フリーWi-Fiは危険?公衆Wi-Fiで見るところと避けたい操作

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カフェやホテルの席に座って、スマートフォンの設定を開く。「Free Wi-Fi」と書かれた名前が並んでいます。

「これ、つないでいいのだろうか」。そう思って手が止まった経験は、多くの方にあるはずです。

調べると「危険」「盗聴される」という言葉が出てきます。かといって、外出先で毎回がまんするのも現実的ではありません。

必要なのは、危ないか安全かの二択ではなく、その場で見て決めるための材料です。何を見れば判断できて、つないだあとは何をしてよくて何を避けるのか。そこがはっきりすれば、迷う時間はなくなります。

先に、外で見るところ

結論から言うと、見るところを見れば使ってかまいません

つなぐ前に見るのは3つ。誰が出しているか/名前が案内と同じか/自動でつながらないようにしてあるか。つないだあとに見るのはURLです。

そして、線を引く基準はひとつだけ。周囲に見られても構わない用事かどうかです。理由をこの記事で解説します。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、フリーWi-Fiで実際に何が起きるのか、パスワードつきでも安心できない理由、つなぐ前に見る3つ、そしてやってよい操作と避けたい操作の線引きまでを解説していきます。

フリーWi-Fi(公衆Wi-Fi)とは、どこまでを指すのか

外出先で誰もが使えるWi-Fiを表した図解。中央に濃紺のアクセスポイントがあり、そこから水色の弧が同心円状に広がって、その左右と手前に人のアイコンが1つずつ立っている。図には「フリーWi-Fi(公衆Wi-Fi)とは」「外出先で、誰もが使えるWi-Fi」と書かれている。

まず、この記事が何の話をしているのかをはっきりさせておきます。

総務省が出している公衆Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル(令和7年2月版)(総務省・PDF)は、次のように定義しています。

Wi-Fiは、ケーブルを使わず無線(ワイヤレス)通信でデータをやりとりする仕組みの一つであり、その中でも外出先で誰もが使えるWi-Fiを公衆Wi-Fiと呼びます。

ここで言う「公衆Wi-Fi」が、街で「フリーWi-Fi」と呼ばれているものです。公的な資料は公衆Wi-Fiという言い方をするので、この記事でも引用のときだけ原文どおりの表記にしています。中身は同じものだと思って読み進めてください。

同じフリーWi-Fiでも、つなぎ方が3種類ある

同じ資料は、つなぎ方が1つではないことも書いています。

公衆Wi-FiにはSSID(ネットワーク名)と暗号化キーを用いることで接続可能なものや、通信事業者などが提供するSIM認証※1により接続可能なもの、OpenRoaming※2に対応したものなどいくつか種類があります。本マニュアルではその中でもSSIDと暗号化キーを用いることで接続可能な公衆Wi-Fiを利用する際のセキュリティ対策などをご説明します。

SSIDは、電波に付けられた名前のことです。設定画面に並ぶ「Free Wi-Fi」「〇〇_Guest」といった文字列がそれにあたります(SSIDとは何かを別記事で解説しています)。暗号化キーは、その電波につなぐための合いことばです。

この記事で扱うのも、資料が想定しているのと同じ「一覧に出ている名前を、自分で選んでつなぐタイプ」です。お店や駅、ホテルや空港で見かけるものは、ほとんどこの形になります。合いことばを求められることも、求められないこともあります。

逆に、この記事が扱わないのは自分で選ばなくてもつながる仕組み(携帯電話会社のSIMで自動的につながるものなど)です。そちらは、つなぐ相手を選ぶ場面そのものがありません。

使っている人は半分弱で、使わない理由は「不安」

総務省は、利用者への調査も出しています。令和7年度 無線LAN利用者実態調査 概要版(総務省・PDF)によると、日常的に無線LANを使っている10,000人のうち、公衆無線LANを「利用している」と答えた人は48%でした。自宅のWi-Fiの利用率が82%であることと比べると、かなり低い数字です。

