グローバルIPアドレスの調べ方|ipconfigで出るのは家の中の住所

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取引先や社内のシステム担当から、「アクセス元のIPアドレスを教えてください」と言われて困ったことはありませんか。

調べ方を検索して、コマンドプロンプトに「ipconfig」と打ってみた。出てきた「192.168.1.5」という数字を、そのまま返信しようとしている。

実はその番号、外の相手には届きません。家の中でしか通じない住所だからです。

グローバルIPアドレスとは、インターネットの側から見えている、あなたの回線の住所のことです。相手が知りたいのは、ふつうこちらです。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、グローバルIPアドレスの調べ方と、送る前に「これは家の中の番号ではないか」を自分で見分ける方法を解説していきます。

先に結論
  • 調べ方… ブラウザで「確認サイト」を開くだけ。コマンドは使いません
  • 送る前の確認… その数字が 192.168・10・172.16〜31 で始まっていたら、それは家の中だけの番号です

グローバルIPアドレスとは?外から見えている1つの住所

外向けの住所が1つであることを示す図解。「外から見えているのは、回線に付いた1つの住所」という見出しのもと、左に外の世界を表す濃紺の雲、右に家の形の輪郭があり、その中にノートパソコン・スマートフォン・タブレットが描かれている。雲と家をつなぐ線の途中、家の外側に水色の丸が1つある。左下に「外の世界」、右下に「家の中の機器」のラベル。

まず、住所が2種類あることを押さえておきます。

  • グローバルIPアドレス… 外の世界で通じる住所。ふつうは回線1本につき1つ
  • プライベートIPアドレス… 家や会社の中だけで通じる住所。機器の数だけある

日本のIPアドレスを管理しているJPNICは、グローバルIPアドレスを用語集で次のように説明しています。「インターネット上で一意でなければなりません」。世界中で重複しない、ということです。

マンションにたとえると、建物そのものの住所がグローバルIPアドレス、部屋番号がプライベートIPアドレスです。郵便物は建物の住所あてに届き、そこから管理人が各部屋へ配ります。

ここで大事なのは、外の世界に見えているのは建物の住所だけだということです。あなたのパソコンも、家族のスマートフォンも、外からは同じ1つの住所として現れます(いま広く使われているIPv4という形式の話です。もうひとつのIPv6では事情が違います)。

2種類の住所そのものについてはIPアドレスの記事でくわしく扱っています。この記事では「そのうち外向けのほうを、どうやって知るか」に絞って進めます。

ipconfigで出てくるのはグローバルIPアドレスではない

家の中の番号が外へ出られないことを示す図解。「画面に出ている番号は、外へは持ち出せない」という見出しのもと、左にノートパソコンがあり画面には横棒が数本並んでいる。中央には濃紺の縦長の板が立っていて、パソコンから伸びた矢印がその手前で止まっている。右には外の世界を表す濃紺の雲がある。左下に「192.168 / 10 / 172.16〜31」、右下に「外の世界」のラベル。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

Windowsでipconfigコマンドを打つと、たしかにIPアドレスが表示されます。ところが、そこに出てくる「IPv4 アドレス」は、多くの場合家や会社の中だけで通じる番号です。

192.168・10・172.16〜31 で始まる番号は、家の中だけの住所

見分け方は決まっています。次の3つの範囲に入っていたら、それは家の中だけの住所です。

先頭の見た目範囲よく見かける例
192.168.192.168.0.0 〜 192.168.255.255192.168.1.5 / 192.168.0.10
10.10.0.0.0 〜 10.255.255.25510.0.1.23
172.16.〜172.31.172.16.0.0 〜 172.31.255.255172.20.10.2

この3つは、JPNICの用語集プライベートIPアドレスとして、そのまま同じ数字で載っています。同じ用語集は、その用途をこう書いています。「インターネットと直接通信することのないコンピュータのためのIPv4アドレス」

いまの取り決めは、1996年に出たRFC 1918という文書です。そこには、この範囲の番号を差出人や宛先にしたデータは組織どうしをつなぐ回線の先へ転送すべきではない、と書かれています。

つまり、この3つで始まる番号を外の相手に伝えても、そこには誰も辿り着けません。番号としては正しいのに、外では意味を持たないのです。

マンションの部屋番号だけを書いて手紙を出すようなものです。「305号室」とだけ書かれた封筒は、どこの建物か分からないので届けようがありません。

なお、外で使えない番号はこの3つだけではありません。169.254で始まるものは、番号を配る役がうまく働かなかったときに機器が自分で付ける仮の番号(RFC 3927・2005年)ですし、100.64〜100.127で始まるものは、通信事業者が加入者どうしで分け合うために取ってある範囲(RFC 6598・2012年)です。

