有線LANについて調べていると、たいてい「無線LAN」という言葉も一緒に出てきます。
けれど、その2つがどう違って、家ではどちらを使えばいいのか、はっきり書かれていることは意外と多くありません。
この記事では、無線LANとは何か、「Wi-Fi」という言葉との関係、そして有線LANとの使い分けの3つを順に整理します。
ネットワークの知識がなくても大丈夫。1つずつ見ていきましょう。
目次
無線LANとは?

無線LANとは、家や職場の中のネットワーク(LAN)を、ケーブルの代わりに電波でつなぐしくみです。
名前のとおり、LAN の「無線版」だと考えると分かりやすくなります。つなぐ相手も、やっていることも有線LANと同じで、違うのは線を使うか、電波を使うかだけです。
だから、スマホをリビングでインターネットにつなぐとき、LANケーブルを挿さなくても済みます。ルーターから出ている電波が、ケーブルの代わりをしているからです。
LAN そのものについては、こちらの記事で扱っています。
無線LANとWi-Fiの違い

この2つは、よく同じ意味で使われます。ただし、もともと指しているものは違います。
総務省の「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」は、冒頭の注記で Wi-Fi をこう説明しています。
Wi-Fi(ワイファイ)とは、無線LANの普及促進を行う業界団体であるWi-Fi Allianceから認証を受けた機器のことです。現在は認証を受けた機器が増えたことから、無線LAN全般を指してWi-Fiということもあり、本マニュアルでもその意味で使用しています。
つまり、Wi-Fi はもともと「規格の名前」ではなく、業界団体の認証を通った機器に付く名前でした。
では、使い分けなくてよいのか
日常では、使い分けなくて構いません。上の注記のとおり、総務省もこのマニュアルの中で「無線LAN全般を指して Wi-Fi」の意味で使っています。
知っておくと役に立つのは、製品のカタログを読むときです。「Wi-Fi 6」のような呼び名と、「IEEE 802.11ax」のような規格の名前が別々に書いてあることがありますが、この2つは同じものを指しています。
規格の一覧と、その読み方はこちらの記事にまとめています。
Wi-Fi そのものを起点に読みたい方は、こちらへどうぞ。
参考: 自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル(令和7年2月版)(総務省・PDF)
有線LANと無線LAN、どちらを使うか

家の中で両方が使える場合、どちらを選ぶかで迷います。得意・不得意がはっきり分かれるので、表にしておきます。
| 無線LAN | 有線LAN | |
|---|---|---|
| 配線 | いらない | 機器ごとにケーブルが要る |
| 置き場所 | 電波が届く範囲なら自由に動かせる | ケーブルが届く範囲まで |
| ほかの電波の影響 | 受ける(近所の機器・電子レンジ) | 受けない |
| 届く範囲 | 壁や床をはさむと弱くなる | ケーブルが届くかぎり変わらない |
| つなげる台数 | ケーブルを増やさずに足せる | ルーターやハブの口の数まで |
「有線のほうが安定する」と言われる理由
よく言われることですが、その理由は「無線の規格が遅いから」ではありません。無線LANの規格そのものは世代ごとに速くなっています。
有線が安定しやすいのは、無線は電波をほかの機器と分け合って使っているからです。近所のWi-Fiや電子レンジと同じ電波の帯を使うので、混み具合や壁の影響がそのまま出ます。線でつながっていれば、その影響はありません。
なお、カタログの「最大◯Gbps」がそのまま出る速度ではないことは、規格の記事で総務省の注記とあわせて説明しています。
有線LAN そのもの(イーサネット)については、こちらの記事へ。
迷ったときの分け方
- 動かさない機器は有線 … デスクトップパソコン、テレビ、据え置きのゲーム機など。ルーターの近くにあるなら特に
- 持ち歩く機器は無線 … スマートフォン、ノートパソコン、タブレット
両方を同時に使って構いません。有線の口(LANポート)が付いているルーターなら、1台で両方をまかなえます。
無線LANを使うときに気をつけること

電波を使うぶん、有線LANには無い注意点が3つあります。どれも打ち手があるので、順に見ていきます。
① 電波は家の外にも届く
ケーブルと違い、電波は壁を越えて外にも出ていきます。そのため、暗号化を有効にしておくことが前提になります。
暗号化の方式にはいくつか種類があり、古い方式のままだと弱くなります。家庭で何をしておけばよいかは、こちらの記事にまとめています。
② ほかの電波と重なると遅くなる
電子レンジやBluetooth機器、そして近所のWi-Fiと電波が重なると、速度が落ちたり、接続が不安定になったりします。
これは故障ではなく、はじめからそういう条件で使うものです。いま本当に重なっているのかを調べる方法と、重なりを避ける手順は、こちらの記事で扱っています。
③ ルーターから離れると弱くなる
ルーターから遠ざかるほど、また壁や床をはさむほど電波は弱くなります。
使っている周波数によって、届きやすさと速さが変わります。2.4GHz と 5GHz の違いと選び方はこちらへ。
無線LANルーターについて
無線LANを使うために欠かせないのが、無線LANルーターです。
インターネット回線から届いたデータを電波に変えて、パソコンやスマートフォンに届ける役割を持っています。有線の口が付いているかどうかは、手元のルーターの背面を見れば分かります。
選び方は、こちらの記事にまとめています。
なお、ルーターを置かずにスマートフォンで代わりをさせる方法もあります。
まとめ
無線LANについて、この記事で見てきたことを整理します。
- 無線LANは、LAN をケーブルの代わりに電波でつなぐしくみ。やっていることは有線LANと同じ
- Wi-Fi はもともと、業界団体の認証を通った機器に付く名前。総務省の資料も、いまは無線LAN全般を指す意味で使っている
- 有線と無線は置き場所で分ける。動かさない機器は有線、持ち歩く機器は無線
- 無線ならではの注意点は暗号化・電波の重なり・距離の3つ
有線LANの話から来た方は、まず「動かさない機器は有線のまま」だけ覚えて帰っていただければ十分です。










