ごちゃごちゃした部屋を区切って整理するように、コンピューターネットワークも整理整頓できたら便利ですよね。
その便利な仕組みが「VLAN(ブイラン)」です。
難しい専門用語に聞こえるかもしれませんが、実は一つの大きなネットワークを小さく区切って、効率よく安全に使えるようにする技術なんです。
普段何気なく使っているインターネット環境も、実はこのVLANのおかげでスムーズに動いているんですよ。
ITの知識がなくても大丈夫!今回はVLANの基本とメリットをわかりやすく解説します。
目次
VLANとは?仮想的なLAN分割技術

VLAN(Virtual Local Area Network)とは、物理的な接続にとらわれず、仮想的にLANを分割する技術のことです。
例えば、オフィスで部署ごとにネットワークを分けたい場合、従来は物理的にケーブルを分け、別のネットワーク機器を用意する必要がありました。
しかし、VLANを使えば、物理的な構成はそのままに、ソフトウェアの設定だけで論理的にネットワークを分割できるのです。
VLANのメリット

VLANを導入すると、主に以下の3つのメリットが得られます。
セキュリティ向上
VLANでネットワークを分割することで、部署やグループごとにアクセスできる範囲を制限できます。
これにより、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できます。
ネットワーク管理の効率化
部署の移動や組織変更があった場合でも、物理的なケーブルの変更は不要です。
ソフトウェアの設定を変更するだけで、柔軟に対応できます。
ネットワークパフォーマンスの向上
VLANでネットワークを分割することで、特定のネットワークに負荷が集中するのを防ぎ、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させることができます。
VLANの種類

VLANには、主に以下の3つの種類があります。
ポートVLAN
ポートごとにVLANを割り当てる最も基本的なVLANです。
特定のポートに接続された機器だけが同じVLANに属することができます。
タグVLAN
フレームにVLANの識別情報(タグ)を付加することで、複数のVLANを1本のケーブルで通信させることができます。
VLANをまたいだ通信が必要な場合に利用されます。
プロトコルVLAN
通信プロトコルによってVLANを割り当てます。
特定のプロトコルを使用する機器だけを同じVLANに属させることができます。
VLANの設定方法

VLANの設定は、主に以下の3つのステップで行います。
- STEP
VLAN IDの決定
VLANを識別するための番号(VLAN ID)を決定します。
VLAN IDは、1から4094までの番号を使用できます。
- STEP
ポートへのVLAN割り当て
各ポートにVLAN IDを割り当てます。
これにより、どのポートがどのVLANに属するかを定義します。
- STEP
ルーターの設定
VLAN間の通信が必要な場合は、ルーターを設定します。
ルーターは、異なるVLAN間の通信を中継する役割を果たします。
設定方法は、ネットワーク機器の種類によって異なります。
各機器のマニュアルを参照しながら設定を進めてください。
まとめ
VLANは、ネットワークを効率的に管理・運用するための強力なツールです。
VLANを導入することで、セキュリティ向上、ネットワーク管理の効率化、ネットワークパフォーマンスの向上など、様々なメリットが得られます。
この記事を参考に、あなたのネットワークもVLANで整理整頓し、快適なネットワーク環境を実現しましょう!