家では動画も普通に見られるのに、会社のVPNにつないで会議に出ると、声が途切れたり画面が固まったりして、重い・遅いと感じる。そんな経験はありませんか?
「うちの回線が悪いのかな」「Wi-Fiを買い替えたほうがいいの?」
実は、VPNにつないだときだけ会議が重くなるなら、原因は家の回線ではなく、VPNの通り道のほうにあるかもしれません。会社のVPNには、会議の音声と映像まで、いったん会社を通してから送り出す設定があるからです。
MicrosoftもZoomも、会議など限られた通信をVPNの外へ出す設定を、会社の管理者に勧めています。
この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、VPNで会議が重くなる理由と、本当にVPNのせいかの見分け方、そして情報システムの担当者(情シス)に何を伝えればよいかを解説していきます。
会社のVPNには、会議の音声と映像まで、いったん会社を通す設定があります。そのぶん遠回りになり、社員の通信が会社の出入口に集まって混み合うことがあります。
VPNのせいかどうかは、会議アプリが表示する数値と、重くなる時間帯で見当がつきます。
直せるのは会社の設定です。自分の判断でVPNを切らず、数値を添えて担当者に「会議の通信だけVPNの外へ出す設定(スプリットトンネル)ができないか」と相談してください。
直るまでのあいだは、カメラを切ると、自分が送る量を減らせます(遠回りの遅れは変わりません)。
目次
VPNにつなぐとWeb会議が重くなる理由

家から会社のVPNにつなぐと、パソコンの通信は暗号化されたトンネルを通って、まず会社のVPNサーバーに届きます。
社内のファイルサーバーや業務システム(イントラネット)を使うには、この通り道が必要です。
問題は、社内宛てではない通信まで同じ通り道に入れる設定があることです。Microsoftはこれを強制トンネルと呼び、端末からのすべての接続を社内のネットワークへ戻す方式だと説明しています。
TeamsやZoomの会議サーバーは、会社の中ではなくインターネットの向こうにあります。強制トンネルでは、会議の音声と映像も、いったん会社を通ってから出ていきます。
これで会議が重くなる理由は、主に2つあります。遠回りと、混雑です。加えて、VPNそのものが会議の通信に向いていないこともあります。
会議の音声と映像が、いったん会社を通って戻ってくる(遠回り)
1つ目は遠回りです。
たとえるなら、近所のポストに出せば済む手紙を、いったん遠くの本社の郵便室まで届けて、そこから出し直してもらうようなものです。届くことは届きますが、そのぶん時間がかかります。
この遠回りは、不具合ではありません。総務省のテレワークセキュリティガイドラインは、VPN方式では「テレワーク端末から外部のクラウドサービス等を利用する際にも、オフィスネットワーク内に設置されたセキュリティ機器を介して接続を行うこととなる」と書いています。
つまり、社外の通信にも会社と同じ守りをかけるための設計です。同じガイドラインは、そのおかげで「オフィス内にいるときと同等のセキュリティレベルを確保することができます」と説明しています。
ただ、会議にとっては不利になります。Microsoftは、Teamsの通信をVPNの外へ出すよう勧める理由の1つに、次のように挙げています。
トラフィックは、エンド ユーザーから遠く離れたサービス フロント ドアの場所にルーティングされ、余分な待機時間とジッターが発生する可能性があります。
「サービス フロント ドア」は、Teamsのサービスの入口のことです。VPNを通すと、その入口が自分から遠い場所になることがあり、そのぶん遅れ(遅延)と、届くタイミングのばらつき(ジッター)が増える、という意味です。
なお、会議サービスまでの距離そのものは、原因になりにくいという測定もあります。筆者の環境から各社のサイトの入口まで往復の時間を測った記事では、国内から応答が返ってきていました。ここで問題にしているのは、VPNで会社を経由することで生まれる遠回りのほうです。
社員全員の通信が、会社の1つの出入口に集まる(混雑)

2つ目は混雑です。
VPNを通る通信は、家にいる社員全員のぶんが、会社のVPNサーバーと会社の回線という1つの出入口に集まります。駅の改札が1か所しかないのに、全員が同じ時間に通ろうとするようなものです。
