技適マークとは?確認する3か所と、海外で買った機器の線引き

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「箱にも本体にも、それらしいマークが見当たらない」——海外の通販サイトやフリマアプリで買った無線機器を手にして、そこで止まっていませんか。

「日本で使ってはいけない機器なのか、それとも自分が見ている場所が違うだけなのか」。ここがはっきりしないと、使い始める手も止まります。

実は、技適マークは1か所に付いているとは限りません。本体に印刷されていることもあれば、画面に表示する機種も、充電ケースや取扱説明書に書いてある機器もあります。

技適マークは、その機器が日本の電波の決まりを満たしていることを示す印です。Wi-FiやBluetoothの機器なら、付いていれば免許を取らずに使ってよい、という合図になります。

この記事では、ネットワークに詳しくない方でもわかるように、技適マークの意味、確かめる3か所、番号から総務省のデータベースを引く手順、海外で買った機器は使えるのか、そして買う前に確かめる方法までを、順に説明します。

目次

技適マークとは?日本で電波を出してよいことを示す印

「技適マークは、電波を出してよい印」と題した図。左では、小さな白い丸の印が付いたアンテナ2本のルーターから、水色の弧が3本、外へ向かって広がっている。その下に「印のある機器」「電波を出してよい」とある。右では、印の付いていない同じ形のルーターから伸びた水色の矢印が、濃紺の板の手前で止まっている。その下に「印のない機器」「電波を出してはいけない」とある。

総務省は技適マークを、「電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています」と説明しています(技適マークのQ&Aの回答1)。

公道を走る車に車検があるように、電波を出す機器にも「決まりの中に収まっています」という確認があります。技適マークは、その確認を通ったことを示す印です。

マークの形は総務省令で定められた記号です。この記事では、崩れた形を載せて読者が別のものを探すことがないように、絵としては載せていません。実際の形は、上のQ&Aのページで見られます。

そのページを開くと、形が2種類並んでいます。総務省は「技適マークは、下図のように形状が変わってきました。平成7年以前の旧タイプの技適マークも有効です。」としています(同Q&Aの回答8)。古い機器で見慣れない形が付いていても、それだけで無効ということはありません。

Wi-FiやBluetoothなら、技適マークが付いていれば免許はいらない

電波を出す設備は、本来なら無線局の免許が必要です。

ただし総務省は、「特定小電力のトランシーバー、家庭やオフィスで使用するWi-Fi(無線LAN)、Bluetoothの機器、コードレス電話などは、技適マークが付いていれば無線局の開設のための総務大臣の免許を受けないで使用できます」としています(同Q&Aの回答7)。

ここに挙がっていない機器は別です。総務省は続けて「上記以外の無線機(アマチュア無線、デジタル簡易無線など)は、無線局の開設のための総務大臣の免許又は登録が必要となります」と書いています。技適マークが付いていても、手続きが要る機器はあります。

家のWi-FiルーターやBluetoothのイヤホンを、誰も役所に届け出ずに使えているのは、このためです。

言い換えると、技適マークは「この機器のぶんの手続きは、メーカーがすでに済ませてあります」という引き継ぎ書のようなものです。

付いていない機器が使えないのは、ほかの通信を邪魔するから

電波は、誰かが勝手に強く出したり、決められていない周波数を使ったりすると、ほかの人の通信に割り込んでしまいます。

総務省も、技適マークのない無線機について「このような無線機を使用すると、知らずに他人の通信を妨害したりすることで、社会生活に混乱をきたすおそれがあります」と書いています(同Q&Aの回答6)。

同じ部屋のWi-Fiどうしでも電波は干渉し合いますが、決まりの外にある機器は、その影響が家の外にまで及ぶことがあります。電波干渉の考え方そのものは、手持ちの機器でも起きることなので、先に読んでおくと理解しやすくなります。

なお、これには例外があります。海外から自分で持ち込んだ機器についての特例と、実験や試験のための届出の制度です。どちらも「海外で買った無線機器に技適マークが無いとき、使えるのか」で扱います。

