10ギガ回線は本当に速くなる?家の機器が足を引っ張る5か所

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「10ギガの光回線に変えれば、いまの10倍速くなる」。そう思って調べはじめた方が多いと思います。

ところが実際には、契約を変えても速度がほとんど変わらなかった、という声が絶えません。

実は、10ギガ(10Gbps)の契約が決めているのは「家の入り口までの太さ」だけです。そこから先、家の中を通るあいだに細いところが1つでもあれば、速さはそこで決まってしまいます。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、申し込む前に自分の家のどこで頭打ちになるかを数えられるようにしていきます。

先に、結論を3つ書いておきます。

  • 速さは、経路のいちばん細いところで決まります。10ギガに変えても、途中の機器が古ければその機器が出せる速さまで落ちます
  • 確かめる場所は5か所です。回線終端装置、ルーターの入り口、ルーターの出口、途中の配線、パソコン側の差込口を、順番に見ます
  • 10ギガで広がるのは「一度に運べる量」だけです。ページの表示や通話の反応は、この量では決まりません

なお、この記事で扱うのは「速くなるかどうか」だけです。料金や工事費、どの会社を選ぶかは会社ごとに違うので、ここでは比べません。どの会社の10ギガでも変わらない、設備の側の話に絞ります。

10ギガ回線に変えても、家の中のどこかで1ギガに戻る

「速さは、いちばん細いところで決まる」と書かれた図。横に伸びる1本の管が中ほどで急に細くなっており、太い側に「10ギガの契約」、細くなる場所の下に「家の中の1か所」、細い側に「実際に届く速さ」とある。管の中を流れる水色の粒は、太い側では密集し、細い側ではまばらになっている。

水道を思い浮かべてください。道路の下に太い本管が通っていても、家の中の配管が細ければ、蛇口から出る量はその細いほうで決まります。

ネットワークもこれと同じです。通り道のうち、いちばん細い1か所が全体の速さを決めます

そして10ギガの契約が太くするのは、道路の下の本管にあたる部分だけです。家の中の配管は、契約を変えても自動的には太くなりません。

これは推測ではなく、回線を提供している会社自身が書いていることです。NTT西日本は「フレッツ 光クロス」の留意事項でこう案内しています。

NTT西日本「ご利用時の留意事項」

規格速度がより高速なタイプに変更した場合であっても、端末、LANケーブル、その他の利用環境などにより、実行速度が向上しない場合がございます。

出典はご利用時の留意事項|フレッツ 光クロス(NTT西日本)です。「規格速度がより高速なタイプ」とは、いまの契約より上限の大きいプラン、つまり10ギガのことです。

1ギガの契約でも、すでに起きていること

「そうは言っても、うちは大丈夫だろう」と思われるかもしれません。ところが、これは実際に、しかも珍しくない頻度で起きています。

総務省は、固定回線の実際の速度を測る手法を決めるために実証調査を行い、その結果を報告書にまとめています。そこにこんな記述があります。

総務省の報告書「100メガの壁」

2021 年度実証調査で得られたデータのうち、最も多く測定できた上限速度 1Gbps のサービスについて、測定結果の分布の詳細を確認したところ、ダウンロードの実効速度 80~100Mbps 周辺に統計的には説明できないデータの偏在が確認された。このデータの偏在について分析を行ったところ、上限速度 1Gbps のサービスに加入している 461 者のうち 61 者の実効速度が 100Mbps で頭打ちになっている事象(以下「100メガの壁」という)を確認した。この偏在の原因については、事業者によると、LANケーブルやルータの規格、構内配線、モニター側のサービス内容の誤認等が100メガの壁の原因ではないかと推測されるところである。

出典は固定ブロードバンドサービスの品質測定手法の確立に関するサブワーキンググループ 報告書(総務省・PDF)(2024年9月)です。

2021年度の調査で、1ギガを契約しているモニター461人のうち61人、およそ13%が、100Mbpsで頭打ちになっていました。100Mbpsは、契約している1ギガの10分の1の速さです。

原因として挙げられているのは、LANケーブルやルーターの規格、家の中の配線、そして契約内容の思い違いです。ただし報告書は「推測されるところである」と書いており、原因が確定したとは言っていません。

ここで大事なのは割合そのものではなく、1ギガでもこれだけ頭打ちが起きているのに、その状態で10ギガに変えても何も変わらないということです。壁は契約の外側ではなく、家の中にあります。

いま「遅い」と感じているなら、契約を変える前に、どこで止まっているかを確かめるほうが先です。有線でつないでいるパソコンなら、いまつながっている速度をその場で見られます。

