賃貸のインターネットを入居前に確認する方法|建物名で調べて内見で聞く

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賃貸の部屋を探していると、物件情報に「インターネット無料」「インターネット完備」「インターネット対応」と書いてあることがあります。何も書いていない部屋もあります。

「入居したその日から、ネットは使えるの?」「自分で光回線を申し込むの?」「自分で回線を引いたり、いまの回線を持っていったりできるの?」。在宅勤務やオンライン授業があると、部屋を申し込む前に知っておきたいですよね。

実は、入居する前に確かめられるのは、主に建物の側のことです。どの事業者の設備が入っているか、建物ぜんぶで契約しているか、自分で回線を引いてよいか。とくに実際に出る速さは、入居して使ってみるまで分かりません。

この記事では、建物名で調べる内見で見る不動産会社と管理会社に聞くの3つで、入居前に確認する方法を、事業者の案内と国土交通省の事業で作られた資料をもとに解説します。

入居前に確認できるインターネットのこと、入居後にしか分からないこと

「入居前に確かめられるのは建物の側」と題した図。左に窓が並んだ建物と、それを虫めがねでのぞいている様子があり、「建物の側」「入居前に調べられる」とラベルが付いている。右には輪郭を破線で描いた速度計があり、「実際の速さ」「入居して使うまで分からない」とラベルが付いている。
先に結論

1. 入居前に確かめられるのは、主に建物の側です。事業者のサイトで建物名を検索し、内見で壁の差込口を見て、不動産会社や管理会社に聞きます。

2. 建物ぜんぶで契約する事業者の検索に出ても、入居の日から手続きなしで使えるとは限りません。自分で申し込むか、料金を払うかは、事業者と建物で違います。

3. 自分で回線を引くなら、許可が出るかを部屋を決める前に確かめます。いまの回線を持っていく場合も同じです。建物の契約によっては、新しく申し込めない回線もあります。

入居前に確かめられるのは「建物の側」

入居前に確かめられることと、確かめられないことを分けておきます。

たとえるなら、お店の外から分かるのは看板までです。どの会社のお店かは外からでも分かり、値段も店の人に聞けば教えてもらえることがあります。けれど味は、食べてみないと分かりません。

インターネットでいえば、入居前に調べたり聞いたりして分かるのは、次のようなことです。

  • その建物に、どの事業者の設備が入っているか
  • 建物の中の配線方式(光ファイバーが部屋まで来ているか)の目安
  • 建物ぜんぶで事業者と契約しているか。しているなら、入居者も申し込むのか、料金は誰が払うのか
  • 自分で別の回線を引いてよいか

どれも建物に関わることなので、入居する前でも調べたり聞いたりできます。お店でいう「味」にあたる実際の速さは、入居してからの話になります。

「無料」「完備」「対応」の言葉だけでは、入居の日から使えるかは分からない

物件情報の言葉から、ここまで読み取れればよいのですが、そうはいきません。

国土交通省の事業で作られた「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」には、貸主から寄せられた相談として、入居後に自分で手続きをする物件なのに、借主が「入居後ただちにインターネットが使えるものと思って」いてトラブルになった例が載っています。

NTT西日本も、自社のコラム「マンションで光回線の工事は必要?」で、管理会社に確かめる理由をこう書いています。

賃貸情報サイトなどの物件紹介ページに「インターネット利用可能」と記載があっても、光回線が使えるかどうかや工事が必要かどうかは分かりません。

また「インターネット無料」などの特典がついているマンションの中には、自分の好きなインターネット回線を利用できる場合とできない場合があります。そのため、入居前に書面や賃貸情報サイトだけではなく管理会社に問い合わせて確認をしておくと良いでしょう。

しかも、同じ事業者の同じ名前のサービスでも、建物によって契約の形が違うことがあります(「検索に出ても、入居の日から手続きなしで使えるとは限らない」で説明します)。「インターネット無料」の部屋の契約がどうなっているかは、別の記事で詳しく扱っています。

実際の速さは、入居して使ってみるまで分からない

一方で、入居する前にはどうしても分からないことがあります。実際に出る速さです。

「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」は、インターネット回線の速さについて、「他の入居者の使用状況や電波の安定性に左右され、最大値の速度を保証するものではない」ことを説明してもらうよう、貸主に勧めています。

