スマホを落として画面が真っ暗になった。水に濡れて電源が入らない。そんなとき、まず頭に浮かぶのは、中に入っていた写真や連絡先ではないでしょうか?
「バックアップは自動で取ってくれているはずだから、大丈夫…だよね?」
実は、修理から戻ったスマホは中身を戻し直す必要があることがあり、端末補償で交換した新しい1台には、前の中身は入っていません。戻す材料は、壊れる前に取っておいた控え(バックアップ)だけです。そして、その控えは「取れているはず」でも、いざ戻そうとすると開けない、もう残っていない、ということがあります。
この記事では、ITやネットワークに詳しくない方でもわかるように、スマホのバックアップに入るもの・入らないもの、自動で取れる条件、控えを開ける鍵、控えの期限を、壊れる前に確かめられる形で解説します。
前のスマホが壊れて使えなくなった場合に備える話です。前のスマホが手元で動くうちの機種変更なら、前のスマホから直接移す方法も案内されています。iPhoneでは、手元の別のiPhoneを使って新しいiPhoneを設定する「クイックスタート」があります(クイックスタートを使って新しいiPhoneやiPadにデータを転送する(Apple))。Androidでは、前のスマホから新しいスマホへアプリとデータを直接コピーできます(Android デバイスから新しい Android デバイスにアプリとデータをコピーする(Google))。
壊れる前に確かめるのは3つです。控えが最後にいつ取れたか、控えを開ける鍵がスマホの外にあるか、そして控えの期限(壊れたら、いつまでに戻せばよいか)。
自動の控えは、条件がそろったときにしか取られません。iPhoneは、電源とWi-Fiにつながり、画面がロックされているときです。止まっていないかは、iPhoneなら「最後のバックアップ」の日時で確かめます。
控えから戻すには、壊れた1台とは別に鍵が要ります。iPhoneはApple Account(以前のApple ID)のパスワードと、確認コードを受け取れる先。AndroidはGoogleアカウントのパスワードで、前のスマホの画面ロックを求められることもあります。確認コードの受け取り先が壊れた1台だけだと、控えがあってもすぐには開けず、アカウントの復旧で数日以上待つことがあります。
控えには期限もあります。Androidは57日使わないと控えが消え、iPhoneは180日控えが取れないと消されることがあります。壊れたら、新しい1台で早めに戻します。もう壊れてしまった人は、後半の見出し「もう壊れてしまったら、バックアップから復元する順番」から読んでください。
目次
スマホのバックアップに入るもの・入らないもの

スマホのバックアップは、中身を丸ごと写し取ったコピーだと思われがちです。でも実際には、控えに入るものと入らないものがあります。
Appleは、iPhoneのバックアップについて「本体に保存されている情報と設定内容のうち、iCloudにまだ同期されていないものがすべて入っています。」と説明しています(iCloudバックアップの対象となるもの(Apple))。裏を返すと、iCloudと同期しているものは、控えには入りません。
Androidでは、Googleが、自動でバックアップされるものとして、アプリとアプリデータ・通話履歴・連絡先・デバイスの設定・SMSメッセージなどを挙げています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。
写真やメッセージは「同期」で預けていれば、控えには入らない
同期とは、スマホとクラウドに同じものを置き、片方の変更をもう片方にも反映させる使い方です。Appleは、iCloud写真を使っている場合「写真、ビデオ、顔情報はiCloudに自動的に同期されるので、日々のバックアップの対象にはなりません。」と書いています(iCloudバックアップの対象となるもの(Apple))。「iCloudにメッセージを保管」を使っているときのメッセージも同じです。iCloud写真を使っているかは、「設定」で自分のユーザ名をタップし、「iCloud」>「写真」と開いた先の「この[デバイス]を同期」がオンかで分かります(iCloud写真を設定・使用する(Apple))。
Androidでは、Googleは、Googleフォトを使っている場合の写真と動画も、バックアップされるものに挙げています。ただし置き場所はGoogleフォトで、新しいスマホへ移す説明の中では「写真と動画はすでに Google フォトに保存されています。」と書いています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。
控えに入らないからといって、消えるわけではありません。控えとは別の場所に、もう預けてあるということです。ただし同期は、スマホで消したものがクラウドからも消える使い方です。同期と控えの違いは、クラウドストレージの記事で説明しています。
