回線を解約したあと、ポケット型Wi-Fiの本体だけが手元に残っていませんか。捨てるのも売るのもためらって、「これ、まだ何かに使えないだろうか」と引き出しに戻したまま——という方は多いはずです。
実は、その端末が使えるかどうかは、機械の性能や新しさでは決まりません。順番に通らなければいけない関門が3つあって、しかもどれも、端末を手に取って眺めるだけでは分かりません。
たとえば総務省は、SIMロックについての決まりの起点を「買った日」ではなく「発売」された日に置いています。手元の端末をいくら見ても、発売日は書かれていません。
この記事では、ネットワークにくわしくない方でも順番に進められるように、解約後の端末がどういう状態なのか、確かめる3つの関門、端末の鍵(SIMロック)がいまどうなっているか、事業者の側で止められていないかの調べ方、電波の種類が合うかどうかを、総務省と各社の資料をもとに解説していきます。
⚠ 先に、この記事が扱う範囲をお伝えします。扱うのは使い直せるかどうかの確かめ方だけです。どの会社と契約すればよいか、どのSIMを買えばよいかという話は書きません。売るときの値段の相場も扱いません。捨て方・返し方は、別の記事にまとめてあります。
📌 先に結論をお伝えします。3つを確かめていくと、「この端末は使い直せない」というところに行き着くことがあります。がっかりさせる話に聞こえるかもしれませんが、何も買わずに、手元と電話・Webだけで進められます。先に分かったほうが得です。
目次
解約後のポケット型Wi-Fiは、電源を入れてもインターネットにつながらない

まず、いま手元にあるものが何なのかを整理します。ポケット型Wi-Fiは見た目こそひとつですが、端末・SIMカード・回線契約の3つが重なった状態で使われています。
解約で終わったのは、このうち回線契約です。端末は手元に残り、SIMカードも(返していなければ)挿さったままかもしれません。ところが電源を入れても、インターネットにはつながりません。
定期券にたとえると分かりやすいかもしれません。定期券の期限が切れても、カードそのものは手元に残ります。改札に当てることもできます。ただ、扉は開きません。持っていることと、通れることは別だからです。
ですから「解約したポケット型Wi-Fiはまだ使えるのか」という問いは、正確には「別の回線契約を用意すれば、この端末はまた働けるのか」という問いになります。この記事は、その問いに答えていきます。
3つを確かめる前に|返す約束の端末と、自分でSIMカードを入れない機種
3つの関門に進む前に、そもそも話が終わってしまう場合が2つあります。ここで先に閉じておきます。
- 借りていた端末だった(レンタル・貸与) — 返却が要る契約なら、使い直す話の前に返します。買い取りだったかレンタルだったかは、契約時の書類と契約先の会員ページで確かめられます
- 自分でSIMカードを入れない仕組みの機種だった — いわゆるクラウドSIMの機種です。カードの入れ口があるかどうかは機種によります。入れ口が無ければ、他社のSIMに入れ替える道はありません
どちらに当たるかは、次の記事で見分け方をまとめています。当てはまった方は、別の回線につなぎ直す話はここで終わりです。ただし借りていた端末でなければ、「3つのどれかで止まっても、SIMを挿さずに残る道がある」だけは読む価値があります。
📌 中古で手に入れた端末を見ている方へ。この記事は「自分が契約していた端末が手元に残った方」を想定して書いていますが、3つの関門はそのまま当てはまります。総務省のガイドラインも、保護する「利用者」の中に「事業者の販売した端末を当該事業者以外の者から入手した者」を含めています。⚠ ただし購入先は、売った人に聞かないと分かりません。⭐ 買う側が確かめられることは、中古スマホを買う前に確かめる4つにまとめました。売り場の表示の読み方と、番号が書かれていないときの聞き方も載せています。
使い直せるかどうかは、3つを順に確かめて決まる

別の回線契約を用意したとして、その端末が実際に働けるかどうかは、次の3つで決まります。1つでも通らなければ、別の回線につなぐ道はそこで終わりです。ここからの「3つ」は、端末・SIMカード・回線契約という持ち物の3つとは別のもので、確かめる順番のことです。