ただ、上限の見当はつきます。部屋までの配線方式で、出せる速さの上限が変わるからです。見分け方は「NTT東日本のエリアなら、住所で配線方式の目安が出る」と「内見では、壁の差込口を見る」で扱います。

料金がかかるか、自分で申し込みが要るかは、入居前でも聞けば分かることがあります。何を聞くかは「内見で聞くことは4つ」にまとめました。

建物名・住所で、その建物のインターネットを調べる

「建物のインターネットの調べ方」と題した図。左はノートパソコンの画面に検索窓があり、線で建物につながっていて、「建物名で調べる」「建物ぜんぶで契約する事業者の検索」とラベルが付いている。右はノートパソコンの画面に地図とピンがあり、線で建物につながっていて、「住所で調べる」「フレッツ光のエリア検索」とラベルが付いている。

事業者の中には、自社のサービスが入っている建物を、建物名や住所で探せるようにしているところがあります。物件情報や内見で建物の名前が分かれば、部屋を申し込む前に自分で調べられます。

物件情報に建物名やインターネットの事業者が書いていないときは、先に不動産会社に聞いてから調べます。インターネットの欄に何も書いていない部屋でも、確かめ方は同じです。

建物ぜんぶで契約する事業者の中には、建物名で探せるところがある

マンションやアパートには、建物の持ち主や管理組合が事業者と契約して、全部の部屋にインターネットを入れている建物があります。この記事では、これを「建物ぜんぶの契約」と呼びます。

建物によっては、それとは別に、入居者も自分で事業者と契約します。この記事では、こちらを「部屋ごとの契約」と呼びます。

事業者の検索は、いわば事業者が持っている「取引先の建物の名簿」を見せてもらうようなものです。ここでは、建物の検索を用意している3社を例に挙げます。

サービス探し方検索に出たら分かること
UCOM光 レジデンス(つなぐネットコミュニケーションズ)建物名を入れて検索する建物ぜんぶの契約がある
auひかり レジデンス(KDDI)地域を選び、物件名の一覧から探す建物ぜんぶの契約がある
J:COM郵便番号・住所・物件名から探すJ:COMのサービスが入っている。オーナーが費用を持つ物件は、マークで見分ける

UCOM光 レジデンスの建物名検索は、入居予定の人も使えると書いています。

お住まい(またはご入居予定)の建物名(タウン名)を入力し、「検索」をクリックしてください。

このサービスは契約約款で、マンションの「全戸、共有部へ一括して提供する」ものと定められています。契約する相手も、マンションの所有者や管理組合などです。つまり検索に建物が出てくれば、その建物には建物ぜんぶの契約があります。

auひかり レジデンスも、サービスの案内でこう説明しています。

『auひかり レジデンス』とは、マンション全体で一括契約・導入されているインターネットサービスです。

こちらは地域を選んで、物件名の一覧から探す形です。東京23区なら、区ごとに一覧が分かれています。

J:COMの物件検索は、郵便番号・住所・物件名のどれからでも探せます。ただ、ここに出るのはJ:COMのサービスが入っている建物で、建物ぜんぶの契約があるとは限りません。検索結果の画面の名前も「J:COM導入済み集合住宅検索」です。

オーナーが費用を持つ物件は、番地や物件名を選ぶ画面に「InMyRoom特別プランのマークがある物件は、対象のJ:COMサービスが無料または特別料金でご利用いただけます!」とあるとおり、マークで見分けます。J:COMはJ:COM In My Roomを「J:COM導入物件のうちオーナー様が費用負担をしている物件」と説明しています。

物件情報や不動産会社から事業者の名前が分かったら、その事業者のサイトに同じような検索がないか探してみてください。

検索に出ても、入居の日から手続きなしで使えるとは限らない

検索に建物が出てきたら、「じゃあ入居した日から使える」と考えたくなります。けれども、そこは事業者と建物によって違います。

auひかり レジデンスのサービスの案内には、続けてこう書かれています。「入居者さまは利用開始のために、入居時にKDDIへの個別申込が必要です。」

物件ごとの申込ページにも「ご利用にはお申し込み手続きが必要となります」とあります。建物ぜんぶの契約があっても、入居者は部屋ごとの契約を自分で申し込むということです。

