インターネットで送られるデータは、そのまま一本の流れで届いているわけではありません。「パケット」と呼ばれる小さな単位に分けて運ばれています。
スマートフォンで送る写真一枚でも、何千ものパケットに分かれています。
この記事では、パケットとは何か、なぜ小分けにするのかを説明したうえで、「パケットロス」が自分の回線で起きていないかを確かめる方法まで案内します。
目次
パケットって一体何?

パケットとは、インターネット上でデータをやり取りする際の、いわば「小包」のようなものです。
例えば、大きな荷物を送る際に、小さな箱に分割して送ることで、より早く、効率的に届けられますよね?
それと同じように、インターネットで送受信されるデータも、パケットと呼ばれる小さな単位に分割されます。
こうすることで、混雑した道でも少しずつ流せるようになり、途中で失われても、その分だけ送り直せば済みます。
パケットの中身を見てみよう

パケットは、ただのデータの塊ではありません。
宛先や送信元などの情報が書かれた「ヘッダー」と、実際のデータが入った「ペイロード」という2つの部分から構成されています。
パケットを封筒に例えると、ヘッダーは宛名や差出人の情報が書かれた部分、ペイロードは手紙の内容に当たります。
宛名がないと手紙が届かないように、ヘッダー情報がなければ、パケットは正しい相手に届きません。
ヘッダーには、送信元と宛先のIPアドレス、パケットの順番、エラーチェック情報などが含まれています。
これらの情報によって、パケットはインターネットの複雑なネットワークを通り抜け、正しい相手に届けられるのです。
パケットの種類

パケットには、用途や役割に応じて様々な種類があります。
代表的なものとしては、TCPパケットとUDPパケットがあります。
TCPパケットは、信頼性を重視した通信に用いられます。
例えば、ウェブサイトの閲覧やファイルのダウンロードなど、データが欠けてしまうと困る場合に利用されます。
TCPパケットは、データが確実に相手に届くように、受け取れたかを確認し、届かなかったぶんを送り直すしくみを備えています。
一方、UDPパケットは、速度を重視した通信に用いられます。
例えば、通話やWeb会議、オンラインゲームなど、多少欠けても、それより遅れないことのほうが大事な場合に利用されます。
UDPパケットは、TCPパケットのような確認応答や送り直しを行わないため、待たされることがありません。
パケットロスって何?

オンラインゲームをしている時に、「パケットロスが発生しました」というメッセージを見たことはありませんか?
パケットロスとは、送信されたパケットが途中で失われてしまう現象のことです。
パケットロスが起きると、動画や通話が乱れたり、ファイルの受け取りに時間がかかったりします。どちらの形で出るかは、使っているしくみによって変わります(後述)。
原因はひとつではありません。よくあるのは次の3つです。
| どこで | 何が起きているか |
|---|---|
| 家の中の無線 | 電波が弱い・ほかの機器と干渉している |
| 途中の機器 | 混雑して処理しきれず、パケットを捨てている |
| 機器やケーブル | 故障・接触不良 |
意外に思われるのが2つ目です。混雑したときにパケットを捨てるのは、機器がわざとやっている動作で、故障ではありません。処理しきれない量が来たときに、あふれたぶんを捨てることで全体を守っています。
なお、TCPを使う通信なら失われたパケットは送り直されるので、多少のパケットロスは「遅くなる」という形で現れます。送り直しをしないUDPでは、そのまま音や映像の乱れになります。
パケットが失われていないか、自分で確かめる

「なんとなく調子が悪い」で終わらせずに済む方法があります。パケットが失われているかどうかは、Windowsに最初から入っている ping というコマンドで見えます。
実行すると、最後に送った数・受け取った数・失われた数がまとめて表示されます。パケットロスが起きていれば、ここが0にはなりません。
調子の良いときにも一度測っておくと、いつもの値が分かります。比べる相手がないと、出た数字が異常なのか判断できません。
書式と結果の読み方は下の記事にまとめてあります。
失われていることが分かったら、次はどこで失われているかです。無線なのか有線なのか、家の中なのか外なのかで打ち手が変わります。
まとめ
この記事では、パケットの基本的な知識について解説しました。
データをそのまま送らず小分けにするのは、混雑した道でも少しずつ流せるようにするためです。そのかわり、途中で失われることがあります。
調子が悪いと感じたら、ping で失われた数を見てください。「なんとなく遅い」が「損失が何%ある」に変わると、人に相談するときの伝わり方が違います。
なお、宛先を見て次にどこへ渡すかを決めているのは、通信を7つの役割に分けたうちの第3層(ネットワーク層)です。ここで出てきたTCPやUDPは、その1つ上の段の話になります。