| 確かめること | どこにあるか | 端末を見て分かるか |
|---|---|---|
| ① 端末の鍵(SIMロック)と、動作の保証 | 端末の中と、売った会社の案内 | 分からない(発売日が起点のため) |
| ② 事業者の側で止められていないか | 売った会社のシステム | 分からない(番号で照会する) |
| ③ 受けられる電波の種類が合うか | 端末の仕様と、売った会社が出している一覧 | 眺めても分からない(仕様を見る) |
この順番には理由があります。①と②は自分の番号と、会社の案内を読むだけで終わります。③は機種ごとの一覧を探すところから始まるので、いちばん手数がかかります。手前から順に見ていけば、無駄足が減ります。⚠ ひとつだけ例外があり、①で解除の手続きが必要になったときは、先に②を確かめます(②で止められていると①の手続きができない会社があります)。
📌 ここから先は、それぞれの関門を1つずつ見ていきます。①と②に心当たりが無い方(自分で契約して、代金も払い終えた端末)は、「ポケット型Wi-Fiが受けられる電波の種類が合うか」から読んでも構いません。
①そのポケット型Wi-Fiの鍵は、外れているか無料で外せる|ただし「使える」とは書かれていない

「SIMロックがかかっていて他社では使えない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これはもう古い前提になっています。まずそこから確かめます。
鍵をかけない決まりの起点は「発売日」で、会社ごとに前倒しの日が違う
総務省は「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」で、SIMロックを原則として禁止しています。総務省がこのルールをまとめた資料には、こう書かれています。
「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」(2021年8月改正)により、2021年10月1日以降に新たに「発売」される携帯電話端末について、正当な理由がない限り、SIMロックを設定せず販売することを義務付け。
ここで大事なのは、「発売」にかぎ括弧が付いていることです。起点はあなたが買った日ではなく、その機種が世に出た日です。2023年に買った端末でも、機種そのものが2020年発売なら、このルールが名指ししている、2021年10月1日以降の発売には当たりません(そうした端末には、別に経過措置の定めがあります)。
そして、実際にいつから鍵をかけなくなったかは会社ごとに違います。同じ資料が各社の対応を並べています。
| どこの決まりか | いつから鍵をかけずに売っているか |
|---|---|
| 総務省のルール | 2021年10月1日以降に発売される端末 |
| NTTドコモ | 2021年8月27日以降発売の端末 |
| KDDI | 前倒しの記載なし(一括払いなどの場合、申出に応じて解除) |
| ソフトバンク | 2021年6月以降発売の端末を順次 |
| MVNO事業者 | 2020年4月よりSIMロックの設定自体を中止 |
なお、このガイドラインがポケット型Wi-Fiを対象にしていることは、ガイドラインの脚注に書かれています。ガイドライン(令和4年12月23日最終改正)の脚注3・4は、こう定めています。
汎用的に通話やデータ通信を行うための端末(現時点においては、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット、モバイルルータ及びUSBモデムが該当する。)以外の端末については、当分の間、5、6及び7(4)は適用しない。
裏返しの書き方なので、ゆっくり読んでみてください。「ここに挙げた端末以外には適用しない」ということは、ここに挙がっている端末には適用されるという意味です。適用されるものの中に「5」があり、それがSIMロックの原則禁止にあたります。
そして、その列挙の中に「モバイルルータ」が名指しで入っています。スマートフォンだけの話ではありません。
2023年10月からは、古い機種でも申し出れば無料で外せる