UCOM光 レジデンスは、建物によって違います。建物ぜんぶの契約はどの建物にもありますが、入居者も自分で申し込むかどうかは建物ごとに分かれます。入居者に配られるご利用の手引きは、「インターネットの利用に会員登録は必要ですか?」という問いに「お住まいの建物により異なります。」と答えています。

同じ手引きの配線の案内にも、「※建物によりご利用開始前にお申し込みが必要です。」という注意があります。

逆に、面倒な手続きなしで使えると書く事業者もあります。イッツコムは、オーナーや管理組合に向けたマンション一括型のページで、「入居者さまは面倒な手続きなく、壁の差込口とパソコンとをケーブルでつなぐだけで」使えるとしています。ただし同じページで、提供する回線や内容は「お住まいのマンションにより異なっております」とも書いています。

NTT西日本の全戸加入プラン(建物ぜんぶで契約するプラン)の建物では、入居者向けに申し込み後の流れが案内されています。本人確認のための書類をアップロードし、工事日の連絡を受ける流れです。工事といっても立ち会いは要らず、届いた機器を工事の日に光コンセントにつなぐ形です(部屋の状況によっては、訪問する工事に変わることもあります)。月額の利用料は「原則入居者さまへの請求は発生いたしません」としています。

ただしプロバイダの契約と料金は、オーナーや管理会社が払うプランと入居者が払うプランの両方がある、と全戸加入プランの案内に書かれています。

NTT西日本の入居者向けのページには、Wi-Fiについての注意もあります。「NTT西日本がご用意する機械(端末)は、Wi-Fiに対応しておりません。」Wi-Fiで使うなら、無線ルーターを入居者が用意するよう案内しています。

同じ「建物ぜんぶの契約」でも、自分で申し込むのか、料金はかかるのかは、こうして分かれます。Wi-Fiの機器を入居者が用意する建物もあります。だから検索で分かったことは、内見で聞く質問の材料にします。何を聞くかは「内見で聞くことは4つ」にまとめています。

NTT東日本のエリアなら、住所で配線方式の目安が出る

建物ぜんぶの契約がない建物でも、住所から分かることがあります。建物の中の配線方式です。

配線方式とは、建物の共用部から各部屋までを何でつないでいるか、という違いです。光ファイバーのまま部屋まで来ている建物もあれば、途中からLANケーブルや電話線に変わる建物もあります。配線方式によって、出せる速さの上限も変わります。

NTT東日本は、フレッツ光のエリア検索で表示されるプランの名前から、集合住宅の配線方式の目安が分かると案内しています。同じページから郵便番号と住所を入れて建物を選ぶと、提供できるプランが表示されます。

  • 「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ」と出たら、部屋までの配線がVDSLかLANの設備だけの建物
  • 「フレッツ 光クロス」か「フレッツ 光ネクスト マンション・ギガラインタイプ」と出たら、光配線方式の設備がある建物(VDSLやLANの設備と並んでいることもある)
  • 「ご指定の住所は詳しい状況確認が必要です」と出たら、どの方式の設備もまだ置かれていない建物

ただし同じページに「提供を確約するものではないため、あくまでも目安としてご参照ください」とあります。

そしてこれは、NTT東日本の案内です。NTT西日本にも住所から調べる提供エリア検索がありますが、表示されたプランから配線方式を読む案内は、NTT西日本のサイトでは確かめられませんでした。西日本の建物では東日本の見分け方を当てはめず、表示された結果を控えて、内見で聞くときの材料にしてください。

引っ越し先が東日本と西日本のどちらになるかは、県の名前だけでは決まらない場所があります。住所での確かめ方は、移転の記事で扱っています。

光コラボ(NTTの光回線を借りて、ほかの会社が自社のサービスと組み合わせて提供している光回線)を考えている場合も、建物の中の設備はフレッツ光と同じものを使います。NTT東日本のエリアなら、この目安がそのまま参考になります。

