VoIPとは?仕組みと種類、音が途切れる理由をわかりやすく解説

3 min 3,886 views

「VoIPって最近よく聞くけど、一体何のこと?」

あなたはもしかしたらそう思っているかもしれません。

VoIPは、インターネット回線を使って音声通話を行う技術のことです。

この記事では、VoIPの基本的な仕組みから種類、メリット・デメリットまで、わかりやすく解説します。

VoIPとは?

雲の形の中に「VOIP」と書かれ、受話器のマークと下へ伸びる線が描かれたイラスト(VoIPとはの節の扉絵)

VoIPとは、「 Voice over Internet Protocol 」の略で、IPネットワーク上で音声データをやり取りする技術のことです。

従来のアナログ電話回線とは異なり、インターネット回線を利用して音声通話を行います。

VoIPの仕組み

雲から赤い線が伸びて5台のIP電話機につながっているイラスト(VoIPの仕組みの節の扉絵)

VoIPの仕組みを簡単に説明すると次の通りです。

  1. 音声データをデジタルデータに変換
  2. デジタルデータをIPパケットに分割
  3. IPパケットをインターネット回線を通じて送信
  4. 受信側でIPパケットを組み立てて音声データに復元

もう少し詳しく説明していきます。

VoIPの仕組みを理解するために、まずは音声データがどのようにやり取りされるのかを見ていきましょう。

  1. STEP

    音声データのデジタル化

    あなたの声は、まずアナログ信号として集音されます。

    このアナログ信号は、VoIP機器によってデジタルデータに変換されます。

    デジタルデータは、0と1の組み合わせで表現されるデータのことです。

  2. STEP

    IPパケットへの分割

    デジタル化された音声データは、IPパケットと呼ばれる小さなデータに分割されます。

    IPパケットには、送信先や順番などの情報が付加されます。

    IPパケットは、インターネット上でデータをやり取りするための基本的な単位です。

  3. STEP

    インターネット回線を通じて送信

    分割されたIPパケットは、インターネット回線を通じて相手に送信されます。

    IPパケットは、複数の経路を通って相手に届く場合があります。

    これは、インターネットが分散型のネットワークであるためです。

  4. STEP

    IPパケットの組み立て

    受信側のVoIP機器は、受け取ったIPパケットを順番に組み立て、元の音声データに復元します。

    組み立てられた音声データは、再びアナログ信号に変換され、相手の声として聞こえます。

VoIPの種類

スマートフォンの画面に「VoIP」と受話器のマークが表示されたイラスト(VoIPの種類の節の扉絵)

VoIPには、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • IP電話
  • インターネット電話
  • VoIPアダプター

IP電話

IP電話は、VoIP技術を使った電話サービスです。

固定電話番号を取得して、一般の電話と同じように利用できます。くわしくはIP電話の記事にまとめてあります。

インターネット電話

インターネット電話は、パソコンやスマートフォンを使ってインターネット回線を通じて音声通話を行うサービスです。

SkypeやLINEなどが代表的なサービスです。

VoIPアダプター

VoIPアダプターは、アナログ電話機をVoIPネットワークに接続するための機器です。

これにより、従来のアナログ電話機をVoIPで利用できます。

VoIPでできること・気をつけること

VoIPには、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
  • 通話料金が安い
  • 多様な機能
  • 設置が簡単
デメリット
  • 音質が不安定
  • 緊急通報が使えないことがある
  • 停電時に利用できない

料金や固定電話との違いといったサービス選びの話は、IP電話の記事にまとめてあります。この記事では技術のほうを続けます。

緊急通報だけは思い込みで済ませない

「VoIPは110番が使えない」と一括りにするのは誤りです。使えるかどうかは電話番号の種類でおおよそ決まりますが、例外もあります命に関わるので、必ず自分の契約の案内で確かめてください。見分け方と例外は、上のIP電話の記事に出典つきでまとめてあります。

なぜVoIPは音が乱れることがあるのか

「IP電話は音が悪い」と言われることがあります。これは機器の性能というより、声の運び方そのものに理由があります。

多くのVoIPで声を運ぶのは RTP(Real-time Transport Protocol)という決まりごとです。仕様書の RFC 3550 は「アプリケーションはふつうRTPをUDPの上で動かす」と書いています(ほかの方式で運ぶこともあり得るとも断っています)。

そして同じ仕様書は、RTP自身には時間どおりに届ける仕組みが無く、届くことも順番も保証しないと明記しています。

つまり「届かなかった声を取り返すより、先へ進む」という作りです。会話は待たされるほうが困るので、この割り切りは理にかなっています。

その裏返しとして、回線が混んでパケットが失われたり、到着の間隔がばらついたり(ジッター)すると、声が途切れる・ロボットのように聞こえることが起こります。遅れているだけのときは症状が違い、話がかぶる・間が空くという形で出ます(この違いは遅延(レイテンシ)の記事で詳しく扱っています)。

音が乱れたときに疑うのは電話機ではなく、まわりの通信です。動画やダウンロードで回線を使い切っていないか、Wi-Fiの電波が弱くないかを見てください。050から始まる番号のIP電話では特に効きます(ひかり電話のような0ABJ型は、音声を先に通す仕組みが入っているぶん影響を受けにくくなっています)。

まとめ

VoIPは、インターネット回線を利用した音声通話技術であり、通話料金の削減や多様な機能が利用できるなどのメリットがあります。

一方で、回線の状況によって音が乱れることや、番号によっては緊急通報が使えないことなど、注意すべき点もあります。

声がパケットになって運ばれること、そのRTPは届くことを保証しないこと、だから音が乱れたら電話機ではなく回線を疑うこと。この3つを持ち帰っていただければ十分です。サービスの選び方は、IP電話の記事へどうぞ。

関連記事