「ウイルスに感染しました」は偽の警告|本物との見分け方と消し方

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パソコンでインターネットを見ていたら、突然、画面いっぱいに赤い警告が広がった。ウイルスに感染したと書いてあり、その下にはサポート窓口の電話番号。おまけに、大きな警告音が鳴りやまない——。

「本当に感染したのだろうか」「閉じようとしても閉じられない」「電話したほうがいいのだろうか」。いま、その画面を前にしてこのページを開いた方もいるはずです。

結論から言うと、ほとんどの場合、その警告を出しているのはあなたのパソコンではありません。直前まで見ていたページが描いた絵です

公的機関もはっきり書いています。警察庁は「偽のセキュリティ警告画面はウイルス感染の有無に関わらず表示されます」としています。

先に結論

1. まず音量を下げてください。警告音は焦らせるための細工です。キーボードの音量キーか、パソコン本体のつまみで下げます(画面の下にあるタスクバーの音量では下がらないことがあります)。

2. 画面に出ている電話番号には、かけないでください。IPA(情報処理推進機構)は「電話をかけなければ被害は発生しません」と書いています画面が出ただけの段階なら、IPAは「パソコンは『コンピュータウイルス』には感染しておらず、(略)閉じるだけで問題ありません」としています。

3. 閉じ方は「ESC(エスケープ)」キーを3秒ほど長押し。キーボードのいちばん左上にあるキーです。全画面が解けたら、画面のいちばん右上のすみに出てくる「×」を押します。画面の中に見えている「×」は偽物なので押しません。それでも「×」が出なければ、下の「ブラウザだけを終わらせる」「パソコンを再起動する」へ(Mac をお使いなら「Macを使っている場合」)。

閉じても消えない・再起動しても出てくるときは、原因が4つあります。この記事の中ほどで分けました。「消えない=本物」ではありません。

すでに電話をかけた・言われたソフトを入れてしまったという方は、先に「電話をかけてしまった・操作させてしまったとき」の節を読んでください。ソフトを入れてしまったなら、画面を閉じるより先に、LANケーブルを抜くかWi-Fiルーターの電源を抜いてください(電話で話しただけなら、上のESCキーの長押しで画面を閉じて構いません)。

この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、その警告がどこから出ているのか、本物とどこが違うのか、どうやって閉じるのか、そして電話をかけてしまったあとに何をすればいいのかまでを解説していきます。

⚠ この記事はパソコン(と、一部タブレット)の画面に出た警告の話です。手順の出どころにしたIPA・警察庁・山口県警察本部の資料に、スマートフォンの手順が書かれていないためです。

その全画面の警告は、パソコンではなくページが出している

「その警告は、どちらから出ているか」というタイトルの図。ノートパソコンが2台横に並んでいる。左のパソコンの白い画面の中央には、濃紺で塗られた小さな横長の四角が1つだけ置かれている。右のパソコンの白い画面には、上辺に濃紺の細い帯が付いた大きな四角があり、その帯の下は水色で塗りつぶされている。それぞれの下に「パソコンが出した窓」「ページが描いた面」と書かれている。

まず、画面に出る「警告」には出どころが2つある、というところから始めます。

1つは、パソコン自身が出すものです。Windowsのセキュリティやファイアウォールが、そのアプリの通信を許可してよいかを尋ねてくる窓が、これにあたります。

もう1つは、いま開いているページが描いたものです。ここでいうページとは、ブラウザ(Microsoft Edge や Google Chrome など、インターネットを見るための道具)で開いている中身のこと。

ウェブページは文字も色も自由に並べられるので、警告の画面そっくりの絵を描くこともできます。紙にペンで「危険」と書くのと同じで、ページの中でなら何とでも書けるのです。