違反になったときの扱い

総務省のQ&Aは、技適マークのない無線機を使ったときの扱いを、電波法違反になる「場合があります」「恐れがあります」という書き方で説明しています。そのうえで注記として「電波法違反の場合、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金の対象となります。」と添えています(回答3・回答4・回答5 ほかの注記)。

この記事では、この点はここで一度だけ触れます。大事なのは金額ではなく、自分の機器がどちら側なのかを確かめられることだからです。

技適マークはどこにある?本体・画面・充電ケースの3か所

「技適マークを探す3か所」と題した図。3つの機器が横に並び、それぞれに小さな丸い印が描かれている。左はアンテナが2本のルーターで、前面に印があり「本体の表示」「本体に印刷されている」とある。中央はスマートフォンで、白い画面の中央に印があり「画面の表示」「画面に呼び出す」とある。右はふたを開けたイヤホンの充電ケースで、ふたの内側に印があり「充電ケース」「ふたの内側にも」とある。

「本体を一周見たけれど無かった」で終わらせないために、探す場所を3つに分けて見ていきます。

1. 本体の表示(型式名称や製造者が書かれた面)

総務省は「多くの場合、無線機の型式名称や製造者が記載された銘板の中に表示されています」としています(技適マークのQ&Aの回答2)。

銘板(めいばん)とは、製品の名前・型番・メーカー名・電源の表示などがまとめて書かれている面のことです。ルーターなら底面、といった目立たない場所にあります。

電池を取り外せる機種では、電池を外した奥に書かれていることもあります。総務省も、スマートフォンについて「バッテリーを取り外せるタイプの機種は、本体のバッテリーを外したところに表示されている場合もありますので、バッテリーカバーを外してご確認下さい」と案内しています(同Q&Aの回答15)。

2. 画面の表示(スマートフォン・タブレット・ルーター)

スマートフォンは、画面に呼び出して見る機種が増えています。総務省も「携帯電話・スマートフォンでは、操作により画面に表示する機種が多くなっています」と書いています(Q&Aの回答2)。

中古スマートフォンの取り扱いについて業界団体がまとめたリユースモバイルガイドライン 第三版は、確認の道順まで書いています。「必ず事前に携帯電話端末に「技適マーク」が付されているか確認(iPhone 端末は「設定」→「一般」→「認証」により技適マークの確認ができる。Android 端末は「設定」→「端末情報」→「認証」等により技適マークの確認ができる。)する。」(4.1)。

ガイドラインは Android 側を「等」と書いており、項目名は機種で異なります。iPhone も Android も、設定の中で「認証」に当たる項目を探すと考えてください。

Wi-Fiルーターにも同じ形があります。総務省は「PC等に有線接続できる無線ルータなどの機器では、設定画面に表示する場合もあります」としています(Q&Aの回答2)。開き方はルーターの設定画面の記事にまとめています。

3. 充電ケースや取扱説明書(受信するだけに見える機器にも要る)

ワイヤレスイヤホンのように小さい機器は、本体に印刷する面がありません。

総務省は「イヤホン、スピーカー、マウス、キーボードなど、様々なBluetooth機器にも技適マークがついています」としたうえで、「なお、充電ケース及び取扱説明書に表示している機器もあります」と書いています(Q&Aの回答32)。

イヤホン本体だけを見て「無い」と判断する前に、ケースの内側と、箱に入っていた紙を見てください。

「音を受け取るだけの機器に、なぜ要るのか」と思うかもしれません。総務省はその理由も書いています。「Bluetoothの機器は、スマートフォンやPC等と接続する際に、機器を識別するための信号を出すため、必ず電波を発射します。よって、Bluetoothスピーカー・イヤホン等にも技適マークが必要となります。」(Q&Aの回答33)。