在宅勤務の人が少ないうちは、これでも回ります。Microsoftも、強制トンネルは同時に使うリモートの利用者が少なく、VPNを通る量が少ないあいだは、ほぼ持ちこたえていたと振り返っています。
ところが在宅の利用者が同時に増えると、話が変わります。Microsoftは、強制トンネルで大量の通信を社内に通すと急速に飽和し、VPNの設備が容量不足になると書いています。
会議の通信は、とくに量が多いものの1つです。Teamsの映像つき会議は、推奨の値で端末1台あたり(ふつうは1人1台)上り2,500kbps・下り4,000kbpsです。推奨の値のまま100人が同時にカメラをつけて会議に出ると、下りだけで4,000kbps × 100人 = 400,000kbps、つまり400Mbpsが会社の出入口を通る計算になります(kbpsとMbpsは1,000倍の違いで、1,000kbps=1Mbpsです。実際に使う量は、画面のレイアウトや画質で変わります)。
強制トンネルでは、この通信は会議のサーバーからいったん会社の回線に入り、そこからVPNで社員の家へ送り出されます。VPNの出入口とインターネットへの出入口が同じ回線なら、その回線には、入ってくる向きと出ていく向きの両方の負担がかかりえます。
総務省のガイドラインも、VPN方式について「通信回線の帯域が不足したり、VPN機器の能力を超える数の接続が行われたりするなどして通信が不安定な場合」に触れています。
Zoomも、会議の音声と映像をVPNで送ると、「VPNインフラストラクチャに大きな負荷がかかり、オーディオおよびビデオの品質が大きく低下する可能性があります」と書いています。
VPNの包み方が、音声・映像の送り方と合わないことがある
この節は仕組みの補足です。使う側が自分で確かめる必要はないので、読み飛ばしてもかまいません。
もう1つ、VPNそのものの性質が効くこともあります。Microsoftは、Teamsの通信をVPNの外へ出すよう勧める理由として、ほかにも次のようなものを挙げています。
- VPN は通常、リアルタイム メディアをサポートするように設計または構成されていません。
- 一部の VPN は、UDP (Teams に必要) をサポートしていない場合もあります。
- また VPN は、既に暗号化されているメディア トラフィックの上に、暗号化の追加レイヤーを導入することもあります。
「リアルタイム メディア」は、会議の音声や映像のように、その場で届かないと意味がない通信のことです。
UDPは、届いたかどうかの確認を省いて、速さを優先する送り方です。Microsoftは、TeamsにはUDPが必要だとしています。Zoomも「UDPを使用すると、Zoomメディアに対して最良の総合的な体験が得られます」と書き、別の送り方(TCP)はプロキシを通すときのためのもので、追加の負担が生じて音声と映像の品質が下がりうるとしています。
Teamsの音声と映像は、もともと暗号化されて送られています。VPNは、その上からもう一重包みます。手紙を封筒に入れたうえで、さらに小包に詰め直すようなものです。
ただし、どれくらい遅くなるかの数字は、今回確かめたMicrosoftの資料には書かれていません。VPNの製品や設定によっても違うので、自分では確かめにくい部分です。ここは担当者に任せましょう。
会議が重いのはVPNのせいかを見分ける

会議が重い原因は、VPNだけではありません。自宅のWi-Fi、上りの回線、相手側の環境など、ほかにも疑うところがあります。
VPNのせいかどうかは、次の3つの手がかりで見当をつけます。担当者に相談するときの材料にもなります。
会議アプリの数値を見る(Teams・Zoom の通話の統計)
TeamsにもZoomにも、会議の最中に通信の状態を数字で見られる画面があります。
Teamsでは、会議のコントロールの[その他のアクション]から[設定]→[通話正常性]を開きます。Microsoftのヘルプによると、数値は15秒ごとに更新されます。
Zoomでは、デスクトップアプリで会議に参加中に、[ビデオを開始]/[ビデオを停止]の横にある上向き矢印から[ビデオ設定]→[統計]を開きます(Zoomのヘルプ)。
見るのは、次の3つです。目安の数字は、Teamsはヘルプが「一般的な値」として、Zoomは推奨の値として書いている数字です。アプリによって目安が違うので、使っているほうの値で見てください。