では、10ギガに変えたときに家のどこを見ればいいのか。数える5か所は、このあとまとめて挙げます。その前に、そもそも10ギガにすると何が変わるのかをはっきりさせておきましょう。

10ギガに変えて速くなるもの、変わらないもの(ページの表示・通話の反応)

「10ギガが広げるのは、運べる量のほうだけ」と書かれた図。白いカードが2枚並び、左のカードには水色の太い右向き矢印が1本、右のカードには行って戻る形の細い輪の矢印がある。カードの下にそれぞれ「一度に運べる量」「返事が返るまでの時間」とある。

「速い」という言葉は、ふだん2つの違うものをまとめて指しています。

ひとつは一度にどれだけ運べるか。もうひとつは頼んでから返事が返るまでどれだけ待つかです。

10ギガの契約が大きくするのは、前者だけです

この2つが別物であることは、国も測り方の決まりの中ではっきり分けています。総務省が定めた固定回線の品質測定のガイドラインでは、測る項目が次のように整理されています。

総務省のガイドライン「②測定項目」

【必須項目】
• 実効速度(アップロード速度及びダウンロード速度)
【各社の判断で測定する項目(例)】
• 遅延
• パケットロス率
• ジッタ
• ウェブページ読み込み時間 等

出典は固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン(総務省・PDF)(令和6年9月)です。

注目したいのは、「実効速度」と「遅延」と「ウェブページ読み込み時間」が、別々の項目として並んでいることです。速度を測っても、遅延やページの読み込み時間が分かるわけではないから、別に測ることになっています。

プランの「最大◯Gbps」という数字が表しているのは、このうち実効速度のほうの上限です。

上限が広がると効く場面上限では決まらない場面
大きなファイルの受け渡しウェブページが表示されるまでの体感
ゲームやソフトのダウンロード・更新オンラインゲームのラグ(反応の速さ)
家族が同時に高画質の動画を見るとき通話やWEB会議の反応の速さ

とくにゲームは、同じ「重い」でも左右に分かれます。ソフトのダウンロードや更新の待ち時間は上限が効きますが、プレイ中のラグは上限では決まりません。10ギガの上限が効くのは前者のほうです。

右の列が上限で決まらないのは、そこに上限とは別の要素が効いてくるからです。主なものは4つあります。

  • 距離 — 相手のコンピューターが遠いほど、往復に時間がかかります
  • 相手側の事情 — 接続先のサーバーが混んでいれば、こちらがどれだけ太くても待たされます
  • 途中の混雑 — 夜や休日など、みんなが使う時間帯は順番待ちが起きます
  • 接続方式 — 混雑する場所を通るかどうかは、プロバイダとの接続のしかた(PPPoEとIPoE)でも変わります

ですから「10ギガにすればページの表示がきびきびする」とは言えません。逆に「10ギガにしても反応は絶対に変わらない」とも言えません。混雑が減れば待ち時間は短くなりますし、接続方式が同時に変わることもあるからです。

はっきり言えるのは、上限が広がることと、反応が速くなることは別の話だということです。いまの不満がどちらの側なのかを先に見分けておくと、10ギガが効く不満かどうかが分かります。

10ギガを受け取れる機器かどうかを、家の中で5か所数える

「通り道にある5つの関門」と書かれた図。左から壁のコンセント、平たい箱、短いアンテナが2本立った箱、もう1つの平たい箱、開いたノートパソコンが1本の線でつながっている。下に「① 回線終端装置」「② 入り口(WAN)」「③ 出口(LAN)」「④ 配線とハブ」「⑤ パソコン側」とあり、②と③はアンテナのある箱の真下に並んでいる。

ここからが本題です。10ギガを受け取れる家かどうかは、通り道にある5つの関門を順に見れば分かります。

NTT東日本は、10ギガのサービスに必要な環境をこう案内しています。

10ギガに必要な環境(NTT東日本)

最大概ね10Gbpsの通信速度でご利用いただくためには、LANポートが10GBASE-TかつLANケーブルがカテゴリ6a以上のLAN環境が必要となります。

出典はフレッツ 光クロス(NTT東日本)です。NTT西日本も「カテゴリー6a」以上のケーブルと10GBASE-Tに対応したLANカードが必要だと案内していて、東西で条件は同じです。

「10GBASE-T」は、10ギガでやりとりするための規格の名前です。1ギガなら「1000BASE-T」、100メガなら「100BASE-TX」で、機器の仕様表にはこの形で書かれています。読み方はイーサネットの規格の読み方にまとめました。