検索に出なかったときは、無いとは決めつけない

検索に建物が出てこなかったときは、「この建物には設備が無い」と決めつけないでください。

UCOM光 レジデンスの建物名検索には、「検索結果が多すぎると表示されない場合があります。建物名を正確にご入力ください。」という注意があります。入力のしかたによっては、出てこないことがあるということです。

建物名の検索で分かるのは、建物が出てきたときのことだけです。出てこなかったら、内見と問い合わせで確かめます。

内見と問い合わせで、部屋のインターネットを確かめる

「内見で聞くことは4つ」と題した図。吹き出しが4つ並び、左から建物、1日だけ色の付いたカレンダー、ケーブルのつながった機器、電話の受話器が描かれている。それぞれの下に「建物のネットと料金は?」「入居の日から使える?」「自分で回線を引ける?」「連絡先はどこ?」とラベルが付いている。

調べて分かったことを、内見で確かめます。やることは、見ることと聞くことの2つです。

内見では、壁の差込口を見る

部屋に入ったら、まず壁の差込口を探してください。どの差込口があるかで、部屋まで何が来ているかの見当がつきます。

差込口配線方式の見当分かること
光コンセント(下に「光」などの文字がある差込口)光配線方式光ファイバーが部屋まで来ている。配線工事なしで使えることが多い
LANケーブルの差込口(「LAN」と書かれていることもある)LAN配線方式建物の共用部から部屋まではLANケーブル
電話線の差込口(モジュラージャック)VDSL方式なら、これを使う差込口だけでは、VDSLの設備が来ているかまでは分からない

NTT西日本のコラムは、光コンセントが設置されている場合は「配線工事不要で光回線が導入できることが多いです」としています。

同じコラムは、最大通信速度(理論値)を、光配線方式で「概ね1〜10Gbps」、LAN配線方式とVDSL方式で「概ね100Mbps」としています。実際の速さは利用環境や混み具合で変わりますが、上限にはこれだけの差があります。

光コンセントの見分け方や、家のどこを探せばよいかは、別の記事にまとめています。

ただし、差込口で分かるのは配線の方式までです。建物ぜんぶで契約しているかどうかは、差込口を見ても分かりません。

内見で聞くことは4つ

内見で聞くことは、次の4つです。

  1. 建物にインターネットが入っているか。入っているなら、入居者も申し込むのか、料金は誰が払うのか
  2. 入居の日から使えるか。使えるまで何日かかるか、Wi-Fiのルーターは自分で用意するのか
  3. 自分で回線を引いてもよいか(いまの回線を移したい場合も)
  4. つながらないとき、どこに連絡すればよいか

1つ目は、「建物ぜんぶの契約」という言葉ではなく、中身で聞くのがこつです。建物に入っている契約でも、入居者が自分で申し込んで払う形があるからです。NTT西日本の全戸加入プランは、プロバイダの料金について「マンションオーナーさま・管理会社さま・管理組合さまなどが契約・料金のお支払いをするプランと入居者さまが契約・料金のお支払いをするプランがあります」としています。J:COMも、特別プランの物件について「無料または特別料金」と書いています。

2つ目は、国土交通省の事業で作られた「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」にも出てくる問いです。この事例集は、賃貸住宅の相談を受ける窓口のためにまとめられたもので、貸主からの質問にこう答えています。

契約締結前に、入居後ただちに何らの手続きを要せずにインターネットを利用できる物件であるのか、借主自身で回線事業者、プロバイダーと契約手続きを実施するのかを宅建業者に説明してもらうようにしましょう。

宅建業者は宅地建物取引業者の略で、部屋の契約を仲介する不動産会社のことです。事例集が、契約の前に説明してもらうよう勧めている事柄なので、遠慮せずに聞いてください。

あわせて、使えるまでの日数と、Wi-Fiのルーターを誰が用意するかも聞いておきます。申し込みや工事が要る建物では、入居の日にすぐ使えるとは限らないからです。間に合わないときは、使えるようになるまでのつなぎを別に考えることになります。

3つ目は、建物の契約によって答えが変わります。理由は「建物ぜんぶの契約があると、引けない回線があることも」で説明します。いまの回線を持っていきたい場合も、同じことを聞いておきます。

4つ目は、困ったときのために聞いておきます。UCOM光 レジデンスの重要事項説明は、「当社お問い合わせ窓口は、お住いの物件ごとに異なります。」としています。同じ事業者でも、建物によって連絡先が違うということです。