| 見るもの | Teams(通話の正常性) | Zoom(統計) |
|---|---|---|
| 遅れ | 往復時間 200ミリ秒未満 | レイテンシ 150ms以下 |
| 届かなかった割合 | 受信したパケットの損失 2%未満 | パケット喪失 2%以下 |
| 届くタイミングのばらつき | 受信したジッター 30ミリ秒未満(オーディオ) | ジッター 40ms以下 |
msはミリ秒のことです。届かなかった割合は、パケットが途中で失われた割合のことです。声が途切れる、ロボットのような声になる、といった症状につながります。
Teamsの往復時間は、グループでの会議なら自分のパソコンとTeamsのサービスのあいだ、1対1の通話なら相手とのあいだの応答時間です。強制トンネルなら、この往復にVPNの通り道も含まれます。
Zoomの統計には、全体のほかにオーディオ・ビデオ・画面共有のタブがあり、表は送信と受信の列に分かれています。「あなたの声が途切れる」と言われたら音声の送信の列を、相手の声が途切れるなら受信の列を見ます。Teamsの表のうち、パケットの損失とジッターは、受信した側(自分のパソコンが受け取った側)の値です。
数値は、重いと感じたその場で見るのがいちばんです。画面を写真に撮るか、数字を書き留めておきましょう。
時間帯で変わるかを見る(始業直後・全社会議)
原因が混雑なら、社員が一斉に使う時間ほど悪くなるはずです。
総務省のガイドラインも、管理者に向けて「業務上、同時アクセスが集中する時間帯や、一時的に大量のデータが流れるアプリケーションの利用等を考慮した設計」を求めています。時間帯で混み方が変わることは、管理する側も前提にしているわけです。
たとえば、朝の始業直後や全社会議の時間と、比較的すいていそうな時間とで、同じ会議アプリの数値を比べてみてください。
- 特定の時間だけ悪い → 会社の出入口の混雑が疑わしい
- いつも同じくらい悪い → 混雑より、遠回りやVPNそのものの性質、自宅側の原因が疑わしい
ただし、家の回線も時間帯で混むことがあります(夜だけ遅くなる理由はPPPoEとIPoEの記事で説明しています)。時間帯だけでは決め手にならないので、VPNあり・なしの比較や、ほかの社員の様子とあわせて見てください。
VPNにつないでいないときと比べる(会社のルールで許される範囲で)
いちばんはっきり分かるのは、VPNにつないでいるときと、つないでいないときの比較です。
ただし、業務用のパソコンでVPNを切ってよいかは、会社のルールしだいです。許されていない場合は、この比較は飛ばしてください。会議アプリの数値と時間帯の記録だけでも、担当者に相談する材料になります。
許されている場合は、同じ場所・同じ時間帯・同じ会議アプリで、数値を並べます。
- VPNなしだと大きく良くなる → VPNの通り道が原因の見込みが高い
- VPNなしでも同じくらい悪い → 原因はVPNより手前(自宅のWi-Fiや回線など)にありそう
VPNなしでも悪いときは、次の記事で症状から原因の場所を絞り込めます。
VPNが原因なら、会議の通信だけVPNの外へ出す設定がある

スプリットトンネルとは
スプリットトンネル(split tunnel)は、社内宛ての通信はこれまでどおりVPNに通し、会議など決めた通信だけを自宅の回線から直接インターネットへ出す設定です。「分割トンネル(分割トンネリング)」とも呼ばれます。
社内の書類は社内便で送り、近所への手紙は近くのポストに出す。そんなふうに、行き先で通り道を分けるイメージです。
Microsoftは、在宅勤務の端末をVPNでつなぐ場合、Teams・SharePoint・Exchange Online の通信を分割トンネルで流すよう勧めています。Teamsについては、VPNの外へ出すとTeamsの品質が上がり、VPNの機器と社内のネットワークの負荷も減る、としています。遠回りと混雑の両方に効く、ということです。
Zoomも、VPNを使う会社にはスプリットトンネリングを有効にするよう勧めています。
総務省のガイドラインは、同じ考え方を含む、もう少し広い言葉としてローカルブレイクアウトを使っています。社内へつなぐ方式のまま、インターネット宛ての通信をすべて端末から直接出す方法と、特定のクラウドサービスだけを直接出す方法を、まとめてそう呼んでいます。担当者に相談するときの言葉として、覚えておくと便利です。