アプリの中身は、アプリによって控えに入らないことがある
iPhoneでは、アプリのデータは控えに入ります。Appleは「デバイスにダウンロードしたアプリのデータは、iCloudバックアップの対象です。」と書き、ソーシャルメディアアプリやゲーム、メッセージングアプリのデータが当たるとしています(iCloudバックアップの対象となるもの(Apple))。ただし、アプリがiCloud Driveにデータを置いている場合は、控えではなくiCloudのほうに保管されます(iCloudバックアップの対象となるもの(Apple))。
Androidは、アプリしだいです。Googleは「アプリによっては、一部の設定やデータのバックアップや復元ができないことがあります。」と書いています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。新しいAndroidにデータをコピーするときも、コピーされないものとして「Android バックアップを使用していないアプリのデータ」を挙げています(Android デバイスから新しい Android デバイスにアプリとデータをコピーする(Google))。
どのアプリが控えに入るかは、アプリの会社がいちばんよく知っています。Googleも、同じ注意書きの続きで「アプリの詳細については、デベロッパーにお問い合わせください。」と書いています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。なくすと困るアプリは、アプリのヘルプで、機種変更のときの引き継ぎ方を見ておきます。
おサイフケータイ・交通系の残高は、別の手続きで移す
電子マネーや交通系ICカードの残高は、ふつうの控えとは別の扱いです。
ドコモは、おサイフケータイについて「ICカード内データの移行や削除などをお客さまご自身で行っていただく必要がございます。」と案内しています(機種変更・故障・紛失|おサイフケータイ(NTTドコモ))。サービスによっては「機種変更する前の機種または故障機(移行元)にて事前設定が必要」で、行わなかった場合は「変更後の端末で継続利用できないことや、再発行手数料がかかる場合があります。」としています(機種変更・故障・紛失|おサイフケータイ(NTTドコモ))。
壊れて前の機種で手続きできないときは、それぞれのサービスの会社に問い合わせるよう案内しています(機種変更・故障・紛失|おサイフケータイ(NTTドコモ))。手続きの中身はサービスごとに違うので、使っている電子マネーの案内を見ておきます。
iPhoneのウォレットに入れた交通系ICカードは、Apple Accountと結びついています。前のiPhoneが手元で動くうちに新しいiPhoneへ移すときについて、Appleは「以前のデバイスが近くにあり、インターネットに接続されていないと、新しいデバイスに移行することはできません。」と書いています(交通系ICカードをAppleウォレットに追加する(日本)(Apple))。一方で、「交通系ICカードはデバイスから削除しても残高が保存され」、同じApple AccountでiCloudにサインインすれば、Apple Payに追加し直せるとも書いています(交通系ICカードをAppleウォレットに追加する(日本)(Apple))。
前のiPhoneが壊れて使えないときにどちらの道になるかは、この案内には書かれていません。ただ、どちらの道も、Apple Accountにサインインできることが前提です。この「サインインできるか」が、「バックアップを開ける鍵は、スマホの外に控えておく」で扱う鍵の話につながります。
自動のバックアップは、条件がそろったときだけ動く

「自動で取ってくれている」は、半分は正しく、半分は思い込みです。自動の控えは、決まった条件がそろったときにだけやってくる回収便のようなものです。条件がそろわない日は、回収に来ません。
iPhoneについて、Appleは「iPhoneが電源とWi-Fiに接続され、ロックされているときに、毎日iPhoneのバックアップがiCloudに自動作成されます。」と書いています(iPhoneのバックアップを作成する(Apple))。充電しながら、Wi-Fiにつないで、画面を閉じて置いておくとき(多くの人は夜)に取られる、ということです。5Gに対応した機種では、通信会社によって、モバイル回線で控えを取れる設定が用意されている場合がある、とも書いています。
Androidは、端末全体の控えがどんな条件で動くかが、ここで引いたGoogleのヘルプには書かれていません。アプリのデータの自動バックアップについては、アプリの開発者向けの資料が条件を挙げています。「前回のバックアップから少なくとも 24 時間経過している。」「デバイスがアイドル状態である。」「デバイスが Wi-Fi ネットワークに接続されている(デバイスのユーザーがモバイルデータのバックアップを有効にしていない場合)。」などで、「実際には、これらの条件はほぼ毎晩満たされます」と書いています(自動バックアップでユーザーデータをバックアップする(Android Developers))。