では、それより前に発売された端末はどうなるのか。同じガイドラインの適用についての定めに、こう書かれています。
令和5年 10 月1日以降は、過去にSIMロックを設定した全ての端末について、解除の申込みがあった場合には、インターネット、電話、店舗等において、迅速かつ容易な方法により、無料でSIMロック解除を行うものとする
この定めにはただし書きが続きますが、2023年6〜9月にロックを設定した端末の経過措置なので、いまの読者に当たる端末は残りません。
令和5年10月1日は2023年10月1日です。つまり過去にロックがかかっている端末でも、申し出れば無料で外してもらえることになっています。NTTドコモのSIMロック解除のページも、受付条件について「2023年10月1日(日曜)より、条件なく解除いただけます。」、手数料について「2023年10月1日(日曜)より、すべてのお申込み方法にてSIMロック解除手数料を無料といたします。」と案内しています。
ただし先に②を確かめたほうがよい理由が、ここにあります。ソフトバンクは、SIMロック解除の手続きについてこう書いています。
機種本体にネットワーク利用制限がかかっている場合、SIMロック解除を行うことができません。
②で止められている端末は、①の手続きができないということです。3つの関門は横並びではなく、②が①を塞ぐことがあります。
つまり鍵そのものは、ほとんどの人にとってもう関門ではありません。
ひとつだけ、ポケット型Wi-Fiならではの注意があります。NTTドコモは「ドコモを解約された方」の申込み窓口を機器の種類ごとに分けており、データ通信製品(データカード・Wi-Fiルータ)はドコモショップのみとしています。
同じ表で、Androidスマートフォンや iPhone は My docomo からでも手続きできることになっています。スマートフォンならオンラインで済むのに、ポケット型Wi-Fiは店頭まで行くことになるわけです。
一方でソフトバンクは、通信契約が無い場合の手続きについて「ご解約の後でも、専用サイトにてSIMロック解除をすることができます!」と案内しています。つまりドコモは店頭のみ、ソフトバンクは解約後もオンラインで受け付ける——窓口が会社で違います。⚠ ただしソフトバンクのこのページは機器の種類を分けて書いていないので、ルーターも同じかどうかは書かれていません。
⚠ ですからご自分が契約していた会社の案内で確かめてください。「解約したから、もう手続きできない」と決めてしまわないことです。
「鍵はかかっていない」と「他社のSIMで使える」は別のこと
この関門でいちばん大事なのはここです。鍵が外れていることと、他社のSIMで動くことは、まったく別の話です。
UQ WiMAXは、モバイルルーターのW06という機種について、利用できるSIMをこう案内しています。
「au Nano IC Card04 LE」または「au Nano IC Card04 LE U」です。
SIMロックはかかっておりませんが、上記SIM以外を挿入して利用される場合の動作内容などは一切保証しておりません。
「SIMロックはかかっておりませんが」と「一切保証しておりません」が、同じ一文の中に並んでいます。鍵はかかっていない。それでも、指定されたSIM以外を挿したときのことは面倒を見ない、という書き方です。
これはUQ WiMAXだけの姿勢ではありません。3社を並べると、同じ構えであることが分かります。
📌 NTTドコモは、この「動作保証を行いません」という一文に注記を付けており、対象に「データカード・モバイルWi-Fiルータなど含む」と書いています。スマートフォンだけの話ではないことが、ここでもはっきりします。
| 会社 | 他社のSIMを挿したときについての案内 |
|---|---|
| UQ WiMAX(W06) | 上記SIM以外を挿入して利用される場合の動作内容などは一切保証しておりません |
| NTTドコモ | 原則、動作確認などを実施しておらず、一切の動作保証を行いません |
| ソフトバンク | 製品に搭載されている機能や、音声通話、パケット通信およびソフトバンクの提供するサービスの利用については保証しません |