スプリットトンネルは安全なのか(Microsoftと総務省の説明)
気になるのは安全面でしょう。「VPNの外に出た通信は、VPNの暗号化で守られないのでは?」
Microsoftは、まさにこの反論を取り上げて答えています。Teamsの会議の音声と映像は、もともとSRTPという方式で暗号化されている、というものです。
しかも、外へ出すのはMicrosoftが「最適化」に分類した、Microsoftが管理する限られた宛先だけです。ほかの通信の通り道は変えない、と説明しています。
Zoomについては、Zoomの技術資料が、音声と映像の保護にはSRTPを使うよう管理者に勧めています。ただ、今回確かめたZoomの資料には、VPNの外へ出した場合の安全性を正面から論じた説明はありませんでした。Zoomを使う会社は、この点も担当者や導入した業者に確かめてください。
一方で、総務省のガイドラインは注意も書いています。ローカルブレイクアウトでは社内のセキュリティ機器を通らないので、セキュリティの管理が難しくなる。そのため、クラウド上のプロキシなどを通して、社内と同じ管理をかけたうえで使うことが重要だとしています。脚注では、「セキュリティ統制の観点からは、ローカルブレイクアウトの対象を限定することが効果的です」とも書いています。
つまり、外へ出すのは会議の通信のような限られた宛先だけにし、どこまで出すかは会社が決める、ということです。ここは使う側が判断することではありません。
自分の判断でVPNを切って会議に出ない
「それなら、会議のときだけ自分でVPNを切ればいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、それはスプリットトンネルとは別物です。スプリットトンネルは、会社が会議などの通信を選んで外へ出す仕組みです。自分でVPNを切ると、会議以外の通信も含めて、すべてが会社のネットワークの守り(社内のセキュリティ機器)の外に出ます。社内のシステムにもつながらなくなります。
会社のルールで「会議のときはVPNを切ってよい」と決まっているなら、それに従ってください。決まっていなければ、切る前に担当者に聞きましょう。
情報システムの担当者に伝えること

VPNの設定を変えられるのは会社だけです。ただ、伝え方しだいで、話の早さが変わります。
「VPNだと会議が重いです」だけでは、担当者はどこから調べればよいか分かりません。次の材料をそろえて伝えましょう。
- いつ:日付と時間帯。毎回なのか、特定の時間だけなのか
- どんな症状か:声が途切れる・映像が固まる・会議から落ちる。自分だけか、参加者全員か(ほかの参加者に聞けば分かります)
- 会議アプリの数値:Teamsなら往復時間・パケットの損失・ジッター、Zoomならレイテンシ・ジッター・パケット喪失
- VPNあり・なしの違い:会社のルールで比べてよい場合だけ
- 自宅の環境:有線かWi-Fiか。使っている会議アプリ
そのうえで、打ち手の名前を添えます。「会議アプリの通信を、VPNの外へ出す設定(スプリットトンネル)はできませんか」。名前が分かっていれば、担当者は調べるところを絞れます。
〇月〇日(月)9時からの全社会議で、会社のVPNにつないだ状態で、相手の声が途切れ、映像が固まりました。Teamsの通話の正常性では、往復時間が〇〇ミリ秒、受信したパケットの損失が〇%でした。ほかの時間の会議では問題ありません。自宅はWi-Fiです(VPNを切って比べることはしていません)。
会議アプリの通信をVPNの外へ出す設定(スプリットトンネル)はできないでしょうか。
直るまでのあいだ、自分でできること
担当者が設定を見直すまでには、時間がかかることもあります。そのあいだも、VPNを切らずにできることはあります。
まずできるのは、カメラを切ることです。Teamsの会議で推奨される量は、音声だけなら上り・下りとも58kbps、映像つきなら上り2,500kbps・下り4,000kbpsです。推奨の値で比べると、映像を止めれば自分が送る量は数十分の1です。
ただし、効くのは混雑に対してで、遠回りで生まれる遅れは変わりません。会社の出入口の混み具合も、自分1人のぶんが減るだけです。全社会議のように大勢が出る会議なら、主催者からカメラを切るよう呼びかけてもらうのも手です。
