IPアドレスとMACアドレスの違いをわかりやすく解説!【初心者向け】

4 min 1,408 views

インターネットを利用する上で、知らず知らずのうちに使われている「IPアドレス」と「MACアドレス」。

「聞いたことはあるけど、実際は何のことかわからない…」

そんな方も多いのではないでしょうか?

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でも理解できるように、IPアドレスとMACアドレスについてわかりやすく解説していきます。

IPアドレスの役割 ― 最終的な行き先を示す

地球儀に「IP」と書かれた位置ピンが立っているイラスト(IPアドレスの節の扉絵)

この記事で押さえてほしいIPアドレスの役割は1つだけです。データが最後にたどり着く場所を示すこと。

「192.168.1.10」のような数字の列で書かれ、ウェブサイトを見るときも、メールを送るときも、出発点から終点まで変わりません。途中でどんな機器を通ろうと、目指す先は同じです。

この「変わらない」という性質が、次に説明するMACアドレスとの一番の違いになります。IPアドレスそのものの種類(外向き・内向き)や確認方法は、次の記事にまとめてあります。

MACアドレスとは?

LANカードに地図の位置ピンが重なったイラスト(MACアドレスの節の扉絵)

MACアドレスとは、ネットワーク機器に割り当てられた固有の識別番号です。

例えるなら、パソコンやスマホにつけられた、世界で一つだけのマイナンバーのようなものです。

MACアドレスは、「00-11-22-33-44-55」のような形式で表されます。

MACアドレスは、ネットワーク機器同士が通信する際に、互いを識別するために使用されます。

IPアドレスとMACアドレスの違い

IPアドレスとMACアドレスについて違いを考える人

IPアドレスとMACアドレスは、どちらもネットワーク上で機器を識別するためのものですが、いくつかの違いがあります。

項目IPアドレスMACアドレス
役割インターネット上の住所ネットワーク機器の固有識別番号
変更つなぐ場所が変われば変わる機器に焼き込まれた番号は変わらない(ただし通信で名乗る番号は変えられる)
表記数字の列(例:192.168.1.10)英数字の組み合わせ(例:00-11-22-33-44-55)
種類論理アドレス(ネットワーク層・第3層)物理アドレス(データリンク層・第2層)

IPアドレスとMACアドレスの関係性

IPアドレスとMACアドレスを比較する人

IPアドレスとMACアドレスは、それぞれ異なる役割を持っていますが、互いに連携して通信を行っています。

例えば、あなたがウェブサイトを閲覧する場合、次のようなことが行われています。

  1. あなたのパソコンが、ウェブサイトのIPアドレス宛にデータを送信します。
  2. データが、ルーターなどのネットワーク機器を経由してウェブサイトのサーバーに届きます。
  3. 各ネットワーク機器は、MACアドレスを使って、次にデータを送信するべき機器を特定します。

このように、IPアドレスは最終的な目的地を特定し、MACアドレスは経路上の各地点を特定するために使われています。

宅配便にたとえるなら、IPアドレスは伝票に書かれた最終的な届け先MACアドレスは荷物をいま手渡す相手です。伝票の宛先は変わらないまま、手渡す相手だけが営業所から営業所へと切り替わっていきます。

この「次に手渡す相手のMACアドレス」を調べる仕組みがARPで、その対応表は arp コマンドで実際に見られます。

困ったとき、どちらを見ればいい?

2つの違いを覚える意味は、トラブルのときに見るべき場所が変わるところにあります。よくある症状で見分けてみましょう。

症状見るところ
Wi-Fiにはつながっているのに、ウェブサイトが開かないIPアドレス。自動で割り当てられているかを確認する
同じ機器なのに、日によってつながったりつながらなかったりするMACアドレス。ルーター側で接続する機器を登録して制限していないか確認する
ルーターの管理画面に、身に覚えのない機器が並んでいるMACアドレス。ただし今のスマホは接続先ごとに違う番号を名乗るため、家族の端末が別物に見えていることがある

おおまかには、「外とやり取りできない」ときはIPアドレス、「この機器だけ様子がおかしい」ときはMACアドレスと覚えておくと当たりを付けやすくなります。

なお、表の「身に覚えのない機器が並んでいる」の確かめ方は、つながっている機器の一覧の記事にまとめてあります。

下の2つは、いまのスマートフォンがWi-Fiごとに違うMACアドレスを名乗ることが原因で起きます。対処のしかたは次の記事にまとめてあります。

よくある質問

Q

MACアドレスを変更することはできますか?

A

機器そのものに焼き込まれた番号は変わりませんが、通信で名乗る番号は変えられます

むしろ最近のスマートフォンは、追跡を防ぐためにWi-Fiの接続先ごとに違う番号を名乗るのが既定です(Android 10 以降、iPhoneは iOS 14 以降)。「変更できない番号」という古い前提のままだと、機器の管理で混乱します。詳しくはMACアドレスの記事で扱っています。

Q

IPアドレスが漏洩するとどうなりますか?

A

まず、家の中で使っている「192.168.」などで始まるIPアドレスは、外から届く番号ではないので、知られても問題ありません。

外向けのグローバルIPアドレスが知られた場合でも、分かるのはおおよその地域と、契約しているプロバイダくらいです。IPアドレスだけで個人が特定されるわけではありません。

ただし、アクセスログやアカウント情報など他の情報と組み合わされると、個人にたどり着ける場合があります。

Q

MACアドレスフィルタリングとは何ですか?

A

あらかじめ登録したMACアドレスの機器だけをネットワークにつなげるようにする機能です。

ただし、これを防犯の主役として当てにするのは危険です。上のとおり名乗る番号は変えられるうえ、MACアドレスは暗号化されずに流れるため読み取れてしまうからです。守っているのは暗号化方式(WPA2/WPA3)とパスワードのほうだと考えてください。総務省が案内している無線LANの5つのポイントにも、MACアドレスフィルタリングは含まれていません。

さらに、端末がWi-Fiごとに違う番号を名乗るせいで登録したはずの家族の端末がつながらなくなることがあります。理由と対処はMACアドレスの記事にまとめてあります。

まとめ

この記事では、IPアドレスとMACアドレスについて、基礎的な知識、違い、関係性などを解説しました。

ひとことで言えば、IPアドレスは「最終的な行き先」、MACアドレスは「いま手渡す相手」です。役割が違うので、どちらか一方だけでは通信が成り立ちません。

あわせて、MACアドレスは「絶対に変わらない番号」ではなくなっていることも押さえておいてください。いまのスマートフォンは、追跡を防ぐためにWi-Fiごとに違う番号を名乗ります。機器を登録して接続を制限する使い方は、この前提の上で考える必要があります。

ぜひこの記事を参考にして、ネットワークの仕組みへの理解を深めてください。

関連記事