受け取るだけに見えても、相手に自分の居場所を知らせる声は出している、ということです。

どの機器でも、最後のよりどころは取扱説明書です。総務省も「個別の表示方法は機種の取扱説明書をご確認ください」と書いています(Q&Aの回答2)。

3か所とも見て、それでも見つからなかったときは、「どこにも無かったときの聞き先」を開いてください。海外で買った機器にかぎらず、国内のフリマで買った機器でも、譲り受けた機器でも同じです。

技適マークの番号で、その機器を調べられる

「総務省の検索で、その機器を引く」と題した図。左に、白い丸の印が付いたアンテナ2本のルーターがあり、その下に「手元の機器」「印のあるところを見る」とある。そこから水色の矢印が右へ伸び、その先に白い大きな板がある。板の中には同じ形の小さなルーターが描かれ、右下に虫めがねが重なっている。板の下に「総務省の検索」「同じ機器が出てくる」とある。

マークの横には番号が並んでいます。この番号があれば、総務省のデータベースで、どのメーカーのどの機器が、いつ認証を受けたのかを引けます。

マークも番号も見つからなかった方も、あきらめないでください。この検索は機器の型番でも引けますので、箱や商品ページに型番があれば、手元にマークが無くても確かめられます。

Rに続く番号とTに続く番号は別のもの

スマートフォンの表示を見ると、番号が2つ並んでいることがあります。これは別々の決まりに基づくもので、総務省が次のように説明しています。

固定電話の電話機など、電気通信回線に接続するための基準(端末機器の技術基準適合認定等)に適合したものに付けられるマークで、Tに続く番号が付されています。電波法に基づく技適マークはRに続く番号が付されています。

(技適マークのQ&Aの回答14)

同じ回答は続けて、「携帯電話・スマートフォンは電波を使用して電気通信回線に接続するので」、「TとRそれぞれの番号が付されています」としています。両方の決まりに関わるので、印も2つ付く、ということです。

ざっくり分けると、Rは電波を出してよいかの話、Tは通信回線につないでよいかの話です。この記事で扱っているのはRの側です。

ただし、ふだんの言い方では両方をまとめて「技適マーク」と呼びます。この記事で引いている業界団体のガイドラインも、RとTの両方を指して技適マークと書いています。

総務省の検索で引いてみる

総務省は「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」というページを公開しています。実際に市販のWi-Fiルーターで引いてみたところ、手順はとても短いものでした。

  1. STEP

    番号か、機器の型番を入れる

    「番号」の欄に、機器に表示されている番号を入れます。番号が読み取れないときは、「型式又は名称」の欄に型番を入れても引けます。

    ひとつ気をつけるところがあります。マークの横に置かれたRは、番号そのものではありません。入れるのは、Rに続く部分です。TとRの2つが並んでいる機器では、Rの側を使ってください。

    Rを頭に付けて入れると、「「番号」は英数字で入力してください。」と返ってきます。

    番号はハイフンも含めて、表示されているとおりに入れてください。ハイフンを抜いて試したところ、「検索条件に該当するデータが存在しません。」と返ってきました。

  2. STEP

    必須の2つの欄は、そのままでよい

    ページの下のほうに「特定無線設備の種別」と「技術基準適合証明等の種類」という、必須の欄が2つあります。条文の番号がずらりと並んでいて身構えますが、最初から「全ての特定無線設備」と、種類のすべてが選ばれた状態になっています。

    自分の機器がどの種別かを調べる必要はありません。触らずに次へ進めます。

  3. STEP

    「検索する」を押す

    メーカー名、型式、番号、認証を受けた年月日、認証した機関の名前が表で出ます。

    ここに表示されたメーカー名と型式が、手元の機器と食い違っていないかを見てください。

ひとつ戸惑うところがあります。1台の機器なのに、何行も出ることがあります。実際に試したWi-Fiルーターは4行出ましたが、2.4GHz帯の分と5GHz帯の分で行が分かれ、さらに認証を受けた日の違いで分かれたものでした。