覚えきれなくて構いません。画面に出た番号が外向けかどうかを迷ったら、次の章の方法で調べ直すのがいちばん確実です。

ちなみに、これは「IPv4 アドレス」の欄についての話です。同じ画面に出てくる「IPv6 アドレス」は事情が違うので、あとの章で改めて触れます。

パソコンは、自分のグローバルIPアドレスを知らない

では、なぜコマンドで調べられないのでしょうか。打ち方が足りないのではなく、パソコンがその番号を持っていないからです。

Microsoftの公式ドキュメントによれば、ipconfigは「すべてのアダプタのインターネット プロトコル バージョン 4 (IPv4) および IPv6 アドレス、サブネット マスク、およびデフォルト ゲートウェイを表示します」とされています。

表示しているのは、その機器の差込口に設定されている値です。外の世界に問い合わせて、見えている番号を取ってくる動作ではありません。

外向けの住所を持っているのは、パソコンではなくルーターのほうです。JPNICの解説は、その働きをこう書いています。「送信元アドレスがプライベートアドレスである場合に、その送信元アドレスをグローバルアドレスに書き換えます」

先ほどのマンションでいえば、差出人の欄を、管理人が建物の住所に書き直してから投函してくれているようなものです。書き直したことは差出人には伝わりませんから、パソコンの側は最後まで知らないままです。

この書き換えの仕組みはNAT(ナット)と呼ばれます。返事がちゃんと自分に返ってくる理由まで含めて、次の記事で扱っています。

グローバルIPアドレスの調べ方

確認サイトで番号が分かる仕組みの図解。「外から見えている番号は、外の相手に聞くのが早い」という見出しのもと、左のノートパソコンと右の雲の間に、右向きと左向きの矢印が1本ずつ描かれている。雲の手前には白いサーバーの箱があり、パソコンの画面の上には水色の帯が入ったカードが重なっている。左下に「手元のパソコン」、右下に「確認サイト」のラベル。

自分では分からないのなら、見えている相手に聞けばいい。これが答えです。

確認サイトを開くだけで分かる

使うのはブラウザだけなので、WindowsでもMacでも手順は同じです。

  1. STEP

    相手に見せたい回線につないだ状態にする

    会社のシステムに登録するなら会社のネットワークから、自宅からのアクセスを許可してもらうなら自宅のWi-Fiから調べます。調べる場所が違うと、違う番号が出ます

    会社の番号を聞かれた場合は、自分の席のパソコンで調べて構いません。同じオフィスから外に出ていく通信は、ふつう全員が同じ番号になるからです。

    ただし、拠点が複数ある会社では、出口が1つとは限りません。登録を頼む前に、情報システムの担当者に一度確認しておくと確実です。

  2. STEP

    ブラウザで確認サイトを開く

    グローバルIPアドレスを表示するだけのサイトが、いくつも公開されています。開くだけで、いま使っている番号がそのまま表示されます。運営者が明記されているものを2つ挙げておきます。

    検索窓に「IPアドレス 確認」と入れても、同じ働きのサイトが並びます。同じ回線から調べるかぎり、どのサイトでも同じ番号が出ます。特別な計算をしているわけではなく、見えているものをそのまま返しているだけだからです。

    ただし、IPv6のアドレスまで表示するかどうかは、サイトによって違います。相手からIPv6を求められているなら、両方を表示すると書かれているサイトを使ってください。

  3. STEP

    表示された番号を控える

    表示された数字が192.168・10・172.16〜31 のどれでもない並びで始まっていれば、それが外から見えている番号です。英数字とコロン(:)が並んだ長い番号が一緒に出ていることもありますが、そちらはIPv6のアドレスです。この2つの違いは最後の章で扱います。

なぜ、外のサイトを開くだけで分かるのでしょうか。

サイトを見に行くということは、相手に「ここへ返事をください」と差出人を伝えているということです。その差出人欄には、ルーターが書き換えたあとの番号が入っています。

確認サイトは、受け取った差出人欄をそのまま画面に映しているだけです。あなたの機器を調べているわけでも、中を覗いているわけでもありません。

ですので、番号を知られること自体は、ふだんサイトを見るときに起きていることと変わりません。ただし、サイトによっては契約しているプロバイダ名やおおよその地域まで一緒に表示されます。画面を撮って人に見せるときは、その部分も写っていることを頭に入れておいてください。