そして、使っていない3,432人にその理由を聞いた結果が次のように書かれています。

公衆Wi-Fi未利用者の65%が、利用しない理由として「セキュリティ上の不安」を挙げており、他の理由を大きく引き離して最も多い結果となった。

つまり「セキュリティ上の不安」で使わない人が多数派です。この記事は、その不安を分解するために書いています。

なお、この調査はWebアンケートの回答割合であって、被害が何件起きたかを数えたものではありません。10,000人という母数も日本全体ではなく、すでに無線LANを使っている人たちです。数字を読むときは、ここを取り違えないでください。

フリーWi-Fiで実際に起きること(偽のアクセスポイント)

同じ名前の電波を2つ並べた図解。同じ形の濃紺のアクセスポイントが左右に1つずつ立ち、それぞれの上に同じ大きさの白い横長の札が水平に置かれている。2つの札には同じ文字列「Cafe_FreeWiFi」が入っている。図には「同じ名前は、誰でも出せる」「見た目では見分けられない」と書かれている。

資料は、対策をしないで使うと「通信内容が盗み見られたり(傍受)、ID・パスワードを盗用されて使われる(なりすまし)などの被害にあう危険性があります」と書いています。

そして、その入口として資料が挙げているのが偽のアクセスポイントです。アクセスポイントとはWi-Fiの電波を出している機器のことで、その偽物を悪意のある人が置く、という話です。機器のほうが店になりすます形なので、なりすましWi-Fiと呼ばれることもあります。

簡易マニュアルには、次のような筋書きが載っています。

  • 旅先で見かけたことのない名前のWi-Fiがあり、合いことばなしでつなげたので使った
  • SNSでの認証を求められたので、IDとパスワードを入力した。画面のURLは確かめなかった
  • 数日後、自分の名前で覚えのない投稿がされていた

原因について、資料はこう書いています。

それは、悪意をもって設置された偽の公衆Wi-Fiに接続してしまったことです。そのため、入力したSNSのIDとパスワードが盗まれてしまったのです。

この手口について、資料は別のページでこう書いています。

偽の公衆Wi-Fiが、SNSのログイン画面を模した偽の入力画面に誘導して、ID・パスワードなどの入力情報をだまし取る例が報告されています。

つまり、入力する画面ごとすり替えられることがある、ということです。ここが、この記事のあとの話にもつながります。

「知らない名前だから危ない」ではない

よくある誤解を先に外しておきます。見慣れない名前だけを警戒しても足りません。同じ資料は、はっきりこう書いています。

よく知っている(使ったことがある)SSID(ネットワーク名)であっても、偽の公衆Wi-Fiが設置されていることがあります。

Wi-Fiの名前は、機器の側で自由に決められます。いつも使っている店の名前をそのまま付けた電波を、別の誰かが出すことができてしまうわけです。名前は身分証明にならないと考えてください。

この手口が知られているかというと、そうでもありません。この調査は設問ごとに対象が絞られていて、母数が変わります公衆無線LANを使っている532人に聞いた結果は、次のとおりです。

偽アクセスポイントの問題については、60%が「知らなかった」と回答した。公衆無線LANの提供者不明でも接続する利用者も35%存在しており、セキュリティリスクに対する認識や感度の低さが懸念される結果となった。

知らないほうが多数派です。そして、これは利用者だけの問題ではありません。

総務省はWi-Fiを提供している側にも調査をしています。令和7年度 無線LAN提供者実態調査 概要版(総務省・PDF)で、現にサービスを提供している766団体に、利用者へのセキュリティ注意喚起として何を伝えているかを聞いています(複数回答)。主なものを抜き出すと、次のようになります。

利用者に伝えている内容割合
特に説明していない42%
SSIDを確認すること18%
セキュリティソフトを使うこと12%
偽アクセスポイントに注意すること6%

いちばん多いのは「特に説明していない」で、資料も「42%で突出して高い」と書いています。偽のアクセスポイントに触れている提供者は6%です。

お店の掲示を読んでも書いていないことが多い、ということです。気づけないのは、読者の不注意ではありません。だからこそ、自分で見る場所を決めておく価値があります。

鍵つきのフリーWi-Fiでも、自宅と同じ安全さにはならない

同じ鍵を知っている人数を左右で比べた図解。左は同じ形の濃紺の鍵が1つとその下に人のアイコンが2つ、右は同じ鍵が1つとその下に人のアイコンが5つ横に並んでいる。2つの鍵は同じ大きさで描かれている。図には「同じ鍵を、何人が知っているか」「自宅は家族だけ」「フリーWi-Fiはつないだ人みんな」と書かれている。