「ウイルスに感染しました」と画面いっぱいに出るあの警告は、後者です。IPAは、この手口をこう説明しています。

「偽セキュリティ警告画面」(サポート詐欺)はインターネットを閲覧中に突然表示されます。

あわてて画面をクリックすると、ディスプレイいっぱいに表示されてしまい、マウス操作で閉じることができなくなってしまいます。

出典は偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ(IPA)です。

つまり、パソコンが中を調べた結果として出したものではなく、そのページに最初からそう書いてあっただけということです。

警察庁も、同じことを1文で書いています。

偽のセキュリティ警告画面はウイルス感染の有無に関わらず表示されます。

出典はサポート詐欺対策(警察庁)です。感染していてもいなくても、同じ画面が出る。だからこの画面は、感染の証拠にはなりません

だから、電話をかけていなければパソコンは無事

ここがいちばん伝えたいところです。IPAははっきりこう書いています。

画面が表示されただけであれば、 パソコンは「コンピュータウイルス」には感染しておらず、「偽セキュリティ警告画面」を閉じるだけで問題ありません。

この手口でお金が動くのは、読者が電話をかけたあとです。IPAの安心相談窓口だよりにも「電話をかけなければ被害は発生しません」とあります。

⚠ ただし、これは「画面が出ただけ」の場合の話です。指示に従って電話をかけたり、ソフトを入れたりしてしまったあとは別で、そのときにやることは後の章にまとめました。

⚠⚠ もうひとつ、閉じても消えない・再起動しても出てくるときも、この節の話から外れます。別の手口で、電話をかけていなくても被害がありうるものが混じっているためです。そちらは「何度も出る・閉じても消えないときは、まず切り分ける」の節で分けて書きました。

本物の警告と偽の警告は、どこで見分けるのか

「見るのは文面ではなく、電話番号があるか」というタイトルの図。ノートパソコンが2台横に並んでいる。どちらも白い画面の中央に、濃紺の線で囲まれた横長の四角が1つある。左の四角の中には濃紺の受話器のアイコンが描かれ、右の四角の中には何も描かれていない。それぞれの下に「電話番号がある」「電話番号がない」と書かれている。

「では、本物だったらどうするのか」。ここが次に気になるところだと思います。

よくある解説は「こんな文面に注意」という覚え方を勧めます。ただ、文面は手口が変われば古くなります。実際、IPAが実務者向けにまとめたサポート詐欺レポート(IPA)を見ると、画面は年ごとに変わっていて、2023年4月に警官風のイラストが出た時期もあれば、2023年末からログイン画面を装った時期もありました。

企業のロゴも当てになりません。警察庁は「偽のセキュリティ警告画面には、警告内容を信じさせるために、実在の企業ロゴ等が使われる場合があります」と注意を促しています

見るのは文面ではなく「電話番号があるか」

覚えることは1つで足ります。画面いっぱいに広がった警告に、電話番号が書いてある。この2つがそろっていたら、偽物と考えてください

IPAが挙げる対策の1つ目に、そのまま書かれています。

警告が画面一杯に表示されて、かつ電話番号が表示されている場合は偽物と考える。

出典はパソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意(IPA)です。

名前をかたられている側であるMicrosoftも、自社のメッセージについて同じ線を引いています。

Microsoft のエラー メッセージと警告メッセージに電話番号が記載されていることはありません。

出典はテクニカル サポート詐欺から身を守る(Microsoft)です。

⚠⚠ 逆は成り立ちません。「電話番号が無いから本物」ではありません。Microsoftが言っているのは自社のメッセージについてであって、世の中のあらゆる警告の話ではないからです。番号があれば偽物——この向きだけを覚えてください。

警告の「出どころ」は3種類ある

どれも「画面に何か出た」で始まりますが、やることは3通りに分かれます。

  • ブラウザが出したもの(ページ全体が赤い警告になる)→ 従う。そのサイトを開かない
  • Windowsのファイアウォールが出したもの(許可してよいかを尋ねる小さな窓)→ 名前とファイルの場所に心当たりがあるかで判断する
  • 開いていたページが描いたもの(画面いっぱい・電話番号つき・警告音)→ 従わない。閉じる(この記事)

⚠ 見た目がいちばん似ているのは1つ目と3つ目です。どちらも画面が真っ赤になります。取り違えると行動が正反対になるので、ここでも見るのは電話番号です。

偽の警告が出たら、画面をどう閉じるか

「押していいのは、どちらの×印か」というタイトルの図。ノートパソコンが1台。白い画面の中に、上辺が濃紺の帯になった大きな四角があり、帯の下は水色で塗られている。帯の右端には小さな白い×印がある。水色の面の中央には大きな濃紺の×印が描かれ、その下に「押しても反応しない」と書かれている。パソコンの右側の余白に「押すのはこちら」と書かれている。