この条件を、通り道の順に並べ直すと次のようになります。

関門見るところ
① 回線終端装置10ギガ用のものに交換されるか
② ルーターの入り口WAN側の差込口が10GBASE-Tか
③ ルーターの出口LAN側の差込口が10GBASE-Tか
④ 配線とハブケーブルがカテゴリ6a以上か/間のハブが10GBASE-Tか
⑤ パソコン側の差込口パソコンのLANポートが10GBASE-Tか

この5つは機器の台数ではなく、データが通る関門の数です。1台の機械が2つの関門を兼ねていることもあります。

回線終端装置(ONU)とルーターは、別々に見る

壁から来た光をパソコンが扱える信号に変える箱を、回線終端装置(ONU)と呼びます。10ギガに変えるときは、この箱も10ギガ用のものになります。

ここで迷いやすいのが、この箱とルーターが1台にまとまっている家があることです。ひかり電話を使っていると、両方の役目を持つ機械が1台置かれていることがあります。

それでも、数える関門は減りません。1台の中で「光を受ける部分」と「振り分ける部分」が分かれているだけで、どちらも10ギガに対応していなければ、その手前で止まります

ただし①は、自分で買う部分ではありません(一体型の機器を借りている場合は②③も同じです)。確かめるのは申し込むときで、「10ギガ用の機器に交換されるのか」を案内で聞いておけば足ります。

ルーターは「入り口(WAN側)」と「出口(LAN側)」で別

ルーターの差込口は、役目で2種類に分かれています。WANと書かれた口が入り口で、回線終端装置とつなぎます。LANと書かれた口が出口で、パソコンやハブとつなぎます。

ここが落とし穴です。WAN側とLAN側で速度が違うことがあります。仕様表を見るときは、両方の速度を確かめてください。片方だけ見て「10ギガ対応」と判断すると、家の中に入ったところで頭打ちになります。

また、10ギガと1ギガのあいだには2.5ギガ・5ギガという中間の規格もあります。中間でも1ギガより速くなるので、10ギガでなければ無駄というわけではありません。この考え方はルーターとはの記事でも触れています。

全部そろえないと、意味がないのか

10ギガいっぱいで使うには、5か所すべてが10ギガに対応している必要があります(差込口は10GBASE-T、ケーブルはカテゴリ6a以上)。ここは動かせません。

ただし「10ギガに届かない=いまと同じ」ではありません。回線側は、10GBASE-T のほかに 5GBASE-T・2.5GBASE-T・1000BASE-T・100BASE-TX を受け付けます(フレッツ 光クロス(NTT東日本)の一覧)。

速さを決めるのは、5か所のうちいちばん遅いところでした。ということは、いちばん遅い1か所を10ギガ対応のものに替えれば、次に遅いところまで上がります。全部を10ギガでそろえるか、何もしないかの二択ではありません。

配線(カテゴリ6a)とハブ、パソコン側の差込口(10GBASE-T)

残りの2つの関門は、いちばん見落とされるところです。

ひとつはLANケーブルです。10ギガでつなぐには、NTT東日本・西日本ともカテゴリ6a以上のケーブルを求めています。それより古いものだと届きません。ケーブルの側面に「CAT5e」「CAT6」といった印字があるので、そこで見分けられます。

もうひとつは、ケーブルの途中に入っているスイッチングハブです。部屋を分けるために足したハブが古いままだと、そこで頭打ちになります。ハブは意識から抜けやすいので、壁の中や机の裏も一度見てください。

そして最後がパソコン側の差込口です。パソコンに内蔵されているLANの部品は 1000BASE-T のことが多いので、仕様表に「10GBASE-T」の記載があるかを確かめてください。NTT西日本も「10GBASE-Tに対応したLANカードなど(NIC)はお客さまにてご準備ください」と案内しています。

なぜ「1ギガに戻る」のか

ここまで「そこで止まる」と書いてきましたが、実際には通信が切れるわけではありません。機器どうしが話し合って、両方が話せるいちばん速い規格に合わせているのです。

NTT西日本の技術参考資料には、10ギガのサービスが対応する規格と、その決まり方が書かれています。

技術参考資料 表2.2 インタフェース条件

10GBASE-T,5GBASE-T,2.5GBASE-T,1000BASE-T,100BASE-TX

(注1) インタフェースと通信モードはONUの自動折衝機能(Auto Negotiation)により決定します。

出典は技術参考資料 IP通信網サービスのインタフェース ― フレッツシリーズ ― <光クロス、光ネクスト編>(NTT西日本・PDF)(第29版・2025年7月1日)です。NTT東日本も同じ5つの規格を挙げています。

