番目に「該当製品を特定するための切り分け作業は、お客様が行うものとします。」と置いています。
同社が契約のときに渡す「保守コール窓口案内」のサンプルにも、障害時に必要な情報を並べたあと「注;障害の一次切り分けは、お客様もしくはユーザー様にて行っていただきます。」と窓口の連絡先と同じ紙に書かれています。
とはいえ、窓口への連絡を後回しにする必要はありません。バッファローの保守サービスのページも、手順を「故障が発生したら、保守専用窓口にご連絡ください。受付時に、オンサイト保守の要不要の判断を行います。」から始めています。連絡は先にしてよく、そのうえで、どの機器が悪いのかを絞り込む作業は自分たちにも求められることがある、と覚えておくと慌てずに済みます。遅い・つながらないと言われたときに、まず何を確かめ、どこへ連絡するかは、次の記事で扱っています。
保守契約の範囲は、どこまでで「完了」かで決まる

「壊れた機器を直してもらえる」と聞くと、元どおり使えるところまで戻してもらえそうに思えます。ですが、どこまでやったら「完了」とするかは、会社と契約の形で分かれます。
2026年9月に、3社の条項と案内で確かめた線引きを並べました。
| 会社と形 | どこまでで完了とされているか |
|---|---|
| バッファロー(NASのオンサイト保守) | 壊れた部位の交換・修理まで。除外作業の一覧に「対象製品が接続されるネットワークの復旧作業」が入っている |
| バッファロー(NASのデリバリー保守) | 代わりの機器を送るところまで。「代替品は工場出荷時設定にて発送させていただきます」 |
| アイ・オー・データ(NASの訪問安心保守) | 「機器交換と簡単な接続テスト」まで。「データ移行や設定値を交換機器に復元する作業は含まれておりません」 |
| アライドテレシス(スイッチなどのオンサイト) | 「故障機の交換を実施した時点で完了」。ただし設定情報を渡せば、交換のときに入れて通信確認まで行う |
どちらも「オンサイト」の保守でも、NASを対象にするバッファローはネットワークの復旧作業を除外作業に挙げており、スイッチなどを対象にするアライドテレシスは設定情報を渡せば通信確認まで行うと案内しています。カタログの名前ではなく、条項の言葉を読まないと分かりません。
設置の場所によって、来てもらえないこともあります。アライドテレシスの約款は、対象外の作業に「屋外のオンサイト作業」「高所作業可能範囲外の高所や屋根裏、床下に設置されている保守対象製品へのオンサイト作業」を挙げ、別紙で「作業場所は屋内である事および、作業床から3m未満に取り付けられている事」「脚立を設置する水平のエリアが確保されているものとします」と条件を書いています。
天井近くに取り付けた無線アクセスポイントや、屋根裏を通したスイッチは、機器そのものは対象でも、取り付いている場所のせいで追加の費用や作業が必要になることがある、ということです。
そして、確かめた3社の案内には共通していることがあります。機器の設定の控えを持っているのは、自分たちの側だという前提です。
アライドテレシスの仕様書は、オンサイトサービスの範囲で、交換する機器の設定情報について「お客様が記録・保管を行うものとします」と書いています。そのうえで、交換のときに設定情報を渡せなければ「工場出荷の設定になります」としています。バッファローのデリバリー保守も、代わりの機器は工場出荷時の設定で届き、アイ・オー・データの訪問安心保守も、設定値の復元を作業に含めていません。
新しい機器が届いても、中身は買ったときの状態です。前と同じ設定が書かれた控えが手元に無ければ、機器は新しくなったのに、社内のネットワークは元に戻らないということが起こります。
ルーターなら、設定をまるごとファイルに保存しておける機種があります。ただし、ファイルだけで元どおりになるとは限りません。ルーターも保守の対象に含めているアライドテレシスの仕様書は「バックアップファイルを用いた完全リストアができない場合があります」とし、そのときは利用者が自分で設定し直すとしています。ファイルのほかに、設定した内容そのものも控えておくと、やり直せます。保存のしかた、戻すときに戻らない設定、控えのファイルを読み込める型番については、ルーターの設定を保存・復元する方法にまとめています。
ここまでの話は、結局「自社の機器がどこに何台あり、どんな設定で動いているか」を自分たちが分かっているか、に行き着きます。その一覧と図の作り方は、次の記事にまとめました。
NASの中のデータは、自分たちで控えておく
NASのように、データをため込む機器では、もう一つ大事なことがあります。確かめた3社とも、中のデータを守る手立ては、利用者の側に任せています。
バッファローの条項は第13条で「対象製品に記録されているデータの管理保全については、お客様の責任によって行うものとします」とし、保守の作業に伴ってデータが消えても、同社の故意または重大な過失による場合を除いて「一切の責任を負いません」と書いています。除外作業には「お客様データのバックアップ、リストアに関わる作業」が入っており、同社の保守サービスのページにも「データ復旧は非対応です。」とあります。