自宅の側を整えるのも無駄にはなりません。Wi-Fiを有線に変えるなどのWEB会議を安定させる対策(効く順)は、別の記事にまとめています。
担当者(兼任の総務)が確かめること
ここからは、社員から相談を受ける側の話です。総務がネットワークの担当を兼ね、VPNの設定は導入した業者に任せている、という会社もあるでしょう。まず、次の3つを確かめます。
- 会社のVPNが、会議の通信まで会社を通す設定(強制トンネル)になっているか
- VPNの装置やサービスが、会議の通信だけを外へ出す設定に対応しているか
- 複数の社員が、同じ時間帯に重いと言っていないか(同じ時間に集中するなら、混雑が疑わしい)
手がかりになる資料もあります。Microsoftは分割トンネルの考え方と設定の手順を公開しており、VPNを使っているか、Teamsなどの通信がVPNの外へ出ているかを判定する接続テストも用意しています。詳しく調べるにはWindowsのアプリのダウンロードが要り、サインインして使うと結果が管理者と共有されるので、使う側の社員ではなく担当者が使う道具です。Zoomも、VPNを使う会社向けの推奨の設定を公開しています。
回線の太さの目安は、映像つき会議の推奨の値(下り4,000kbps・上り2,500kbps)に、同時にカメラをつけて会議に出る人数を掛けるとつかめます。あくまで推奨の値での計算で、実際に使う量は画面のレイアウトや画質で変わります。
会議の通信を外へ出せない、または会社として選ばない場合は、VPNの設備や回線のほうを増強する方向になります。総務省のガイドラインは、多数の従業員が同時にテレワークをする場合について、「システムの拡張・増設や通信回線の帯域増加等が必要になり、多くの費用が掛かることが一般的です」と書いています。Microsoftは、Microsoft 365 の通信の大部分を占める宛先をVPNから外せば、長く費用のかかる増強をせずに済むことも多い、としています。
情報システムの担当者がいない小さな会社で、誰に相談すればよいかは、次の記事で整理しています。
自分で契約したVPNをつないだままでも、会議が重くなることがある
ここまでは会社のVPNの話でした。自分で契約したVPNサービスを、ふだんからつないだままにしている方もいるでしょう。
個人で契約するVPNも、通信をいったんVPNサーバーに通してから目的地へ送り出す仕組みは同じです。VPNサーバーまでの距離が長いほど、遅延は積み上がります。
会議が重いと感じたら、一度VPNを切って、会議アプリの数値を比べてみてください。自分で契約したVPNなら、切るかどうかは自分で決められます。
ただし、公共のWi-Fiにつないでいるときは、VPNを切ると通信を守る仕組みも外れます。個人のVPNで何が守られるのかは、VPNの記事で説明しています。どのサービスが速いかは、この記事では比べません。
まとめ
この記事では、VPNにつなぐとWeb会議が重くなる理由と、VPNのせいかの見分け方、担当者への伝え方を解説しました。
- 会社のVPNには、会議の音声と映像まで、いったん会社を通す設定(強制トンネル)がある
- 重くなる主な理由は、遠回りと、会社の出入口の混雑。VPNそのものが会議の通信に向いていないこともある
- VPNのせいかは、会議アプリの数値(Teamsの通話の正常性・Zoomの統計)と、重くなる時間帯で見当をつける。VPNなしと比べるのは、会社のルールで許される場合だけ
- MicrosoftもZoomも、会議など限られた通信をVPNの外へ出す設定(スプリットトンネル)を管理者に勧めている。どこまで外へ出すかは会社が決める
- 会社のVPNは自分の判断で切らず、数値と時間帯を添えて担当者に相談する。直るまでのあいだは、カメラを切ると自分が送る量を減らせる(遠回りの遅れは変わらない)
- 相談を受けた担当者は、まず強制トンネルかどうかと、会議の通信を外へ出せるかを確かめる。外へ出せないなら設備や回線の増強を考えることになる。大勢が同時に在宅勤務をする会社では、多くの費用がかかるのが一般的(総務省)
- 自分で契約したVPNなら、一度切って数値を比べてよい。ただし公共のWi-Fiでは、切ると通信を守る仕組みも外れる
家の回線を疑う前に、まず数字を1つ見てみてください。その数字が、担当者との話を早く進める材料になります。