設定画面でWi-Fiの名前に鍵マークが付いていると、安心できる気がします。合いことばの入力を求められれば、なおさらです。

ところが、フリーWi-Fiに限ってはその安心が成り立ちません。簡易マニュアルには「WPA2でも安心できない」という見出しのコラムがあり、理由がこう説明されています。

しかしながら、この方式の特徴として、接続する人全員が同じ暗号化キーを共有する必要があるため、不特定多数が利用する公衆Wi-Fiでは、利用者全員が暗号化キーを知っている状態にあります。そのため、Wi-Fiの通信内容は、条件が整えば比較的容易に解読されてしまいます。

家庭で広く使われている方式では、つないだ人が全員、同じ合いことばを持ちます。自宅なら知っているのは家族だけですが、お店ではその場にいる全員が知っていることになります。

大事なのは、これが自宅の設定を否定する話ではないことです。同じコラムは、その直前でこう書いています。

この方式は、自宅や個人での利用に限れば十分な安全性を持っています。

同じ仕組みでも、鍵を知っている人数が変われば意味が変わるということです。自宅のWi-Fiで何を設定すればよいかは、別記事にまとめています。

パスワード(合いことば)は、たいてい壁に貼ってある

「全員が知っている」と言われても、実感がわかないかもしれません。ここも、提供者側の調査に数字があります。

暗号化しているWi-Fiを提供している482団体に、合いことばをどうやって利用者に伝えているかを聞いた結果です(複数回答なので、合計は100%になりません)。

伝え方割合
利用場所への掲示(広く周知)61%
案内紙を利用者のみに配付17%
登録画面・メールで利用者のみに通知15%
ホームページ等に掲載11%

資料は「利用場所への掲示(広く周知)」が「61%で突出して高い」と書いています。つまり合いことばは、その場に掲示されているのがふつうです。

店に入った人なら誰でも読めます。「鍵がかかっているから、私たちだけの通り道」という感覚は、ここで崩れます。

だから資料は、鍵つきであっても「暗号化されていない場合と同様に留意して利用する必要があります」と結論づけています。

⚠ ここで気をつけたいのは、これが「鍵つきでも安心はできない」という意味であって、「鍵がなければ全部が丸見え」という意味ではないことです。何がどこまで守られているのかは、この記事の後半で扱います。

なお、WPA2やWPA3といった方式そのものの違いは、自宅のWi-Fiを設定するときに必要になる知識です。そちらは別記事で解説しています。

フリーWi-Fiにつなぐ前に見る3つのこと

つなぐ前に見る3つを横一列に並べた図解。左から、短い支柱に付いた白い掲示板、白い楕円の板が2枚並んだもの、つまみが左に寄って切ってある状態の濃紺の切り替えスイッチが、いずれも同じ大きさで描かれている。図には「つなぐ前に見る3つ」「誰が出しているか」「名前は案内と同じか」「自動でつながらないか」と書かれている。

ここからが実際の手順です。難しい設定はひとつもありません。

先ほどの調査には、確認していない人の理由も載っています。SSIDを確認しないと答えた136人にその理由を聞くと、最も多かったのは「確認方法がわからない」で45%でした。暗号化について確認しないと答えた265人でも、最多は同じ「確認方法がわからない」で56%です。

暗号化とHTTPSについては、資料自身がまとめでこう述べています。

暗号化・HTTPSともに、未確認の主因は「確認方法がわからない」であり、利用者に対する具体的かつ実践的な情報提供の強化が求められる。

やる気の問題ではなく、やり方が伝わっていないのです。そこで、簡易マニュアルが挙げている確認事項を、席についてからの順番に並べ直します。

  1. STEP

    誰が出しているWi-Fiかを見ます。

    資料は「近くに掲示されているステッカーなどで、誰が提供しているどのようなサービスなのか、セキュリティ対策はどうなっているのかなどを確認してから接続しましょう」としています。