自動折衝(オートネゴシエーション、Auto Negotiation)とは、つないだ相手と「あなたはどこまで出せますか」を確かめ合って、両方が対応している中でいちばん速い規格を選ぶしくみです。

つまり、相手が1000BASE-Tまでしか話せなければ、10ギガの契約であっても1000BASE-T、つまり1ギガで折り合います。エラーも警告も出ません。だから気づきにくいのです。

測る側の機器でも、数字は頭打ちになる

もうひとつ、知っておくと損をしない話があります。速度を測った数字が出ないとき、原因が測る側にあることもあるのです。

先ほどの総務省の報告書には、こんな記述もあります。

総務省の報告書「400メガの壁」

2022 年度実証調査においては、400メガの壁が確認されたところであるが、2020 年度実証調査及び 2021 年度実証調査の結果と測定条件等を比較したところ、400メガの壁は低廉な測定端末の性能に起因して発生したものであると考えられる。

1ギガと2ギガの回線を測ったのに、400Mbps未満で頭打ちになった。その原因は、測定に使った専用の端末(1台あたり約2万円の安価なもの)の性能によるものと考えられる、という報告です。

これは調査で使った専用端末の話で、家庭のパソコンについて言っているわけではありません。ただ、同じ報告書はこの経験から、上限の大きいサービスを測るときの決まりをこう定めています。

上限速度が1Gbps超のサービスを測る場合

端末の性能によっては実効速度を適切に測定できない可能性があることを考慮し、なるべく高性能な端末を用いて測定を行う

出典は固定ブロードバンドサービスの品質測定手法の確立に関するサブワーキンググループ 報告書(総務省・PDF)(2024年9月)です。

国が事業者に測り方を定めるときですら、上限が大きいサービスでは端末の性能に気をつけるよう求めているということです。測って数字が出なかったからといって、回線のせいとはかぎりません

Wi-Fiでつなぐなら、10ギガはどこまで届くのか

「有線と無線は、別の天井」と書かれた図。左のノートパソコンは中央のアンテナが2本立った箱と線でつながり、右のスマートフォンとのあいだには水色の弧が3本広がっている。ノートパソコンの下に「ケーブルでつなぐ」、スマートフォンの下に「Wi-Fiでつなぐ」とある。

ここまでは、ケーブルでつないだ場合の話でした。では、家じゅうがWi-Fiという方はどうでしょうか。

結論から言うと、Wi-Fiには有線とは別の天井があります。10ギガの契約は、その天井を上げてくれません。

先ほどの総務省のガイドラインは、回線の品質を測るときの方法をこう定めています。

ガイドライン「調査方法及び測定方法」

また、測定する端末はモデム又はルータと有線接続した状態で測定すること。

これは事業者に課しているルールですが、意味は同じです。回線の実力を測るなら、わざわざ有線でつなぐということ。Wi-Fiを挟むと、測っているものが回線なのか電波なのか分からなくなるからです。

Wi-Fiの天井は、ルーター(親機)と、つなぐ機器(子機)の両方で決まります。片方が新しくても、もう片方が古ければ古いほうに合わせられます。

ここから、実際に使える一手が出てきます。10ギガに変えたあとで速さを確かめるときは、まずケーブルでルーターに直接つないで測ってください。Wi-Fiを挟んだ数字より、回線に近い数字が出ます。

ただし、これでも「回線の実力そのもの」ではありません。測るパソコン側の差込口(関門⑤)が1000BASE-Tなら、そこで頭打ちになった数字が出ます。逆に言えば、有線でつないでも数字が1ギガあたりで止まるなら、疑うのは回線ではなく、ここまで数えてきた関門のほうです。先ほどの「測る側の機器でも、数字は頭打ちになる」は、ここにも当てはまります。

Wi-Fiで測った数字は、回線とWi-Fiの両方を通ったあとの数字です。

そのため、10ギガに変えたときに効き目が出やすいのは、ケーブルでつないだ機器のほうです。Wi-Fiで使う機器にどれだけ届くかは、Wi-Fiの規格の側の話になります。自分の機器がどの規格かを調べる方法まで、こちらにまとめています。

そもそも10ギガが引ける家か(提供エリアと建物)

「エリア内でも、引けるとはかぎらない」と書かれた図。三角屋根の家と、窓が並ぶ背の高い建物が並んでいる。左から来た水色の線は2つに分かれ、どちらも建物の手前にある同じ形の縦長の板で止まっている。下に「戸建て」「集合住宅」とある。

