MACアドレスって何?あなたのスマホにも必ずある、ネット上のマイナンバーみたいなもの

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「MACアドレス」って言葉を聞いたことはありますか?

なんだか難しそう…自分には関係ないかも…と思った方もいるかもしれません。

でも実は、スマホやパソコンなど、インターネットに繋がる機器には必ずMACアドレスが割り振られているんです。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように「MACアドレス」をわかりやすく解説していきます。

MACアドレスって一体何?

人物のアイコンが入ったカード型の証明書のイラスト(MACアドレスを身分証にたとえた節の扉絵)

MACアドレスとは、Media Access Control address(メディア・アクセス・コントロール・アドレス)の略で、ネットワークに接続された機器それぞれに割り当てられた、世界で唯一の識別番号のことです。

例えるなら、あなたのマイナンバーのようなもの。

重要な手紙・荷物を正確に届けるためには本人確認が必要ですよね?

同じように、ネットワークの中でデータをやり取りするときも、MACアドレスを使って「次にどの機器へ渡すか」を見分けています。ただし使われるのは同じLANの中だけで、インターネットの向こう側までMACアドレスが届くわけではありません(この点は後半でIPアドレスと比べます)。

MACアドレスは、「00-11-22-33-44-55」のような形式で表されます。

この番号は機器のメーカーが勝手に決めているわけではありません。番号のブロックをIEEE(アイトリプルイー)という標準化団体がメーカーへ割り当て、その範囲の中でメーカーが1台ずつ振っています。だから世界中で重複しません。

もっともよく使われるブロックでは、先頭24ビット(「00-11-22」の部分)がメーカーを表す番号で、残りが機器1台ずつの番号です。

MACアドレスはどうやって確認するの?

モニターに歯車とレンチが描かれたイラスト(MACアドレスの確認方法の節の扉絵)

MACアドレスは、機器によって確認方法が少し異なります。

  1. STEP

    コマンドプロンプトを起動します。

  2. STEP

    「ipconfig /all」と入力し、Enterキーを押します。

  3. STEP

    表示された情報の中から、「物理アドレス」または「MACアドレス」という項目を探します。

    コマンドプロンプトでipconfig -allを実行した画面。物理アドレスの行がピンクの枠で囲まれており、値はすべて伏せてある
  1. STEP

    アップルメニューから「システム設定」(以前のmacOSでは「システム環境設定」)を開きます。

  2. STEP

    「ネットワーク」を選択します。

  3. STEP

    接続しているネットワーク(Wi-Fiなど)を選択し、「詳細」をクリックします。

  4. STEP

    「ハードウェア」タブを選択すると、MACアドレスが表示されます。

  1. STEP

    iPhone/Android共に、設定アプリから「端末情報」や「デバイス情報」といった項目を開くと、MACアドレスを確認できます。

    ここに出るのは機器そのものの番号です。いま接続中のWi-Fiで実際に名乗っている番号は、Wi-Fiの接続先ごとの詳細画面に表示されます(後述のとおり、両者は一致しないことがあります)。項目名は機種とOSの版で変わるため、見つからないときはメーカーの案内を確認してください。

MACアドレスは何に使われているの?

LANカードに地図の位置ピンが重なったイラスト(MACアドレスの用途の節の扉絵)

MACアドレスは、主に以下の用途で使われています。

  • ネットワーク機器の識別
  • ネットワークへのアクセス制限
  • 機器の特定

ネットワーク機器の識別

ネットワーク上で、どの機器がどの機器と通信しているのかを識別するために使われます。

ネットワークへのアクセス制限

あらかじめ登録したMACアドレスの機器だけをWi-Fiにつなげる、という設定ができます。「MACアドレスフィルタリング」と呼ばれる機能です。

ただし、これを主なセキュリティ対策として当てにしてはいけません。MACアドレスは通信の中で暗号化されずにやり取りされるため、電波が届く範囲にいれば読み取れてしまうからです。読み取った番号を名乗ることも、技術的には難しくありません。

家庭のWi-Fiで本当に効くのは、暗号化方式(WPA2/WPA3)とパスワードのほうです。総務省が案内している無線LANの5つのポイントでも、挙げられているのは暗号化方式・パスワード・サポート期限・ファームウェアの更新・設定画面の確認で、MACアドレスフィルタリングは含まれていません。

「登録した機器しか入れない」という考え方自体は分かりやすいので、子どもの端末の接続を管理するといった用途には向いています。侵入を防ぐ壁ではなく、家族の機器を整理する道具だと考えてください。

機器の特定

例えば、Wi-Fiルーターに接続している機器をMACアドレスで特定することができます。

ただし、その一覧に出るのは番号だけで、名前は書かれていないことがほとんどです。一覧の開き方と、番号から持ち主を突き止める手順は別の記事にまとめてあります。

いまのスマホは、わざとMACアドレスを変えている

ここまで「世界で唯一の番号」と説明してきましたが、最近のスマートフォンは、Wi-Fiにつなぐときにわざと別の番号を名乗ります。

いつも同じ番号を出していると、お店や施設のWi-Fiをまたいで「同じ人が来た」と分かってしまい、行動を追跡できてしまうためです。それを防ぐために用意された機能で、すでに標準で有効になっています。

OS機能の名前既定で有効になった時期
iPhone・iPadプライベートWi-FiアドレスiOS 14/iPadOS 14 以降
AndroidランダムMACアドレスAndroid 10 以降

Googleの開発者向け資料には、Android 10 以降の端末では既定でランダム化したMACアドレスを使うと明記されています。iPhoneやiPadの動きはAppleのサポートページで確認できます。

そのため、設定画面に出てくるMACアドレスが、Wi-Fiごとに違うということが起こります。故障ではありません。

同じWi-Fiなのに番号が変わるのはなぜ?