NTTドコモは、その理由の一つも書いています。「ドコモで提供している通信方式と異なる通信方式を提供している他社のSIMカードなどでは、音声通話などの通信サービスがご利用になれません。」——通信方式が合わなければ動かないということです。この話は、電波の種類についての説明につながります。
中古の売り場などで「SIMフリー」と書かれていると、どの会社のSIMでも使えそうに読めます。しかし各社の案内は、鍵の話と動作の話をはっきり分けて書いています。
「鍵はかかっていない」は会社が約束していること、「動作は保証しない」も会社が約束していることです。前者だけを読んで後者を読み飛ばすと、挿してみるまで結果が分からない状態で買い物をすることになります。
②そのポケット型Wi-Fiが止められていないか|製造番号で自分で照会できる

2つ目の関門は、端末をどれだけ眺めても分からない種類のものです。事業者のシステムの中に、その端末の番号が登録されているかどうか、という話だからです。
総務省の報告書が挙げる、止められる4つの場合
これは「ネットワーク利用制限」と呼ばれています。総務省の競争ルールの検証に関する報告書2024が、仕組みと対象をまとめています。
ネットワーク利用制限とは、次の条件に該当する端末について、当該端末のIMEIをもとに、キャリア側で通話や通信の利用を制限するものであり、キャリアの自主的な取組として実施している。
同じ報告書が挙げている対象は、次の4つです。
- 債務不履行の端末
- 盗難等の犯罪行為で入手された端末
- 不正契約で入手された端末
- 補償サービスにより補償対象となった旧端末
自分で正規に契約して、代金も払い終えた端末なら、ふつうはどれにも当たりません。それでも確かめる価値があるのは、分割払いが途中で終わっていないかを自分が思い違いしていることがあるからです。
⚠ ここで大事なのは、報告書が「キャリアの自主的な取組として実施している」と書いていることです。法律で全社に義務づけられた制度ではありません。だから会社によってやり方が違います。
ソフトバンクは、この仕組みが何を対象にするかをはっきり書いています。
ネットワーク利用制限とは、不正契約・不正取得した携帯電話/データ通信端末(以下、携帯電話機と表記)の通信サービスに利用制限を行うことです。
「データ通信端末」——ポケット型Wi-Fiがここに入ります。
照会するのは「その端末を売った会社」
確かめ方は、どの会社もほぼ同じです。端末の製造番号(IMEI)を、その端末を売った会社の照会ページに入れるだけです。auの照会ページは15桁の数字を入れるだけの形で、端末の種類を選ばせません。ポケット型Wi-Fiでも同じ窓口で照会できる、ということです。
製造番号の在りかも各社が案内しています。auの説明では「端末の設定メニューの機種情報や機種によっては機器に直接刻印、機器に貼られているシールでご確認いただけます」とされ、ソフトバンクは「35」から始まる15桁だと書いています。
ポケット型Wi-Fiは画面が小さく、設定メニューを開くのが面倒なことがあります。その場合は本体に貼られたシールや、電池を外したところを見てください。15桁の数字が製造番号です。
📌 この照会結果は、手放すときにも効きます。さきほどのUQ WiMAXの案内も、中古の端末について「契約や取得方法にかかわらず利用制限されている可能性がありますので、お客さまご自身で事前のご確認をお願いします」と書いていました。買う側も同じ番号で照会するということです。総務省の報告書2024は、中古端末事業者への調査によれば中古端末に対して年間約6,900件(2022年度)のネットワーク利用制限が実施されていると書いています。
ここで、ポケット型Wi-Fiの読者に効く違いがあります。そもそも制限をしていない会社があります。UQ WiMAXは、ルーターについてのよくあるご質問でこう案内しています。
KDDIまたは沖縄セルラーで販売された端末に対して、同社の判断により「ネットワーク利用制限」が行われる場合があります。
制限の対象となった端末では、当社のサービスをご利用いただけません。
ネットワーク利用制限の詳細およびご利用の端末が制限の対象になっているかどうかは、auの「ネットワーク利用制限携帯電話機照会ページ」でご確認いただけます。