内見の場で聞き、答えが出なければ管理会社に確かめてもらう

聞く相手は、まず内見に案内してくれた不動産会社の担当者です。事例集が説明する役として挙げているのも、この宅建業者でした。

その場で答えが出なかったら、管理会社に確かめてもらってください。NTT西日本のコラムも、入居前に管理会社へ問い合わせて確かめるよう勧めています。

答えを聞いたら、事業者の名前やサービスの名前まで書き留めておくと、入居してから調べるときの手がかりになります。

自分でインターネットの回線を引くなら、許可が出るかを入居前に確かめる

「順番は、許可を確かめるのが先」と題した図。左から、チェックの付いた書類、鍵、ケーブルのつながった機器が矢印でつながっていて、それぞれの下に「許可を確かめる」「部屋を決める」「回線を申し込む」とラベルが付いている。

建物のインターネットとは別に、自分で光回線を引きたいこともあると思います。好きな事業者を選びたい、いまの回線を持っていきたい、建物の回線では足りない、といった場合です。

そのときは、部屋を決める前に、引いてよいかを確かめておきます。

建物に手を入れる工事には、管理会社・大家さんの許可が要る

回線を部屋まで引き込むには、建物に手を入れる工事が要ることがあります。事業者は、その前に建物の側の許可を得るよう案内しています。

NTT東日本は「フレッツ 光クロス」の提供条件で、集合住宅では配管などの構築や使用について「あらかじめマンション・ビルオーナー、管理組合さまの承諾を得ていただく必要があります」としています。ソフトバンクの引っ越しの手続きも、事前準備の注意として「賃貸の場合、工事内容により、大家さんや不動産管理会社の許可が必要な場合があります」と書いています。

NTT西日本のコラムは、理由まで書いています。「事前に管理会社に許可を取らずに穴を開けると、損害賠償などの重大なトラブルに発展することも考えられます。」

賃貸なら大家さんや管理会社が、許可する側です。分譲マンションの部屋を借りているなら、共用部に手を入れる工事では、管理組合の許可も要ることがあります。

許可をもらうのは工事の前ですが、もらえるかどうかを確かめるのは、部屋を決める前がおすすめです。入居してから断られると、使いたい回線を使えないまま住むことになるからです。

ただ、部屋を決める前の時点では、工事の中身がまだ決まっていないことがあります。NTT東日本は光クロスの提供条件で「工事に先立ち、光加入者回線敷設のための設備状況調査にお伺いする場合があります」とし、NTT西日本のコラムも、壁に穴を開けなくてもよいかどうか業者が「調査に来ることがあります」と書いています。

そのため、部屋を決める前には「引いてよいか」と「どんな工事なら認められるか」を聞いておき、工事の中身が決まったら改めて伝える、という順になります。

回線を申し込むときには、部屋の住所が要ります。ソフトバンクの引っ越しの手続きも、同じページで「引っ越し先ご住所が決まっていない場合はお手続きできません」としています。つまり順番は、許可を確かめる、部屋を決める、回線を申し込む、です。

開通までの時間も見ておきます。NTT西日本のコラムは、申し込みから開通までは「早くても2週間程度」かかり、混みあっていると「1ヶ月以上」かかることもあるとしています(2023年12月5日時点の情報)。3月・4月は混みあう傾向があるとも書かれています。

建物ぜんぶの契約があると、引けない回線があることも

建物ぜんぶの契約がある建物では、自分で引ける回線が限られることがあります。

NTT西日本は、全戸加入プランの案内の留意事項で、光コラボ(同社の言い方では「コラボ光」)について、次のように書いています。

「フレッツ 光クロス 全戸加入プラン」「フレッツ光 全戸加入プラン」のご契約以前からご利用の場合は継続利用が可能ですが、「フレッツ 光クロス 全戸加入プラン」「フレッツ光 全戸加入プラン」のご契約後は新規でお申し込みいただくことはできません。

全戸加入プランが入ったあとの建物では、光コラボを新しく申し込めない、ということです。ここで引いたのはNTT西日本の全戸加入プランの条件で、ほかの事業者の建物が同じとは限りません。だから「内見で聞くことは4つ」の3つ目を、内見で確かめておきます。