行数は機器の台数ではありません。メーカー名と型式が合っているかだけを見れば十分です。

出てこなくても、技適マークが無いとは限らない

検索して何も出ないと、不安になります。ただ、このデータベースには入り口の線が引かれています。

ページの「本機能について」には、「検索対象は、平成11年3月以降に技術基準適合証明等を受けた機器です。」と書かれています。平成11年3月は1999年3月です。それより前に認証を受けた機器は、マークが付いていても、この検索には出てきません。

「古い機器だから、もう技適が切れているのでは」という心配も出てきます。こちらも、決まりのほうを見ると落ち着きます。

電波の決まりは平成17年(2005年)12月に一度変わっていますが、総務省はそのあとの扱いを経過措置のページで案内しています。そこには「旧規則に基づく技術基準適合証明等の効力は、令和4年12月1日以降も当分の間(※)、有効となります。」とあります。令和4年12月1日は2022年12月1日です。

引用の中の「(※)」は、同じページの注記を指しています。使用期限はもともと令和4年11月30日までとされていましたが、無線設備の製造や移行作業の遅れを考慮して、令和3年8月の省令改正で「当分の間」に延ばされました。

さらに、家庭のWi-Fiに使われる「2.4GHz帯、5GHz帯及び準ミリ波帯小電力データ通信システム」は、古い決まりで認証を受けていても新しい決まりで認証を受けたものとみなされると、同じページの表に書かれています。

つまり、お下がりのWi-Fiルーターが「年数が経ったから使えなくなる」ということは、いまのところ起きません。

検索で引けたときは、表の「スプリアス規定」の欄も見られます。ここは、その機器が古い決まりと新しい決まりのどちらで認証を受けたかを示す欄で、「新規定」と出ていれば、この話を気にする必要はありません。実際に試したルーターは「新規定」と表示されました。

海外で買った無線機器に技適マークが無いとき、使えるのか

「特例が当てはまるのは、持ち込んだ機器」と題した図。左では、スーツケースとスマートフォンが並び、そこから伸びた水色の矢印が何にも遮られずに右へ進んでいる。その下に「自分で持ち込んだ機器」「特例の対象になりうる」とある。右では、封をした荷物の箱とスマートフォンが並び、そこから伸びた水色の矢印が濃紺の板の手前で止まっている。その下に「海外通販で届いた機器」「特例は当てはまらない」とある。

まず、いちばん大事な前提から。海外モデルでも並行輸入品でも、技適マークが付いていれば、日本でふつうに使えます。ここまでに書いた確かめ方が、そのまま当てはまります。

問題になるのは、探しても見つからなかったときです。ネットでは「海外の機器でも条件付きで使える」という言い方をよく見かけますが、これは特例と呼ばれる別の制度の話で、当てはまる人が決まっています。

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。この特例は、人が自分で持ち込んだ機器の話です。

対象は「自ら持ち込む」人で、Wi-Fi・Bluetoothは入国から90日以内

総務省の「海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用」のページは、制度の対象をこう書いています。

ただし、訪日観光客等が自ら持ち込む無線設備(携帯電話端末・BWA端末、無線LAN端末等)については、無線設備の利用の円滑化を図るため、技適マークが付されていない機器であっても、電波法に定める技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件を満たす場合に限り、日本国内での利用を可能としています。

主語は「訪日観光客等が自ら持ち込む無線設備」です。海外の通販サイトに注文して、荷物として届いた機器は、この書き方の外側にあります。

もうひとつ、引用の中ほどにある「技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件を満たす場合に限り」も見落とせません。持ち込んだ人なら誰でも、どの機器でも使える、という制度ではありません。何をもって適合と見るかは、総務省が機器ごとに決めています(「Wi-Fiルーターは、この特例の対象に入っていない」で引きます)。

期限にも注意が必要です。同じページは、Wi-Fi端末・Bluetooth端末について「(ただし無線LAN端末等の使用は入国から90日以内に限る。)」と書いています。90日を過ぎたらどうするかも、質問と回答の形で示されています。「90日を経過して使用することはできないため、技適マークが付されている無線設備を利用するようにしてください。」