スマートフォン(iPhone・Android)で調べるとき

スマートフォンでも、やることは同じです。ブラウザで確認サイトを開くだけで、いま使っている番号が表示されます。

注意したいのは、本体の設定画面に出てくるIPアドレスとは別物だということです。設定画面のWi-Fiの欄に出る数字は、その場のWi-Fiの中で使っている番号(多くは192.168で始まります)で、外から見えている番号ではありません。

機種によって画面の場所も表示も変わるので、外向けの番号を知りたいときは設定画面を探すより、ブラウザで開くほうが確実です。

グローバルIPアドレスが変わる・違う番号になる場面

通り道によって番号が変わることを示す図解。「同じ機器でも、通り道が変われば別の番号」という見出しのもと、左のスマートフォンから3本の線が右へ分かれ、上からアンテナ付きのルーター、電波塔、オフィスビルへつながっている。3本の線それぞれの先には水色の丸が1つずつある。左下に「同じスマートフォン」、下の中央に「通り道ごとに別の番号」のラベル。

「昨日調べた番号を伝えたのに、弾かれた」ということが起こります。

グローバルIPアドレスは機器に付いているのではなく、通り道に付いています。同じスマートフォンでも、どこを通って外に出たかで別の番号になります。

  • 自宅のWi-Fi… 家の回線に付いた番号。IPv4なら、家族の機器もすべて同じ番号になる
  • 携帯電話の回線(4G・5G)… 携帯電話会社の設備を通るので、家の番号とはまったく別
  • テザリング… パソコンをスマートフォン経由でつないだ状態。パソコンから調べても、出るのは携帯電話の回線から外に出たときの番号になる
  • 会社のネットワーク… 会社の出口に付いた番号。同じ職場の全員が同じ番号で外に出ている

さらに、通り道をわざと変える仕組みを使っているときも変わります。VPNにつないでいる間は接続先の番号になりますし、プロキシを経由している会社では、その設備の番号が相手に見えます。

ですから、調べるときの原則は1つです。相手がアクセスを受けるときと同じ状態で調べる。会社のシステムに自宅からの接続を許可してもらうなら、自宅から、VPNを使うならVPNにつないだ状態で調べます。

もう1つ知っておきたいのが、回線の種類によっては、この番号を家の外の人と分け合っていることもあるという点です。その場合、同じ番号で外に出ているのは自分の家族だけとは限りません。分け合う仕組みそのものはNATの記事で扱っています。

一度伝えた番号が、使えなくなったとき

場所を変えていないのに、前は通ったのに今日は弾かれる。これもよくあります。

グローバルIPアドレスには、ずっと同じものが使い続けられる「固定IPアドレス」と、つなぎ直しや時間の経過で別のものに変わる「動的IPアドレス」があります。どちらになるかは契約している回線しだいで、申し込みのときに選んでいなければ、自分では気づきにくいところです。

自分がどちらかを確かめる、いちばん手軽な方法はもう一度調べて見比べることです。前に伝えた番号を控えておき、日をおいてから同じ回線で調べ直します。

  • 違っていたら… 変わる契約だとはっきり分かります。相手に伝えた番号はもう使えていません
  • 同じだったら「たまたま変わっていないだけ」の可能性が残ります。同じことをもって「固定だ」とは言い切れません

つまり、この方法で分かるのは「変わる」ほうだけです。それでも、弾かれた理由が番号の変化なのかどうかを切り分けるには十分役に立ちます。IPアドレスが変わる場面についてはIPアドレスの記事のよくある質問でも触れています。

グローバルIPアドレスを人に伝えるときの注意

番号に情報を添えて渡すことを示す図解。「番号だけでなく、どの通り道からのものかを添える」という見出しのもと、中央に白いカードがあり、上に水色の太い帯、その下に濃紺の細い線が2本引かれている。カードの左上には書類用のクリップが留められ、右には濃紺の封筒が置かれている。下に「どの回線から出たときの番号か」のラベル。

番号が分かったら、あとは送るだけ……の前に、3つだけ確かめておくと行き違いが減ります。

1つめは、どの通り道から出たときの番号かを添えることです。「自宅の回線から」「会社のオフィスから」の一言があるだけで、相手は登録先を間違えません。

2つめは、相手が求めているのが「ずっと変わらない番号」ではないかを確かめることです。アクセス制限の機能は、番号が変わらないことを前提にしているものがあります。たとえばfreeeのヘルプは、IPアクセス制限についてこう案内しています。