    掲示が見当たらず、誰が出しているWi-Fiか分からないなら、それだけで見送る理由になります。この記事の前半で見た筋書きは、ここで入口をひとつ閉じられます。

  2. STEP

    設定画面の名前が、案内と同じかを見比べます。

    見るのは掲示に書かれた名前と、一覧に出ている名前が一字一句同じかです。似ているけれど記号や大文字小文字が違う、といったものが並んでいたら、そちらを選ばないでください。

    「SSIDを確認すること」を利用者へ伝えている提供者は、先ほどの提供者側の調査では18%でした。案内されないのがふつうなので、こちらから見に行きます。

  3. STEP

    自動でつながらないようにしておきます。

    資料は「自宅や職場のWi-Fiなど日常的に利用するSSID以外は自動接続する設定を無効化しましょう」と書いています。自動でつながってしまうと、前の2つを見る機会そのものがなくなるためです。

    iPhoneの場合は、Wi-Fiネットワークの設定を削除する/デバイスが自動接続するのを防ぐ(Apple)に手順が書かれています。

    • 「設定」を開いて「Wi-Fi」をタップする
    • 画面の隅の「編集」をタップして、これまでにつないだネットワークを表示する
    • 対象のネットワークの横にある詳細情報ボタンをタップして、「自動接続」をオフにする

    同じ画面の「このネットワーク設定を削除」でも構いません。Appleは削除について「手動でネットワークに接続しない限り、デバイスが自動的にネットワークに接続することはなくなります」と書いています。

    Androidの手順はこの記事では書きません。メーカーごとに画面と呼び名が違い、1つの出典で言い切れないためです。Wi-Fiの設定を開いて、そのネットワークごとの詳細を見てください。自動でつなぐかどうかの切り替えは、たいていそこにあります。

3つとも機器の知識はいりません(掲示を読む・名前を見比べる・スイッチをひとつ切るだけです)。判断に迷ったときの基準も資料に書いてあります。「少しでも不審な点があれば、利用を控える判断も必要です」。使わないという選択肢を、いつでも持っていてよいということです。

フリーWi-Fiで避けたい操作と、やってよい操作

つないだあとの話に移ります。ここで効いてくるのが、Wi-Fiの暗号化とHTTPSは守っている区間が違うという事実です。

簡易マニュアルは、Wi-Fi側についてこう書いています。

Wi-Fiの暗号化も重要ですが、守られるのは無線区間だけです。Wi-Fiルーターから先は守られません。HTTPS通信ならアクセス先のサーバまですべて暗号化されるので、仮にWi-Fiが暗号化されていない場合でも、悪意をもった第三者から通信内容を保護することが可能です

引用にある「Wi-Fiルーター」は、お店や駅では先ほどのアクセスポイントのことです。整理すると、こうなります。

守っているもの守っている区間
Wi-Fiの暗号化(鍵マーク)手元の機器 → アクセスポイントまで
HTTPS(URLの「https://」)手元の機器 → 相手のサーバーまで
2つの暗号化が守る区間を、長さの違う2本の帯で比べた図解。下段に手元の機器・アクセスポイント・相手のサーバーが横一列に並び、その上に白い横長の帯が2本ある。上の帯は左端からアクセスポイントの上までで止まり、下の帯は同じ左端からサーバーの上まで届いている。図には「守っている区間が違う」「Wi-Fiの暗号化」「HTTPS」と書かれている。

2つは同じ「暗号化」でも、届いている距離がまったく違います。Wi-Fi側は最初の1区間だけで、その先のインターネットは含みません。

ここから、2つのことが同時に言えます。ひとつは、鍵つきのWi-Fiでも安心の材料にはならないこと。もうひとつは、鍵がないWi-Fiだからといって、何もかも読まれるわけではないことです。

資料が「仮にWi-Fiが暗号化されていない場合でも」と書いているとおり、見るべきものはWi-Fiの鍵マークよりブラウザのURLのほうです。

線を引く基準は「周囲に見られても構わないか」

では、何をしてよくて何を避けるのか。資料は、暗号化がない場合やWEPの場合について次の書き方をしています。

個人情報やオンラインサービスのログイン情報の入力などの周囲に見られてはいけない情報を扱うような利用は避け、通信内容が周囲に見られても構わない場合に限って利用しましょう。