中古の端末などをご利用になる場合、契約や取得方法にかかわらず利用制限されている可能性がありますので、お客さまご自身で事前のご確認をお願いします。
なお、当社が販売した端末につきましては、現在ネットワーク利用制限を行っておりません。
同じ「WiMAX」でも、UQ WiMAXが販売した端末は制限そのものをしていない一方、KDDIまたは沖縄セルラーが売った端末は対象になりうると書き分けられています。そして制限がかかった端末では、UQのサービスも使えないと書かれています。
この引用には、もうひとつ大事なことが書かれています。KDDI・沖縄セルラーが売った端末の照会先は、auの照会ページだという案内です。WiMAXの端末を、UQやKDDIではなく取次のプロバイダから買った方も、辿る先はここになります。
📌 まず「その端末をどこで買ったか」を思い出してください。照会先も、そもそも照会が要るかどうかも、そこで決まります。買った先が回線事業者でなければ、その端末がどの会社の回線向けに売られたものかを、買った先に尋ねます。
「△」の意味は、会社の案内で書き方が違う
照会すると記号が返ってきます。この記号の読み方も、会社の案内で確かめるのが確実です。書き方がそろっていないからです。
NTTドコモは、よくあるご質問で「△」をはっきり定義しています。
ネットワーク利用制限の対象ではございません。
※通話・通信は問題なくご利用いただけます。
■ステータスが「△」となる主な携帯電話機は、以下のとおりです。
ドコモの分割払いでご購入いただき、分割払いの期間中である携帯電話機
一方でソフトバンクは、制限がかかる原因を並べたうえで、こう書いています。
また、ネットワーク利用制限携帯電話機の表示結果が「△」や「✕」になっている場合は、以下の項目に該当している可能性があります。
△を✕と並べて説明する書き方です。
どちらが正しいという話ではありません。会社ごとに案内があるので、自分の端末を売った会社の説明を読む——それがこの関門の作法です。
中古の売り場では、制限された端末を「赤ロム」と呼び、使えない端末として扱います。ただ、総務省の報告書2024は、制限の効き方をもう少し細かく書いています。
「現在、キャリアが実施しているネットワーク利用制限は、当該制限を実施したキャリアのネットワークを利用できなくするものであり、他キャリアのネットワークは利用可能なものである。」
つまり止めた会社の回線が使えなくなるのであって、端末が世界中で動かなくなるわけではありません。なお UQ WiMAX は、KDDI・沖縄セルラーが制限した端末では自社のサービスも使えないと案内しています。
⚠ ただし、これを打ち手として読まないでください。この記事は「他社ならまだ使える」とはお伝えしません。制限の理由には盗難や不正契約が含まれており、そういう端末を使い続ける話とは別だからです。ここでお伝えしたいのは、記号の意味を正確に知っておくと、売り場の説明を鵜呑みにせずに済むということだけです。
③ポケット型Wi-Fiが受けられる電波の種類が合うか|最後に残るのはここ

①と②を通っても、最後に残るのがこれです。対応する電波の種類は機種ごとに違うので、確かめるまで分かりません。しかも言葉が紛らわしいので、最初に整理しておきます。
バンド1は2.0GHz。Wi-Fiの2.4GHzとは別のもの
ポケット型Wi-Fiは、2種類の電波を扱います。外から携帯電話の電波を受け取り、それを室内へWi-Fiとして配ります。この2つは別物です。
先に言葉をひとつ。携帯電話の電波は周波数ごとに区切られていて、その区切りに番号を付けたものを「バンド」と呼びます。テレビのチャンネルのようなものだと思ってください。端末は、対応しているバンドの電波しか受け取れません。
ところが、どちらも「◯GHz」という同じ単位で呼ばれます。ここで混乱が起きます。UQ mobileの動作確認端末一覧には、こう書かれています。
特にバンド1(2.0GHz帯)とバンド18/26(800MHz帯)に端末が対応していない場合、場所によっては電波をつかみにくくなることがありますのでご注意ください。