容量がいっぱい・Wi-Fiにつながらないと、バックアップは止まったまま
条件のどれかが欠けると、控えは取られません。困るのは、止まっていても、ふだん使っているぶんには気づきにくいことです。
よくあるのは、預け先の容量です。iCloudは「無料で5GB分のストレージ」を使えますが、この容量は控えのほか、iCloud写真やiCloud Driveにも使います(Apple製デバイスでiCloudストレージを管理する(Apple))。どのくらい使っているかは、iPhoneの「設定」か、iCloud.comで確かめられます(Apple製デバイスでiCloudストレージを管理する(Apple))。Googleアカウントは「最大 15 GB のストレージを無料でバックアップできます。」とされています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。
iPhoneで容量が足りないと、警告が出ます。Appleは、その場合、不要な情報を削除してバックアップのサイズを減らすか、iCloud+のプランで容量を増やすよう案内しています(iCloudにバックアップできない場合(Apple))。
Wi-Fiも条件の1つです。家にWi-Fiが無い、Wi-Fiにつながらない日が続くと、iPhoneの控えは取られないままになります(モバイル回線で控えを取る設定を使っていない場合)。前回のバックアップが完成しなかったというメッセージが出たときも、Appleは、まずWi-Fiにつながっているかを確かめ、別のWi-Fiでも試すよう案内しています(iCloudにバックアップできない場合(Apple))。Wi-Fiそのものが不安定なら、Wi-Fiが繋がらない原因を先に切り分けます。
バックアップがオンか、「最後のバックアップ」の日時を見る
まず、バックアップがオンになっているかを見ます。そのうえで、止まっていないかを確かめる手早い方法は、最後に控えが取れた日時を見ることです。
iPhoneでは、「設定」>「[自分の名前]」>「iCloud」>「iCloudバックアップ」と開き、「この[デバイス]をバックアップ」がオンになっていることを確かめます(iCloudでiPhoneやiPadをバックアップする方法(Apple))。Appleは「「今すぐバックアップを作成」の下に、最後のバックアップの作成日時が表示されます。」と書いています(iCloudでiPhoneやiPadをバックアップする方法(Apple))。日時が何日も前なら、どこかで止まっています。電源とWi-Fiにつないで「今すぐバックアップを作成」をタップし、終わるまでWi-Fiにつないだままにしておきます。
Androidでは、設定アプリの[Google サービス]から[バックアップ]がオンになっているかを見て、[バックアップの詳細]で、何がバックアップされているかを確かめられます(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。Googleのヘルプには、最後に取れた日時が出るとまでは書かれていないので、日時が出るかどうかは自分の機種の画面で確かめてください。
バックアップを開ける鍵は、スマホの外に控えておく

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。控えはクラウドの金庫に入っていて、開けるには鍵が要ります。その鍵が壊れたスマホの中にしか無いと、金庫はあってもすぐには開けられません。
iPhoneは、Apple Accountのパスワードと2ファクタ認証の確認コードが要る
Appleは、控えから戻す手順の中で「バックアップにアクセスするには、Apple Accountにサインインします。」と書いています(iPhone、iPad、iPod touchをバックアップから復元する(Apple))。Apple Accountは、以前のApple IDのことです(Apple Account(Apple))。
Apple Accountには、2ファクタ認証という仕組みがあります。簡単に言うと、パスワードに加えて、もう1つの確認(6桁の確認コード)でも本人だと確かめる仕組みです。新しいiPhoneで初めてサインインするときは、パスワードと、「信頼済みのデバイスに自動的に表示される、または信頼済みの電話番号に送信される6桁の確認コード」が要ります(Apple Accountの2ファクタ認証(Apple))。