なお、この90日という期限が書かれているのはWi-Fi・Bluetoothの側です。携帯電話としての通信(国際ローミングなど)の説明には、同じページに日数の記載はありません。

日本に住んでいる人が、旅行先で買って持ち帰ったときは

ここで手が止まる方が多いはずです。自分で持ち帰ったのだから「自ら持ち込む」に当たりそうですが、主語は「訪日観光客等」です。

総務省は同じ制度を、リーフレットにもまとめています。電波利用ポータルが「日本に入国される皆様へ リーフレット」として案内しているものです。その裏面の図では「海外から持ち込んだ端末」「海外持込端末」という言い方をしています。リーフレットの文章に、訪日や観光といった語は出てきません。

ただし、日本に住む人が旅行先で買って持ち帰った場合にどう当てはまるかは、ここで確かめた総務省のページとリーフレットのどちらにも書かれていませんでした。当てはまるとも、当てはまらないとも言えません。

この記事でできるのは、線がどこに引かれているかを示すところまでです。判断に迷うときの聞き先は、「どこにも無かったときの聞き先」に書きます。

Wi-Fiルーターは、この特例の対象に入っていない

もうひとつ、見落とされやすい線引きがあります。

同じページのよくある質問に、そのものずばりの問いがあります。「他国から持ち込んだ無線LANルーターは利用できますか。」——回答は「ルーターに技適マーク(図1)が付されている場合のみ利用することができます。」です。

制度の説明でも、対象は次の2つだけが挙げられています。条件つきである点にも注意してください。

  1. スマートフォン、タブレット端末、モバイルゲーム機等のWi-Fi機能。「Wi-Fi Allianceの認定ロゴ(図2)等により、IEEE 802.11a/b/n/ac/ax/be規格に合致していることが確認できる無線設備」であることが前提で、使い方は公衆無線LANスポットにつなぐ場合、テザリングで通信する場合、端末どうしで直接通信する場合。ただし後ろの2つは「2.4GHz帯または6GHz帯VLPモードを使用する場合に限ります」
  2. ワイヤレスイヤホン、小型スピーカー、自撮り棒等のBluetooth機能。「Bluetooth SIGの認証ロゴ(図3)等によりBluetooth Core Specification Version2.1以降の規格に合致していることが確認できる無線設備」であることが前提

つまり「自分で持ち込んだ」だけでは足りず、ロゴで規格が確認できることまで求められています。制度の説明にあった「技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件」のうち、機器について求められているのがこれです。

そして、電波を配る側の機器、つまりWi-Fiルーターそのものは、ここに出てきません。持ち込んだWi-Fiルーターは、技適マークが無ければ使えない、ということです。

同じことは、総務省が入国する人向けに配っているリーフレットにも図で示されています。そこには「○使用可能な端末の例」と「×使用できない端末の例」が並んでいて、「×使用できない端末の例」の側に「無線LANルーター」が挙がっています。

この特例が当てはまらないもの
  • 海外の通販サイトで注文して、荷物として届いた機器(自分で持ち込んだものではない)
  • 国内のフリマアプリで、日本に入ってきたあとの機器を買った場合
  • 持ち込んだ本人であっても、入国から90日を過ぎたWi-Fi・Bluetoothの利用
  • 持ち込んだWi-Fiルーター(技適マークが付いている場合のみ使える)

ここに当てはまる機器は、技適マークが付いていないかぎり日本では使えません。探しても見つからなかったときの行き先は、「どこにも無かったときの聞き先」に書きました。

使える場合でも、使ってよい場所の決まりは別にある

特例に当てはまる機器でも、電波の周波数によって使える場所が分かれます。

総務省は同じページで「周波数毎に、2.4GHz帯、5.6GHz帯及び6GHz帯VLPは屋内外、5.2GHz帯5.3GHz帯及び6GHz帯LPIは屋内に使用場所が限られます。」としています。