バンド1は2.0GHzです。Wi-Fiでよく聞く2.4GHzと、整数の位が同じで見た目がよく似ています。それでも、この2つはまったく別のものを指しています。
| 呼び名 | どこの電波か | 合わないと何が起きるか |
|---|---|---|
| バンド1・バンド18/26 など | 端末と携帯の基地局のあいだ(外側) | つながらない、または場所によってつかみにくい |
| 2.4GHz・5GHz | 端末とスマートフォンなどのあいだ(内側) | Wi-Fiのつながりやすさが変わる |
使い直せるかどうかを決めるのは外側のほうです。内側のWi-Fiがどれだけ立派でも、外から電波を受け取れなければ、この記事が扱う「別の回線で使い直す」道はそこで閉じます。
これが、関門①で見た「動作を保証しない」の中身でもあります。鍵が開いていてSIMが挿さっても、受けられる電波の種類が合っていなければ圏外のままです。
対応する周波数帯は、まず売った会社のページで探す
では、自分の端末がどの電波を受けられるのかは、どう調べればよいのか。問い合わせる前に、自分で見られることがあります。
NTTドコモは、SIMロック解除のページで対応周波数帯の一覧(PDF)を公開しており、こう案内しています。
機種ごとの対応周波数帯については、「対応周波数帯(PDF形式:482KB)」もしくは各機種のスペック詳細よりご確認ください。
つまり売った会社が一覧を出していることがあるということです。まずそこを探し、見つからなければ問い合わせる——この順番なら、電話をかける前に答えが出ることがあります。
📌 この対応周波数帯の一覧には、ポケット型Wi-Fi(Wi-Fi STATION)やホームルーターの機種も並んでいます。スマートフォンだけの一覧ではありません。⚠ ドコモで売られた機種の一覧なので、他社で買った端末は載っていません。その場合は、売った会社のページを探してください。
一覧は、周波数帯とバンド番号を横に並べ、対応していれば○が付く形になっています。見るのは、契約したい会社が名前を挙げている周波数帯に○が付いているかです。たとえばUQ mobileの案内は、バンド1(2.0GHz帯)とバンド18/26(800MHz帯)を名指ししていました。⚠ ○が無いからといって「使えない」と決まるわけではありません。案内も「つかみにくくなることがあります」という書き方です。
問い合わせる場合は、UQ mobileがはっきりこう案内しています。
ご利用になりたい機種の対応周波数帯については、機種を購入された事業者に事前にご確認ください。
聞く先はその端末を買った事業者です。そしてこれは、聞かれる側にも根拠があります。総務省のガイドラインは、端末を売る事業者が利用者へ情報提供するよう努める事項として、次を挙げています。
当該端末が対応している周波数帯及び通信方式
さらに、手元の端末を持ち込んで新しく契約する場面についても定めがあります。持ち込んだ端末が、その会社の最も人口カバー率が高い周波数帯に対応していないときは、それ以外の周波数帯で使える区域を示した日本地図を示すよう努めることとされています。
あわせて、契約したい会社が動作確認端末の一覧(対応周波数帯の一覧とは別のものです)を出していることもあります。ただしUQ mobileの動作確認端末の一覧はスマートフォン対応機種のもので、同じページには「記載されていない端末・OSバージョンに関しては、UQ mobileのSIMがご利用になれない可能性がありますので、お客さまの責任においてご利用いただきますようお願いいたします」と書かれています。つまり載っていない=使えない、という意味ではありません。ただし確認済みという保証も無い、ということです。
いずれにせよ、読者の側から聞いてよいということです。「この端末、そちらの回線で使えますか」と尋ねるのは、遠慮すべきことではありません。手元の端末を持って契約することは「持ち込み」と呼ばれるので、この言葉を使うと話が早く進みます。
3つのどれかで止まっても、SIMを挿さずに残る道がある
ここまでは「別のSIMを挿して、また回線につなぐ」話でした。3つのどれかで止まった方に、もうひとつだけお伝えしておきます。