  • 「プロバイダーと固定IPアドレスを契約している場合に有効です。動的IPアドレス(アクセスの度にIPアドレスが異なる)環境では利用できません」

つまり、いま調べた番号を登録すれば済む、とは限りません。番号が変わる契約のままだと、しばらくして急に入れなくなります。この点は、登録をお願いする前に相手に聞いておくほうが早いです。

3つめは、その番号から何が分かるのかを知っておくことです。グローバルIPアドレスは公開された情報から辿れるようになっていて、JPNICのWHOISで調べられます。同ページは、調べられる情報を「IPアドレスの割り当て先組織、割り振り先組織の情報です」と説明しています。

家庭の回線なら、出てくるのは契約しているプロバイダの名前です。会社が自分で割り当てを受けている場合は、その会社の情報が出ることもあります。いずれにしても、使っている人の氏名や住所が出てくるわけではありません。この点はIPアドレスの記事のよくある質問でも扱っています。

なお同じページには、「WHOIS検索で得られた情報はネットワーク管理以外の目的に使用しないでください」とも書かれています。人の番号を調べて回るための道具ではない、ということです。

返信の形(例)

お問い合わせのグローバルIPアドレスは 203.0.113.45 です。
本社オフィスの回線から確認した、IPv4のアドレスです。
IPv6のアドレスが必要でしたら、お知らせください。

番号のほかに「どこから出たときのものか」と「IPv4かIPv6か」が書いてあれば、相手はそのまま登録できます。
(上の番号は説明用の例で、実在の回線を指すものではありません)

IPv4とIPv6、どちらを聞かれているか

最後に、見落とされがちな点をひとつ。確認サイトを開くと、数字だけの番号と、英数字とコロンが並んだ長い番号の2つが表示されることがあります。前者がIPv4、後者がIPv6です。

この2つは、住所の付き方そのものが違います。IPv4では住所が足りないので家じゅうで1つを分け合っていますが、IPv6でNATに代わる守り方を示した文書(2007年)には、住所を増やして見せる仕組み(NAT)はIPv6では必要ないという趣旨が書かれています。

そのためIPv6では、機器に付いている番号がそのまま外にも通じていることがあります。ipconfigに出ているIPv6のアドレスと、外から見えている番号が地続きになっている、という状況が起こりうるわけです。

ここまで「ipconfigで出るのは家の中の番号」と説明してきましたが、それはIPv4 アドレスの欄についての話でした。IPv6の欄はこの限りではありません。

ただし、IPv6の行から自分で選ぶのはやめてください。ipconfigはIPv6のアドレスを何行も並べることがあり、そのうち fe80 で始まるものは、その回線の中だけで使う番号だからです。IPv6のアドレスの取り決めを定めたRFC 4291(2006年)にも、ルーターはこの種類の番号を他の回線へ転送してはならないと書かれています。IPv4の 192.168 と同じ役回りです。

つまり、IPv4でもIPv6でも、外に見えている番号は確認サイトで見るのが確実です。画面に並んだ行から選ぼうとしないでください。

そのうえで、番号を求められたときは「IPv4とIPv6のどちらが必要ですか」と聞き返すのがいちばん早道です。相手のシステムが片方にしか対応していないこともあります。2つの違いそのものはIPv4とIPv6の記事で扱っています。

まとめ

この記事では、グローバルIPアドレスの調べ方について、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように解説しました。

あらためて要点をまとめると、次のとおりです。

  • ipconfigで出てくる「IPv4 アドレス」は、多くの場合が家の中だけの番号。192.168・10・172.16〜31 で始まっていたら、外の相手には届かない
  • IPv4では、パソコンは自分の外向けの番号を持っていない。差出人欄はルーターが書き換えているので、コマンドでは出てこない(IPv6では事情が違う)
  • 調べ方は確認サイトをブラウザで開くだけ。相手に見えている差出人欄をそのまま映しているので、同じ回線から調べれば同じ番号が出る
  • 番号は機器ではなく通り道に付いている。自宅・携帯回線・テザリング・会社・VPNで別の番号になるので、相手がアクセスを受けるときと同じ状態で調べる
  • 一度伝えた番号が使えなくなることもある。日をおいて調べ直し、前の番号と違っていれば、変わる契約だとはっきり分かる
  • 伝えるときはどの通り道からの番号かを添える。相手が「変わらない番号」を求めていないか、IPv4とIPv6のどちらが要るかも確かめておく

「自分のIPアドレス」とひとことで言っても、家の中で使っている番号と、外から見えている番号は別のものです。この2つを区別できるようになれば、番号を聞かれて迷うことはなくなります。

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