周波数帯ごとに使ってよい場所が決まっている、という考え方そのものは、日本で買った機器を使うときにも出てきます。そちらはWi-Fiの周波数帯の記事にまとめています。

「届け出れば使える制度」は、実験や試験のためのもの

技適マークのない機器を届け出て使う制度も、たしかに存在します。ただし、向いている相手が違います。

総務省は「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を、「実験・試験・調査を行う専門家が、自己責任で無線機器を使用するための手続きです。」と説明しています。対象になるのは180日以内の短期間の実験・試験・調査で、目的も「科学または技術の発達のための実験」などに限られます。

買った機器をふだん使いするための制度ではない、と考えてください。

どこにも無かったときの聞き先

3か所を探し、型番でも検索してみて、それでも技適マークが確かめられなかった。あるいは、自分が特例に当てはまるのか判断がつかない。そこで止まってしまったときの行き先も、総務省が書いています。

Q&Aは「技適マークが付いていないけれど、どうすればいいのですか?」という問いに、「詳しくは、最寄りの総合通信局へお問い合わせ下さい。」と答えています。そして持ち物まで指定しています。「問い合わせの際には、無線機の取扱説明書など無線機の種別が分かるもの(わかるもの)がありましたらご準備下さい。」(技適マークのQ&Aの回答3)。

「よく分からないけど誰に相談すればいいのですか?」という問いにも、「お気軽に、最寄りの総合通信局へお問い合わせ下さい。」とあります(同Q&Aの回答13)。

問い合わせる前に手元に用意するもの
  • 取扱説明書など、機器の種別が分かるもの(総務省が名指ししているのはこれです)
  • 機器の型番(本体か箱に書かれています)
  • どこで手に入れたか(海外の通販か、国内のフリマか、自分で持ち帰ったか)

問い合わせて返事をもらうまでは、その機器の電源を入れて電波を出すのは避けてください。技適マークが付いていない機器を使うと、「技適マークとは?日本で電波を出してよいことを示す印」で触れたとおり、電波法違反になる場合があります。付いているかどうかが分からないうちは、付いていない側として扱うのが安全です。

買う前に技適マークを確かめるには

「買う前に見るところ」と題した図。同じ大きさの白い板が3枚、横に並んでいる。左の板には文章を表す横線が4本引かれていて、その下に「商品説明」「技適の記載があるか」とある。中央の板にはアンテナ2本のルーターの絵が入っていて、その下に「商品写真」「機器の写真があるか」とある。右の板は中身が空で、虫めがねが重なっていて、その下に「総務省の検索」「検索で先に引く」とある。

手元に届いてから困らないように、注文する前にできることもあります。

商品ページで見るところ

総務省は、無線機を買うときの注意として「一般に使用できる無線機の殆どのものに技適マークが付いていますので、購入しようとする無線機に技適マークが付いているかどうかをご確認下さい」と書いています(技適マークのQ&Aの回答9)。

  • 商品説明に「技適」「技術基準適合証明」の記載があるか
  • 商品写真に、本体の表示が写っている面があるか
  • 型番が書かれていれば、総務省の検索で先に引いておく

書かれていなければ、出品者や販売者に尋ねるのがいちばん早い道です。記載がないこと自体は、付いていないことの証明にはなりません。

ただ、「技適は大丈夫です」という返事だけでは確かめたことになりません。尋ねるのは技適の有無ではなく、型番です。型番さえ聞ければ、あとは自分で総務省の検索に入れて、メーカー名と型式が合っているかを見られます。

出品者の「大丈夫です」を、自分で裏取りする3手
  1. 出品者に型番を聞く(商品ページに書かれていればそれでよい)
  2. 総務省の検索の「型式又は名称」の欄に、その型番を入れる
  3. 出てきたメーカー名と型式が、買おうとしている機器と合っているかを見る