機種によっては、SIMを挿さず、有線でつないでWi-Fiを配る使い方ができます。この動作は「アクセスポイントモード」と呼ばれます。UQ WiMAXには、たとえばWX06という機種について「ルータモードとアクセスポイントモードとの切替方法を教えてください。」というよくあるご質問があり、「クレードル接続時の動作モード設定」で切り替えると案内されています。
⚠ 中古の情報では「中継機として使う」と呼ばれることがありますが、ここで扱うのは有線でつないでWi-Fiを配る使い方で、電波を無線で中継するのとは別のものです。この2つの違いはブリッジモード(APモード)の記事で書き分けています。
⚠ すべての機種にこのモードがあるわけではありません。上の案内も、機種ごとのよくあるご質問として置かれています。「アクセスポイントモード」という言葉を持って、自分の機種の取扱説明書やよくあるご質問を探してください。
⚠ 有線でつなぐ口が要ります。WX06のFAQは切替方法を2つ挙げており、「クイック設定Webから変更」のほうは「クレードル接続時の動作モード設定」、もうひとつは「本体メニューから変更」です。切替そのものは本体からもできますが、外から回線を受け取るには有線でつなぐ口(WX06ではクレードルという、有線LANの差込口が付いた台)が要ります。
この使い方は、外から電波を受け取りません。ですから3つの関門はどれも関係なくなります。設定の手順は機種ごとに違うので、この記事では書きません。
まとめ
解約したポケット型Wi-Fiを別の回線につなぎ直せるかどうかは、端末の性能ではなく3つの関門で決まります。要点は次の4行です。
- 【関門①】端末の鍵は、もう関門ではないことが多い(解約後の窓口は会社で違う。②で止められていると①の手続きができない会社もある) — 総務省のルールで2021年10月1日以降に発売された端末は原則としてロックなし。それ以前の端末も、2023年10月1日以降は申し出れば無料で外せる。ただし起点は買った日ではなく発売日で、鍵をかけずに売り始めた時期は会社ごとに違う
- 【関門①】「鍵はかかっていない」と「他社のSIMで使える」は別のこと — 3社とも、他社(や指定外)のSIMを挿したときの動作は保証しないと書いている
- 【関門②】事業者の側で止められていないかは、製造番号で照会する — 端末を見ても分からない。照会先はその端末を売った会社。会社によっては、そもそも制限をしていない
- 【関門③】最後に残るのは、電波の種類が合うか — 携帯の電波の種類(バンド1は2.0GHz)は、Wi-Fiの2.4GHz・5GHzとは別の話。対応する周波数帯は、売った会社が一覧を公開していることがある。無ければ買った事業者に確かめる
この4行を順に当てていくと、最後に残るのは3つ目です。対応する電波の種類は機種ごとに違うので、そこは確かめるまで分かりません。
3つのどれかで止まったとしても、SIMを挿さずに有線でつないでWi-Fiを配る「アクセスポイントモード」が使える機種があります。その言葉を持って、自分の機種の取扱説明書を探してみてください。
そこまで確かめて、それでも使い道が見つからなければ、あとは片づける側の話になります。返す物なのか、消してから手放すものなのかは、別の記事にまとめてあります。
参考: 移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン(総務省・PDF)
参考: SIMロックについて/SIMロック解除に関するルール及び各社の取組(総務省・PDF)
参考: 競争ルールの検証に関する報告書2024(総務省・PDF)
参考: SIMロック解除(NTTドコモ)
参考: ネットワーク利用制限に関するよくあるご質問(FAQ)(NTTドコモ)
参考: 中古携帯電話を利用する際の注意事項を確認する/ネットワーク利用制限(ソフトバンク)
参考: ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する/SIMロック解除(ソフトバンク)
参考: ネットワーク利用制限携帯電話機の照会をしたい(UQ WiMAX)
参考: 【W06】利用出来るSIMは何ですか?(UQ WiMAX)
参考: 動作確認端末(スマートフォン対応機種)一覧(UQ mobile)