信頼済み(信頼できる)デバイスとは、2ファクタ認証を使って自分のApple Accountにサインインしているデバイスのことです(Legal – iCloud(Apple))。ふつうは、壊れたiPhoneもその1台です。ほかの信頼できるデバイスが手元に無いときは、信頼済みの電話番号に、確認コードをテキストメッセージ(SMS)か電話で受け取れます(確認コードを入手して2ファクタ認証でサインインする(Apple))。
Androidは、Googleアカウントのほか、前のスマホの画面ロックを求められることがある
Googleは、新しいAndroidに切り替える手順の中で「以前のデバイスをもうお持ちでない場合は、データの復元に Google アカウントとパスワードが必要になります。」と書いています(新しい Android デバイスに切り替える(Google))。
さらに、控えの一部は、前のスマホの画面ロックで守られています。Googleは「一部のデータは、デバイスの画面ロック用の PIN、パターン、パスワードを使ってエンドツーエンドで暗号化されます。」と書いています(Android デバイスのデータをバックアップ、復元する(Google))。簡単に言うと、前のスマホの画面ロックを知らなければ中身を読めない形で、控えを預けているということです。
そのため、戻すときに前の画面ロックを聞かれることがあります。Googleは、復元するバックアップを選ぶ場面について「セキュリティのため、以前のデバイスの PIN、パターン、またはパスワードの入力が必要になることがあります。」と書いています(新しい Android デバイスに切り替える(Google))。
ふだん指紋や顔でロックを解いていると、PINやパターンを長いあいだ入れていないかもしれません。壊れる前に、思い出せるかを1回確かめておきます。
確認コードを受け取れる先を、壊れる1台のほかにも用意する
いちばん危ないのは、確認コードを受け取れる先が、壊れた1台しかない場合です。Appleは、こうはっきり書いています。
「お使いのiPhoneが唯一の信頼できるデバイスであり、かつ信頼できる電話番号にアクセスできる唯一のデバイスである場合に、そのiPhoneを紛失したり破損したりすると、アカウントへのアクセスに必要な確認コードを受け取れなくなります。」(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))
金庫の鍵を、金庫と一緒に燃えてしまう引き出しにしまっているようなものです。対策としてAppleは、複数の電話番号を持っている場合は、と前置きしたうえで、「iPhoneに関連付けられていない電話番号を、追加の信頼できる電話番号として使用することを検討してください」と書いています(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))。同じiPhoneに入れた2つ目の番号(デュアルSIM)は、そのiPhoneが壊れると、一緒に受け取れなくなることがあります。
番号を足す場所は、iPhoneの「設定」で自分のユーザー名をタップし、「サインインとセキュリティ」>「2ファクタ認証」と進んだ先です。デバイスと電話番号の一覧の下にある「Add Trusted Phone Number」(信頼できる電話番号を追加)から足せます。Appleの案内では、この項目名が英語のまま書かれています。パソコンのブラウザでも、account.apple.comの「サインインとセキュリティ」から追加できます(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))。
Androidで、Googleアカウントの2段階認証(Appleの2ファクタ認証と同じ考え方の仕組み)を使っているなら、バックアップ コードを作っておけます。バックアップ コードは、ログインのための予備のコードで、データの控えとは別のものです。Googleは「バックアップ コードを作成しておくと、スマートフォンを紛失した場合や電話番号を変更した場合など、テキスト メッセージ、通話、Google 認証システムでコードを取得できない場合に便利です。」と書き、10個のコードを印刷して「パスポートやその他の重要な書類を保管している場所」にしまえるとしています(バックアップ コードを使用してログインする(Google アカウント ヘルプ))。1つのコードは、1回使うと無効になります。
壊れたのがスマホだけなら、確認コードを受け取っていた電話番号は、新しいスマホに移せることがあります。Googleは「スマートフォンを紛失した場合は、電話番号を新しいスマートフォンまたは SIM カードに移行するよう携帯通信会社に依頼できます。」と案内しています(2 段階認証プロセスに関する一般的な問題を解決する(Google アカウント ヘルプ))。Appleも、信頼できる電話番号を一時的に使えないだけなら「数日後にこれらが使用可能になるまで待つことが、最も早くアカウントにアクセスする方法です。」と書いています(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))。