ここまで機器の話をしてきましたが、その前に決まってしまうことがあります。そもそも自分の家に引けるかどうかです。

10ギガのサービスは、まだ全国のどこでも使えるわけではありません。しかも、エリアの中なら必ず使えるとも限らないのです。

エリア内でも使えないことがある

サービス提供エリアの全ての住所でのサービス提供を保証するものではございません。

サービス提供エリアであっても、設備の状況などによりサービスのご利用をお待ちいただいたり、サービスがご利用いただけない場合がございます。

ご利用時の留意事項|フレッツ 光クロス(NTT西日本)からの引用です。エリアの判定は市区町村ではなく住所の単位で行われるので、「うちの街は対象」でも自分の家は対象外ということが起こります。

NTT東日本も、工事の前に調査が入ることと、その結果によっては提供できないことを案内しています。

工事の前に設備の調査が入る

工事に先立ち、光加入者回線敷設のための設備状況調査にお伺いする場合があります。確認の結果によっては、「フレッツ 光クロス」をご提供できないことがあります。

住所で判定されるところまでは、戸建ても集合住宅も同じです。集合住宅では、そのあとにもう1段階あります。建物に線を引き込むための工事が必要になることがあり、そのときは自分だけでは決められません。

集合住宅では承諾が要る

建物が集合住宅・テナントビルの場合は、配管設備などの構築や使用にあたり、あらかじめマンション・ビルオーナー、管理組合さまの承諾を得ていただく必要があります。

建物の中がどう配線されているかで、そもそも入れられる速さが決まってしまうこともあります。マンションの回線については、建物内の配線方式の記事で扱っています。

なお、10ギガのサービスも、局から家までの光ファイバーを近所と分け合っています。NTT東日本は提供開始の発表で「加入者光ファイバーを複数のお客さまで共用し」「ベストエフォートサービスです」と説明しています(「フレッツ 光クロス」の提供開始について(NTT東日本))。1本を自分だけで使うわけではないので、みんなが一斉に使えば細くなります。この共用のしくみは、光ファイバーとはの記事で説明しています。

まとめ

10ギガに変えると本当に速くなるのか。答えは「家の中しだい」です。

  • 速さは通り道のいちばん細いところで決まります。10ギガの契約が太くするのは家の入り口までで、中の配線は自動的には変わりません
  • 国の実証調査では、1ギガを契約しているモニター461人のうち61人が100Mbpsで頭打ちになっていました。原因は事業者によると、ケーブルやルーターの規格、家の中の配線、契約内容の思い違いではないかと推測されています
  • 広がるのは一度に運べる量だけです。ページの表示や通話の反応は、距離・相手側・混雑・接続方式で決まるので、上限を上げただけでは決まりません
  • 確かめるのは5か所。①回線終端装置 ②ルーターの入り口(WAN側) ③ルーターの出口(LAN側) ④配線とハブ ⑤パソコン側の差込口。必要なのは10GBASE-Tの差込口とカテゴリ6a以上のケーブルです
  • 1か所でも古いと、機器どうしの話し合い(自動折衝)でその機器が出せる速さに落ち着きます。1000BASE-Tなら1ギガ、100BASE-TXなら100メガです。エラーは出ません
  • ただし全部そろえるか、何もしないかの二択ではありません。いちばん遅い1か所を10ギガ対応のものに替えれば、次に遅いところまで上がります
  • Wi-Fiには別の天井があります。10ギガの効き目が出やすいのは、ケーブルでつないだ機器のほうです
  • 引けるかどうかは住所と建物で決まります。エリア内でも提供できない場合があり、集合住宅ではオーナーや管理組合の承諾が要ります

いま遅いと感じているなら、まずどこで止まっているかを確かめてください。契約を変えるのは、そのあとでも遅くありません。

申し込む前に、今日できること

1. LANケーブルの印字を見る。机の裏やテレビ台をのぞいて、ケーブルの側面に「CAT6A」などカテゴリ6a以上の表示があるかを確かめます。「CAT5e」「CAT6」なら、そこが関門④です。

2. ルーターとパソコンの型番を控える。ルーターは本体の底面や背面にラベルが貼られていることが多いので、そこを見ます。その型番でメーカーのページを開き、ルーターはWAN側とLAN側の両方、パソコンはLANポートの規格を見ます(関門②③⑤)。

3. 住所で提供エリアを調べ、案内で1つ聞く。「10ギガ用の機器に交換されるのか」。これが関門①の答えになります。

参考: フレッツ 光クロス(NTT東日本)

参考: ご利用時の留意事項|フレッツ 光クロス(NTT西日本)

参考: 固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン(総務省・PDF)

参考: 固定ブロードバンドサービスの品質測定手法の確立に関するサブワーキンググループ 報告書(総務省・PDF)

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