アライドテレシスの仕様書も、データを記録する機器について「データのバックアップなどの予防措置は、お客様が行うものとします。」としています。アイ・オー・データの訪問安心保守も、データの移行を作業に含めていません。
つまり、保守が直すのは機器のほうで、中のデータを戻す材料は、自分たちが取っておいた控え(バックアップ)です。保守に入っていても、控えの無いデータまで戻してもらえるわけではありません。
控えをどこに、どう置くか(NASにつないだままの外付けハードディスクだけでよいか、など)は、ファイルサーバーとNASの記事にまとめています。
自分の会社に保守契約があるかを確かめる

「うちは入っているのか」を調べるとき、契約書のファイルを探すより先に見られる場所があります。
保守契約があるかは、まず3つの場所で確かめる
- 契約のときに届いた書面。アライドテレシスの約款は、注文書を受け取ったあとに「窓口案内」を出すことで契約が成立するとしており、そこには「サービスの種類、サービス期間、開始日、対象製品、連絡窓口等」が書かれます。同社のサンプルでは「保守種別:デリバリースタンダード」のように、来てもらう形か代わりが届く形かもここで分かります
- 登録したときのメール。アイ・オー・データは「お申込み完了のメールが届き、サービスが開始されます。メール内には、専用ダイヤル情報など、大切な情報が記載されています」と案内しています
- メーカーの管理ページ。同社は加入状況の確かめ方を「ISSご契約者様マイページよりご確認いただけます」とし、ログイン後に保守対象製品の型番・シリアル番号を見られるとしています
社内に機器の台帳があるなら、そこにも欄があるかもしれません。IPA(情報処理推進機構)が公開している資産管理台帳のサンプルでは、ネットワーク機器台帳・ハードウェア台帳・ソフトウェア台帳の3つに「保守情報」の欄があり、保守事業者名と担当者名を書くようになっています。ネットワーク機器台帳には、さらに契約名や契約番号を書く欄があります。
そして、確かめるついでに連絡するときに聞かれることも控えておくと、実際に壊れた日の手間が減ります。アライドテレシスの窓口案内のサンプルには、障害時に必要な情報として「契約番号」「案件名」「機器名/シリアル番号」「障害Log」「設置場所住所」が並んでいます。
3つとも見当たらないときは、買った先に聞く
前の担当者から引き継ぎが無いと、書面もメールも、管理ページのログイン情報も見つからないことがあります。
そのときは、機器を買った販売店や、機器を入れた業者に聞くのが近道です。登録や案内メールの受け取りを、販売店や保守業者が代わりにしていることがあるからです。アイ・オー・データは、管理者に登録するのはエンドユーザーと販売店(保守業者)のどちらがよいかという質問に「どなたでご登録いただいても問題ございません」と答えています。バッファローの条項も、登録した人とは別に「登録者の顧客である当社製品使用者」を対象に含めています。
アイ・オー・データは、保守のパッケージをなくしたときも「ご購入元にご相談いただきますようお願いいたします」と案内しています。聞く前に、止まった機器の型番とシリアル番号を控えておくと話が早く進みます。シリアル番号は、アライドテレシスの窓口案内のサンプルでも、障害時に必要な情報に入っています。
買っただけでは始まらず、更新しなければ切れる
ここが、いちばん見落としやすいところです。保守のパッケージを買っただけでは、サービスは始まっていないことがあります。
バッファローの条項の第3条は、登録サイトで登録することを求めたうえで、こう書いています。
当社はお客様が登録申請した対象製品に対して、当社が登録承認、登録完了のご案内を行い、本サービスを開始するものとします。なお、登録が完了しなければ本サービスの提供は開始されません。
同じ第3条には、登録できない製品として「対象製品購入より、60日を経過した場合(ただし、延長パックに申し込む場合は除きます)」も挙げられています。アイ・オー・データも「NASのご購入から60日以内に、サービスの購入と利用登録まで行ってください。」「※ご利用登録がない場合は、保守サービスを受けることができません。」と案内しています。
ただし、60日を過ぎたら打つ手が無くなる、というわけではありません。アイ・オー・データは「商品購入から60日以上経過後のお客様を対象とした、アフター保守サービスもご用意しております」と案内しています(保守契約の申し込み期限はありますか(アイ・オー・データ))。期限を過ぎていても、諦める前に買った先かメーカーに問い合わせる価値があります。
しかも、アイ・オー・データのよくあるご質問によれば、保守の開始日は「対象商品購入日(設置場所納品日)が保守サービスの開始日となります」。期間は買った日から数え始めるのに、登録しなければ使えないので、机の上に置いたままにすると、その分だけ損をします。