番号の移し方は、SIMカードかeSIMか、どの通信会社かで違うので、通信会社の案内を確かめます。eSIMを消してしまったときの再発行の窓口と手数料は、大手4社についてeSIMの記事で並べています。
電話番号も使えないままなら、Apple Accountでは、アカウントの復旧という手続きで待つことになります。Appleは「アカウント復旧には数日(あるいはそれ以上)かかることがあります。」と書き、問い合わせても短くできないとしています(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))。
なお、iCloudの「高度なデータ保護」をオンにしている人は、Appleでもデータの復旧を手伝えません。復旧キーか、復旧用の連絡先も鍵になります(Legal – iCloud(Apple))。
スマホの外に控えておく鍵を、まとめると次のとおりです。紙に書いて家の決まった場所にしまう、家族に置き場所を伝えておく、など、壊れた1台が無くても取り出せる形にします。
| スマホ | スマホの外に控えておく鍵 |
|---|---|
| iPhone | Apple Account(メールアドレスか電話番号)とパスワード/確認コードを受け取れる、壊れる1台とは別の電話番号 |
| Android | Googleアカウントとパスワード/前のスマホの画面ロック(PIN・パターン・パスワード)/2段階認証を使っているなら、バックアップ コード |
バックアップには期限がある — 使わないスマホの控えは57日・180日で消えることも

控えは、預けておけばいつまでも残るわけではありません。壊れたスマホは控えを取り直せないので、時計だけが進みます。
Androidは、57日使わないとバックアップが消える
Googleは「デバイスを 57 日間使用しなかった場合も、バックアップしたデータ(写真と動画を除く)が削除されます。」と書いています(デバイスのバックアップ(Google One ヘルプ))。同じページで「バックアップは、デバイスを使用している間は維持されます。デバイスを 57 日間以上使用しないと、バックアップを利用できなくなります。」とも書いています(デバイスのバックアップ(Google One ヘルプ))。
57日は、2か月足らずです。修理や補償の交換を待つあいだ、新しいスマホを買うかどうか迷っているあいだにも、この日数は減っていきます。
iPhoneは、180日バックアップが取れないと消されることがある
iCloudの利用規約には「デバイスが180日間iCloudにバックアップされていない場合、Appleは、そのデバイスに関連する一切のバックアップを削除する権利を留保します。」とあります(Legal – iCloud(Apple))。「権利を留保」は、消してもよいことになっている、という意味で、180日で必ず消えるとまでは書いていません。
自分でiCloudバックアップをオフにした場合は、Appleのサポートページが「iCloudに保存されているバックアップは180日間保管された後、削除されます。」と書いています(iCloudバックアップの対象となるもの(Apple))。
Androidより長く見えますが、規約の180日は壊れた日からではなく、最後に控えが取れた日から数える形です。容量がいっぱいで何か月も控えが止まっていたなら、残りはそのぶん短くなります。
バックアップの中身を全部戻せるのは、新しいスマホを使い始めるとき
もう1つの期限は、戻すタイミングです。控えから戻すのは、基本は新しいスマホを最初に設定するときです。
Appleは、iCloudバックアップから戻す手順の前に「すでにデバイスを設定済みの場合は、以下の手順を実行する前にデバイスを消去してください。」と書いています(iPhone、iPad、iPod touchをバックアップから復元する(Apple))。Googleは、バックアップしたデータは「新しいデバイスを初めてセットアップする際や、デバイスをセットアップした後に復元できます。」と書く一方で、「一部のデータ(アプリデータ、設定データ、メッセージなど)は、デバイスのセットアップ時にのみ復元が可能です。」とし、あとから戻すには出荷時の設定にリセットしてからセットアップするよう案内しています(デバイスのバックアップ(Google One ヘルプ))。
新しいスマホを、控えから戻さずに「とりあえず」使い始めると、iPhoneの控えや、Androidのアプリのデータ・設定・メッセージなどは、あとで戻すには、いったん中身を消して設定からやり直すことになります。
修理から戻ってきたiPhoneにも注意があります。Appleは、修理のあとに新しいデバイスとして設定すると「保存されているiCloudバックアップを置き換えるiCloudバックアップが作成されます。」と書き、前の控えから戻すなら「できるだけ早く復元を行ってください」と案内しています(iPhone、iPad、iPod touchをバックアップから復元する(Apple))。