もうひとつ、自分で別の回線を使うことになっても、建物ぜんぶの契約はそのまま続きます。同じ留意事項には、全戸加入プランは「居住の有無にかかわらず、導入物件の全戸数(管理人室などを含めることも可)で締結いただき、月額利用料については、契約戸数分をお支払いただきます」とあります。

家賃や管理費との関係まで含めた考え方は、「インターネット無料」の部屋の記事で扱っています。

いまの回線を新しい部屋へ持っていくなら

いま使っている光回線を新しい部屋でも使いたいなら、移転の手続きになります。移転できるかは、いまの契約先と、いまの家・引っ越し先の組み合わせで変わります。

入居前に確かめておくのは、次の3つです。

  • 引っ越し先が、いまの家と同じNTT東日本・NTT西日本の区域か(またぐと、フレッツ光は契約が切れます)
  • 引っ越し先の部屋に光コンセントがあるか(「内見では、壁の差込口を見る」)
  • 賃貸なら、工事の許可が出るか(「建物に手を入れる工事には、管理会社・大家さんの許可が要る」)

1つ目は、いまの回線が光コラボなら扱いが変わることがあります。光コラボは会社によって扱いが違い、移転の記事で確かめたドコモ光とSoftBank 光は、東西をまたいでも引っ越しの手続きとして案内しています。ほかの会社も同じとは限らないので、自分の契約先の案内を見てください。いまの回線がフレッツ光か光コラボかの見分け方も、同じ記事で扱っています。

建物ぜんぶの契約がある建物では、もうひとつ確かめます。「建物ぜんぶの契約があると、引けない回線があることも」で見たとおり、NTT西日本の全戸加入プランが入った建物では、光コラボを新しく申し込めません。よそから光コラボを移してくる場合がこれに当たるかどうかは、NTT西日本の案内には書かれていませんでした。

分からないときは、内見のときに「いま使っている回線を、移転でこの部屋に引けますか」と聞いてください。手続きの順番と費用も、移転の記事にまとめています。

許可をもらうときに、退去のときの扱いも聞いておく

自分で引いた回線は、退去するときに解約か移転の手続きが要ります。部屋に取り付けた光コンセントを残すか、撤去するかの話も出てきます。

撤去が要るかどうかを決めるのは、大家さんや管理会社と回線の会社です。許可をもらうときに、退去のときの扱いも一緒に聞いておくと、あとで慌てずに済みます。撤去の考え方は、別の記事にまとめています。

まとめ

この記事では、賃貸の部屋のインターネットを、入居する前に確認する方法を解説しました。

  • 入居前に確かめられるのは、主に建物の側です。実際の速さは入居して使うまで分かりませんが、配線方式で上限の見当はつきます
  • UCOM光 レジデンスやauひかり レジデンスの検索に建物が出れば、建物ぜんぶの契約がある手がかりになります。J:COMの検索に出るのはJ:COMが入っている建物で、オーナーが費用を持つ物件はマークで見分けます
  • 検索に出なくても、設備が無いとは言えません
  • 建物ぜんぶの契約があっても、入居の日から手続きなしで使えるとは限りません。自分で申し込むか、料金を払うかは、事業者と建物で違います
  • 内見では壁の差込口を見て、4つを聞きます。その場で答えが出なければ、管理会社に確かめてもらいます
  • 自分で回線を引くなら、いまの回線を持っていく場合も含めて、許可が出るかを部屋を決める前に確かめます。NTT西日本の全戸加入プランが入った建物では、光コラボを新しく申し込めません

部屋を申し込む前にここまで分かっていれば、入居した日に「つながらない」と慌てることは、ずっと減るはずです。

参考: 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)(賃貸借トラブルに係る相談対応研究会・PDF)

参考: フレッツ光のエリア検索での配線方式の見分け方について(NTT東日本)

参考: 全戸加入プランのご案内(NTT西日本)

参考: 建物名検索 / UCOM光 レジデンス(つなぐネットコミュニケーションズ)

参考: UCOM光 レジデンス ご利用の手引き(つなぐネットコミュニケーションズ・PDF)

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