「ネットワークごとに違う番号」なら、一度登録すればその後は安定するはずです。ところが実際には、同じWi-Fiでも日をまたぐと番号が変わることがあります。

iPhoneやiPadの場合、その分かれ目はつなぐWi-Fiの暗号化の強さです。Appleの説明によれば、iOS 18以降では設定に「オフ」「固定」「ローテーション」の3つがあり、それぞれ次のように選ばれます。

つなぎ先のWi-Fi既定で選ばれる設定番号の変わり方
WPA2以上の暗号化を使っている固定変わらない
暗号化が弱い/暗号化なしローテーション2週間ごとに別の番号へ

つまり、登録した端末が忘れたころにつながらなくなるWi-Fiは、暗号化が弱い可能性があります。暗号化をWPA2以上にすると、端末側は自動的に「固定」を選ぶようになり、症状も収まります。

Androidも、通常はネットワークごとに固定した番号を使いますが、条件によっては接続のたびに番号を作り直します。どちらのOSでも「ずっと同じ番号のはず」という前提は置けないと考えてください。

ここでつまずきやすいところ

Wi-FiルーターにMACアドレスを登録して接続を制限していると、正規の家族の端末がつながらなくなることがあります。ランダム化によって、登録した番号と違う番号を名乗るためです。困ったときは、その端末のWi-Fi設定でランダム化を切るか、フィルタリング自体をやめて暗号化とパスワードで守る方法に切り替えます。設定画面の場所は機種とOSの版で変わるので、Appleなど各社の案内で確認してください(Apple製デバイスでプライベートWi-Fiアドレスを使う(Apple))。

つまり「MACアドレスは絶対に変わらない番号だ」という前提は、いまは成り立ちません。機器そのものに焼き込まれた番号は変わりませんが、通信で名乗る番号は変えられる、と整理しておくのが正確です。

会社や店舗のWi-Fiの場合

台数が多い職場では、社員ひとりずつに設定を変えてもらうのは現実的ではありません。Appleは、企業向けの選択肢としてWi-Fiのセキュリティ設定を見直すか、端末管理の仕組み(MDM)で配るネットワークプロファイルによって、この機能を無効にしておく方法を案内しています。

ただし、そもそもMACアドレスの登録で人の出入りを管理するのは無理があります。退職した人の端末を消し忘れれば残り続けますし、新しい端末が増えるたびに登録が要ります。人が入れ替わる前提の場所では、利用者ごとにIDとパスワードで認証する方式を情報システムの担当者や導入業者に相談するのが本筋です。

MACアドレスとIPアドレスの違いは?

2種類の書類を虫めがねで見比べているイラスト(MACアドレスとIPアドレスを比べる節の扉絵)

MACアドレスと似たような言葉に「IPアドレス」があります。

どちらもネットワーク上で機器を識別するためのものですが、役割が異なります。

MACアドレスの役割
  • 機器そのものに焼き込まれた識別番号です。
  • 本来は世界で一つだけの番号ですが、通信で名乗る番号は変えられます。
  • データリンク層(OSI参照モデルの第2層)で使用されます。
IPアドレスの役割
  • ネットワーク上で機器を識別するための番号で、変更されることがあります。
  • 同じネットワーク内では、それぞれ異なる番号が割り当てられます。
  • ネットワーク層(OSI参照モデルの第3層)で使用されます。

宅配便にたとえるなら、IPアドレスは伝票に書かれた最終的な届け先、MACアドレスは荷物をいま手渡す相手です。伝票の宛先は変わらないまま、手渡す相手だけが営業所から営業所へと切り替わっていきます。

まとめ

MACアドレスは、ネットワークにつながる機器それぞれに割り当てられた識別番号です。

同じネットワークの中でデータを送受信する際に、隣の機器を見分けるために使われます。IPアドレスが「最終的な行き先」を示すのに対して、MACアドレスはいま目の前の相手を示す番号だと考えてください。

この記事で押さえておきたいのは、次の2つです。

  • いまのスマホは、Wi-Fiごとに違うMACアドレスを名乗る(追跡を防ぐための標準機能)
  • MACアドレスによる接続制限は、防犯の主役にはならない(守っているのは暗号化とパスワード)

普段は意識する機会は少ないかもしれませんが、ネットワークを支える重要な役割を担っているんですね。

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