壊れる前に確かめる順番と、壊れてしまったらすること

ここまでの話を、確かめる順に並べます。タイトルの3つ(最後に取れた日時・鍵・期限)は STEP 1・3・4 で、STEP 2 に、控えに入らないものの確認を足しています。はじめの3つは、スマホが動いているうちに済ませておくのが確実です。
- STEP
最後のバックアップの日時を見る
iPhoneは「iCloudバックアップ」の画面で、バックアップがオンかと、最後のバックアップの作成日時を見ます。Androidは[バックアップ]がオンかと、[バックアップの詳細]で何がバックアップされているかを見ます。何日も止まっていたら、容量とWi-Fiを確かめ、iPhoneなら電源とWi-Fiにつないで「今すぐバックアップを作成」をタップします。
- STEP
控えに入っていないものを確かめる
写真やメッセージを同期で預けているか、なくすと困るアプリの引き継ぎ方、おサイフケータイ・交通系ICカードの移し方を見ておきます。
- STEP
鍵をスマホの外に控える
アカウントのパスワードと、Androidなら画面ロックを、スマホの外に控えます。iPhoneは、壊れる1台とは別の電話番号を信頼できる電話番号に足し、Androidで2段階認証を使っているなら、バックアップ コードを印刷してしまっておきます。
- STEP
壊れたら、新しい1台で早めに戻す
Androidは57日使わないと控えが消え、iPhoneは最後に控えが取れてから180日たつと消されることがあります。修理や交換、買い直しで新しい1台が手に入ったら、最初の設定のときに控えから戻します。修理から戻ったiPhoneも、新しいデバイスとして設定する前に、控えから戻すかを決めます。
もう壊れてしまったら、バックアップから復元する順番
もう壊れてしまったなら、次の順に進めます。
まず、確認コードを受け取っていた電話番号を、新しいスマホで使えるようにします。番号の移し方は、通信会社の案内を確かめます。
次に、新しいスマホを最初に設定するときに、控えから戻します。iPhoneはApple Accountに、AndroidはGoogleアカウントにサインインします。Androidは、前のスマホの画面ロック(PIN・パターン・パスワード)も思い出しておきます。
番号を移してもサインインできないときは、アカウントの復旧の手続きに進みます。Googleは「アカウントにログインできない場合は、手順に沿ってアカウントを復元します。」と案内しています(2 段階認証プロセスに関する一般的な問題を解決する(Google アカウント ヘルプ))。Apple Accountの復旧は「数日(あるいはそれ以上)かかることがあります。」とされています(Apple Accountの信頼できる電話番号と信頼できるデバイスについて(Apple))。
どれも、期限の内に済ませます。Androidは57日使わないと控えが消え、iPhoneは最後に控えが取れてから180日たつと消されることがあります。
修理に出すか、補償で交換するかを決めるところなら、補償の使い方と申し込む前にすることを、次の記事で説明しています。
まとめ
この記事では、スマホのバックアップに入るもの・入らないもの、自動で取れる条件、控えを開ける鍵、控えの期限を解説しました。
- 控えに入らないものがある。iCloud写真のように同期しているものは控えではなくクラウドに置かれ、Androidのアプリのデータはアプリによって控えに入らないことがある。おサイフケータイ・交通系の残高は別の手続きで移す
- 自動の控えは、条件がそろったときだけ取られる(iPhoneは電源・Wi-Fi・画面ロック)。容量がいっぱい、Wi-Fiにつながらない(モバイル回線で控えを取る設定を使っていなければ)、なら止まったまま。バックアップがオンかを見たうえで、iPhoneは最後のバックアップの日時で確かめる
- 控えを開けるには鍵が要る。iPhoneはApple Accountのパスワードと確認コードの受け取り先、AndroidはGoogleアカウントのパスワードで、前のスマホの画面ロックを求められることもある。確認コードの受け取り先を、壊れる1台のほかにも用意する。壊れたあとなら、通信会社に頼んで電話番号を新しいスマホに移せることがある
- 控えには期限がある。Androidは57日使わないと消え、iPhoneは180日控えが取れないと消されることがある。控えの中身を全部戻せるのは新しいスマホを設定するときなので、壊れたら早めに戻す
今夜、充電しながら寝る前に、最後のバックアップの日時と、確認コードを受け取れる先を1回だけ見てみてください。壊れてからでは確かめられないことを、壊れる前に確かめられます。