そして資料は、この基準の射程を自分で広げています。同じページに「「WPA」や「WPA2」でも、暗号化キーが知られていると傍受される可能性があります」とあるからです。合いことばが壁に貼ってあるフリーWi-Fiは、まさにこれに当たります。

これは禁止リストではなく、判断の基準です。「銀行はだめ」「動画はよい」と丸暗記しなくても、いま画面でやろうとしていることが、周囲に見られても構わない内容かを自分に聞けば決まります。

当てはめると、こうなります。

やること周囲に見られても構わないか判断
地図・時刻表・ニュースを見る構わない使ってよい
動画やアプリの更新を落とす構わない使ってよい
IDとパスワードを入力する困る避ける
住所・カード番号を入力する困る避ける
仕事のファイルを開く困る避ける

ここでひとつ、分けておきたいことがあります。「見られる」には、通信の中身を読まれることと、画面を隣の席から見られることの2つがあります。

さきほど見たとおり、通信の中身のほうはHTTPSが相手のサーバーまで守ります。いっぽう、画面に映っているものは、どんな暗号化でも守れません。仕事の資料を外で開くのが落ち着かないのは、こちらの理由であることもあります。

そして、会社の資料には会社の決まりがあります。決まりがあるなら、Wi-Fiが安全かどうかより先にそちらが効きます。この記事で扱えるのは通信の側だけです。

避けたいことが出てきたときは、フリーWi-Fiを切って携帯回線に切り替えれば済みます。パソコンなら、スマートフォンの電波を分けてもらうテザリングという方法もあります。全部をあきらめる必要はありません。

入力する前に、URLを見る

それでも入力が必要になる場面はあります。フリーWi-Fiの利用登録そのものが、IDの入力を求めてくることもあります。

資料は、入力画面が出たときに見る点を2つ挙げています。ひとつはURLが「https://」で始まっているか。もうひとつはURLが正しいか(いつもと変わらないか)です。

資料は「または、ブラウザに鍵マークが表示されているか」とも書いていますが、この印はブラウザによって形も呼び名も違います。たとえばGoogleは、サイトの接続が安全かどうかを確認する(Google Chrome ヘルプ)で、正しいサイトかどうかは「アドレスバーでサイト名を確認」して確かめるよう案内しています。印を探すより、URLそのものを読むほうが確実です

そして、先頭が「https://」なら安心、とはならない理由も添えられています。

HTTPS通信をしていても、本物のURLに巧妙に似せた偽URLの場合があるため、URL全体を確認するようにしましょう。スマートフォンの場合、デフォルトではURL全体が表示されないことがあるため注意が必要です。

大事なのは、偽物のページも「https://」で始められることです。この印は「通信が守られている」ことを示すだけで、「相手が本物だ」という印ではありません。だから、URLは先頭だけでなく全体を読みます。

スマートフォンでは、アドレス欄をタップするとURL全体が出るブラウザもあります。出ない場合は、無理に入力せず後回しにするほうが安全です。

「接続が安全ではありません」と出たとき

資料は、この表示が出たら「IDなどの入力は大変危険です」としたうえで、通信が中断した場合にも起きると書いています。まずは再読み込み、ブラウザの再起動、Wi-Fiを一度オフにして再びオンにする、を試します。

それでも同じなら、そのWi-Fiは使わない。「それでも同じ状況であれば、その公衆Wi-Fiを利用しない判断も必要です」と書かれています。

なお資料の注記によれば、ログイン画面を強制表示する仕組み(キャプティブポータル)を使っている事業者では、ブラウザの設定によってこの表示が出てしまうことがあります。出た=必ず偽物、ではありません。

ブラウザではなく、アプリを使うときは

ここまではブラウザの話でした。では、地図アプリやSNSのアプリはどうなのでしょうか。

資料は、この点を正直に書いています。

スマートフォンで、ブラウザ以外のアプリから通信を行う場合は、アプリが行う通信がHTTPS 通信かどうかを利用者が判断することは困難ですが、公式ストアからインストール可能なアプリにHTTPS通信を義務付ける動きもあるため、大半のアプリはHTTPS通信を行っています。心配な場合は、外出先のWi-Fiではブラウザの利用だけにとどめることも一つの方法です。