入っていたはずの契約が切れている、という形もあります。アライドテレシスは「保守契約満了日を過ぎますと保守未加入になり、保守サービスをご提供することができません。」と書き、延長の連絡を満了日の1か月前を目安に求めています。
- 保守のパッケージや申込書が同梱されていないか
- 登録が要るなら、期限(購入からの日数)がいつまでか
- 登録が終わったら、完了の案内やメールをどこに保管するか
- 契約が切れる日と、更新の連絡をいつまでにするか
保守契約が無いまま機器が壊れたら

契約が見つからなかったときでも、打つ手はあります。順に見ていきます。
まず、無償保証の期間が残っていないかを確かめます。保証書か、買ったときの納品書・請求書で購入日が分かれば、メーカーのページで保証期間と照らせます。
期間が切れていれば、有償の修理になります。見てもらってから見積もりを出してもらい、直すかどうかを判断する形になります。
これから保守に入ろうとするときは、年数の壁もあります。保守契約を結んだり延ばしたりできる期間には、区切りがあります。バッファローの条項は保守対応期間を「標準保証期間を含め、対象製品購入日から最長5年までのものと最長7年までのものがあります」とし、アライドテレシスの約款は「保守対象製品の販売終了日を起算とし原則5年間」としています。数え始める日が、バッファローは買った日、アライドテレシスはその製品の販売が終わった日と、会社によって違います。
アライドテレシスは「6年目以降の契約は個別の対応となり」としているので、期間を過ぎたら必ず断られるとは限りません。それでも、古い機器ほど、保守で直すという選択肢は選びにくくなっていきます。
なお、回線の入口にあるONUのように、通信事業者から借りている機器は、この話とは別です。借りている機器の故障は、契約している回線事業者の窓口が引き受けます。
直せないと分かったら、買い替えの判断に移ります。Wi-Fiルーターの場合、買い替えどきの見極め方と、型番からサポート期限(修理や更新プログラムを受けられる期間で、保守契約を結べる期間とは別のもの)を確かめる方法は、次の記事にまとめています。
NASやファイルサーバーなら、中のデータかその控えが残っていれば、新しい機器に買い替える代わりに、中身をクラウドへ移す道もあります。移し先の選び方と、そのまま移らないものは、ファイルサーバーのクラウド移行の記事にまとめました。
買い替えるときは、同じことが次の機器で起きないように、止まると困る機器から順に、保守を付けるかどうかを決めておくと、次は同じ日を過ごさずに済みます。
保守を請け負うのはメーカーだけではなく、メーカー以外の保守会社が引き受けている場合もあります。どこに頼むにせよ、保守を付けるときと更新するときに確かめることは同じです。
- 誰が引き受けるか:窓口と、連絡を受け付ける時間
- いつから始めるか:連絡してから対応が始まるまで。書いてある時間が「始まるまで」か「終わるまで」か
- どこまでやるか:どこで「完了」とするか。設定やデータを戻す作業は含まれるか
- 自分たちの側でやること:切り分け、設定とデータの控え、契約が切れる日の管理
導入で「誰が・いつから・どこまで」と書いた3つに、自分たちの側でやることを足した4つです。
まとめ
- 保守契約は、壊れたときに誰が・いつから・どこまでやるかを先に決めておく約束で、無償保証とは別に申し込むもの
- 直し方には、来てもらう・代わりが届く・送って直す、の形がある
- 確かめた条項や案内で、時間について書いてあるのはほとんどが対応を始める日で、直る日ではない。当日中に交換まで行うと書くプランでも、行うのは機器の交換と動作確認まで
- どの機器が壊れたかを突き止める切り分けは、契約によっては自分たちの作業として書かれている。窓口への連絡は先にしてよい
- どこまでで「完了」かは会社と契約の形で分かれる。設定の控えを持っているのは自分たちの側、という前提は確かめた3社に共通している
- NASなど、データをため込む機器の中身を守る手立ても、確かめた3社とも利用者の側に任せている
- 契約の有無は、契約のときの書面・登録完了のメール・メーカーの管理ページで確かめられる。見つからなければ、買った先に聞く
- 保守のパッケージは買っただけでは始まらないことがあり、確かめた3社のうち2社(どちらもNASの保守)は登録の期限を購入から60日としている(期限を過ぎた人向けの保守を用意している会社もある)。更新しなければ契約は切れる
- 契約が無いまま壊れたら、保証の期間を確かめ、修理の見積もりを取り、直せなければ買い替えを決める。保守を付けられる年数にも区切りがある
機器の一覧のそろえ方、ルーターの設定の控えの取り方、工事を頼んだときに受け取っておくもの、ネットが遅いときの連絡先、クラウドや法人向けの回線の契約に出てくる稼働率(止まらずに使える時間の割合)の「SLA」は、次の記事にまとめています。
参考: アライドテレシス保守サービス約款(アライドテレシス・PDF)