この3手は、もう手元に届いてしまった機器にも、実家から譲られた古いルーターにも、そのまま使えます。

中古のスマートフォンは、業界の取り決めが手がかりになる

中古のスマートフォンには、業界団体がまとめたガイドラインがあります。

リユースモバイルガイドライン 第三版は、事業者が守るべきこととして「電波法および電気通信事業法に定める「技適マーク」(技術基準適合証明あるいは技術基準適合認定)の表示のないモバイル端末を国内で使用してはならないため、モバイル端末を買取り、販売する場合は、「技適マーク」の有無を確認することが求められる。」と書いています。買取のときの確認項目にも「技適マークが表示されているか」が並んでいます。

つまり、このガイドラインに沿って運営している買取店なら、店の側で一度見ている、ということです。個人どうしの取引には、この確認は入りません。

ガイドラインは、海外から入ってきた整備済み品についても注意を促しています。「日本国内において、一部通販サイト等で海外モデルのリファービッシュ品が販売されているケースが見られる。」とし、そうした海外モデルには技適マークが「付されていない場合がある。」と書いています。

中古のスマートフォンを買うときの確かめ方は、別の記事にまとめています。

「印が付いている」でも、意味が違う印がある

機器の箱には、いろいろな印が並んでいます。技適マークと混同しやすいのが、セキュリティの適合性評価の印(JC-STAR)です。

性格がまったく違います。技適マークは無ければ使えないという線引きで、セキュリティの印は選ぶときの手がかりです。片方があるから、もう片方も満たしている、ということにはなりません。

印の読み分けはWi-Fiルーターの買い替えの記事で扱っています。

まとめ

この記事では、技適マークの意味と、手元の機器で確かめる方法、そして海外で買った機器の線引きを解説しました。

  • 技適マークは、日本の電波の決まりを満たしていることを示す印。家庭やオフィスで使うWi-Fi・Bluetooth・コードレス電話などは、付いていれば免許なしで使える
  • 探す場所は、本体の表示・画面の表示・充電ケースや取扱説明書の3か所。本体に無いからといって、無い機器とは限らない
  • 番号か型番を入れれば、総務省の検索で引ける。入れるのはRの側に書かれた番号で(Rの文字は入れない)、ハイフンも含めて表示されているとおりに入れる。必須の欄は最初から選ばれているので触らなくてよい。1台の機器が何行にも分かれて出ることがある
  • 検索に出なくても、技適マークが無いとは限らない。この検索が扱うのは1999年3月以降に認証を受けた機器で、家庭のWi-Fiに使われる小電力データ通信システムは、古い決まりで受けた認証も新しい決まりのものとみなされる
  • 海外モデルや並行輸入品でも、技適マークが付いていれば使える。「条件付きで使える」特例のほうは、自分で持ち込んだ人の話で、ロゴで規格が確認できることが前提。Wi-Fi・Bluetoothは入国から90日以内で、Wi-Fiルーターは対象に入っていない
  • 日本に住む人が旅行先で買って持ち帰った場合にどう当てはまるかは、確かめた範囲の総務省の資料には書かれていなかった。迷うときは聞くほうが早い
  • どこを探しても確かめられなければ、最寄りの総合通信局へ。取扱説明書など、機器の種別が分かるものを用意しておく

まずは、手元の機器で3か所を見てみてください。番号が見つかれば、あとは総務省の検索に入れるだけです。見つからなくても、型番で引くという道が残っています。

Bluetoothの仕組み、電波干渉、ルーターの設定画面の開き方、中古端末を買う前の確認、Wi-Fiの周波数帯と使える場所は、次の記事にまとめています。

参考: 技適マークのQ&A(総務省 電波利用ポータル)

参考: 海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用(総務省 電波利用ポータル)

参考: 日本に入国される皆様へ(総務省 電波利用ポータル・PDF)

参考: 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(総務省 電波利用ポータル)

参考: スプリアス発射の強度の許容値に係る技術基準の改正に伴う経過措置(総務省 電波利用ポータル)

参考: リユースモバイルガイドライン 第三版(リユースモバイル関連ガイドライン検討会・PDF)

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