つまり、アプリは中を見せてくれないので確かめるのが難しい。ただし大半はHTTPSで通信している、というのが現状です。

ですから、アプリについても線引きは同じで構いません。地図や乗換案内は使ってよく、支払いやログインはやめておく。どうしても気になるなら、資料が書いているとおり外ではブラウザだけにとどめるという手もあります。

パソコンでつなぐなら、メールソフトと共有の設定を見る

まず、パソコンでメールソフトを使っている場合は、資料が「暗号化のための設定変更」を勧めています。そのうえで「よく分からない場合や設定を変更することで利用に差し支える場合は、外出先ではブラウザからWebメールを使うなど、利用をブラウザのみに限定することも一つの方法です」としています。

もうひとつ、パソコンには同じネットワークの中で、ほかの機器とファイルをやりとりする機能があります。

自宅や職場では便利な機能です。しかしフリーWi-Fiでは、隣の席の人も同じネットワークにいます。

資料は、提供者側に対して端末どうしの通信を禁止することが推奨されているとしたうえで、利用者側にもこう書いています。

すべての公衆Wi-Fiが端末同士の通信を禁止しているとは限らないため、利用者としてもパソコンを公衆Wi-Fiに接続して利用する際には共有フォルダの無効化や認証機能の有効化などの対策を行いましょう。

外出先では、共有そのものを切っておくのが分かりやすい方法です。

パソコンでは、新しいネットワークにつないだときにほかの機器から自分を見つけられるようにするかを聞かれることがあります。外出先では断るほうを選んでください。文言や場所は機種と世代で違うので、迷ったらネットワークの設定の中で共有に関する項目を探します。

災害のときに出てくる「00000JAPAN」は別もの

最後に、性質の違うWi-Fiにも触れておきます。

大きな地震や通信障害のときに、通信事業者がWi-Fiを無料開放することがあります。そのときのSSIDが「00000JAPAN」(ファイブゼロ・ジャパン)です。合いことばなしで、誰でもつなげます。

資料の注記は、その性格をはっきり書いています。

ただし、利便性を最優先して一切の認証なし・暗号化なしで提供されます。そのため、情報入手のための利用にとどめるなど、利用にあたっては十分ご留意ください。災害時に限られた通信手段を譲り合って利用する観点からも、必要最小限の利用にとどめるようにしましょう。

安全にしたものではなく、つながることを最優先にしたものだということです。この記事の基準をそのまま当てれば、安否の確認や情報を読むのはよく、ログインや入力は避ける、となります。

まとめ

この記事では、フリーWi-Fi(公衆Wi-Fi)で何を見て、何をしてよくて何を避けるのかを解説しました。

  • 警戒の入口は偽のアクセスポイント。名前は自由に付けられるので、よく知っている名前でも偽物がありうる
  • 合いことばを配るタイプでは、つないだ人全員が同じ鍵を持つ。しかも合いことばは61%が利用場所に掲示されている(提供者への調査・n=482)。自宅では十分な方式でも、外では意味が変わる
  • つなぐ前に見るのは3つ。誰が出しているか名前が案内と同じか自動接続を切ってあるか。不審なら使わない判断でよい
  • Wi-Fiの暗号化はアクセスポイントまで、HTTPSは相手のサーバーまで。見るのはWi-Fiの鍵マークよりブラウザのURL
  • 線引きは「周囲に見られても構わないか」のひとつだけ。ただし通信の中身はHTTPSが守れても、画面に映っているものは守れない。入力が必要ならURL全体を見て、それでも不安なら携帯回線に切り替える
  • アプリは中身を確かめるのが難しいが、資料は「大半のアプリはHTTPS通信を行っています」としている。線引きは同じで、気になるなら外ではブラウザだけにとどめる
  • パソコンなら共有の設定も見る。災害時の00000JAPAN は認証なし・暗号化なしで、情報を得るための利用にとどめる

次に外でWi-Fiにつなぐときは、掲示を1枚読んで、名前を見比べるところからで十分です。あとは、いまやろうとしていることを自分に聞くだけです。

参考: 公衆Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル(令和7年2月版)(総務省・PDF)

参考: 令和7年度 無線LAN利用者実態調査 概要版(総務省・PDF)

参考: 令和7年度 無線LAN提供者実態調査 概要版(総務省・PDF)

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