やることは、その画面を閉じることです。ただ、閉じ方が普段と少し違います。

⚠ ほとんどの場合はこれで終わりますが、閉じても消えないことがあります。その切り分けは、この章の最後に置きました。

  1. STEP

    まず音量を下げる

    警告音とアナウンスは、焦らせるための細工です。IPAも「警告音やアナウンスがうるさいときはパソコンの音量を下げて落ち着いて対応してください」と案内しています

    キーボードの音量キーか、パソコン本体のつまみを使ってください。画面の下にあるタスクバーの音量では下げられないことがあります(IPAのレポートに「警報音はタスクバーでの音量調整ができなくなる」とあります)。

  2. STEP

    ESCキーを3秒ほど長押しする

    ESCキーは、キーボードのいちばん左上にあります。山口県警察本部も「キーボード左上にある「Esc(エスケープ)」キーを長押し(2~3秒間)」と案内しています

    IPAの手順はこうです。「キーボードのESCキーを3秒程長押しする。フルスクリーン状態が解除され、画面右上の「✖」(閉じる)ボタンが表示される。「✖」ボタンが見えたら、クリックして画面を閉じる」。フルスクリーンとは、ページが画面いっぱいに広がっている状態のことです。

    画面の中に見えている「✖」は押さないでください。IPAは「画面上に見えている「✖」(閉じる)マークは偽物です。クリックしても反応はありません」としています。押すのは、全画面が解除されたあとに画面のいちばん右上のすみ(ページの外側)に現れるほうです。

    ⚠ 閉じるときに「ページを移動しますか」と出ることがあります。IPAの手順書は「「移動」を選択してクリックします」としています。

  3. STEP

    出てこなければ、ブラウザだけを終わらせる(Windows)

    警察庁は、終了方法の2つ目としてこう書いています。「「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を同時に押し、タスクマネージャを起動し、利用しているブラウザを選択して、右クリック→「タスクの終了」を選択する」。

    タスクマネージャは、いま動いているアプリの一覧です。

    ⚠ ほかにも起動のしかたはあり、他機関の資料には Alt+F4 や Ctrl+Shift+Esc も載っています。ただしIPAのレポートは2023年9月頃以降、この画面では「Ctrl+Alt+Del と ESC長押し 以外が全く効かなくなった」としているので、この組み合わせで押してください。

    この方法なら、閉じるのはブラウザだけです。ほかのアプリで作業中のものがあるなら、次の再起動より先にこちらを試してください。

  4. STEP

    それでも駄目なら、パソコンを再起動する(Windows)

    ひとつ前の STEP でタスクマネージャを開いていたら、先に閉じてください。あらためて【Ctrl】【Alt】【Delete】を押すと青い画面に切り替わるので、その右下の電源アイコンから「再起動」を選びます。

    IPAも「ESCキーを長押ししても「✖」ボタンが表示されない場合、【Ctrl】【Alt】【Delete】キーを同時に押して、表示された画面から再起動を選択する」としています。

    ⚠ IPAの手順書は、あわせてこう注意しています。「※再起動すると保存していないデータは失われる場合があります。」

    ここまでで、たいていは画面が消えます。ここでも、番号には電話をかけません。

  5. STEP

    Macを使っている場合

    山口県警察本部が手順を出しています。まず、commandキーとQキーを同時に押す(アプリを終わらせるキー操作)。

    それで閉じないときは、optionキー(またはAltキー)とcommandキーとescキーを同時に押して「アプリの強制終了」の窓を出し、Safari など、いま使っているブラウザを選んで右下の「強制終了」を選びます(山口県警察本部の資料はSafariを例に挙げています)。

  6. STEP

    タブレットなら、画面をロングタップ

    キーボードが無い場合です。IPAは「全画面表示されている任意の場所をロングタップすると、画面中央の上側に×マークが表示されます。×マークをタップすることで、「ESCキー」長押しと同じ状態になります」と案内しています

    ⚠ これは、IPAが練習用のサイトの操作として書いているものです(実際の偽の警告画面とは見た目が異なる、とIPA自身が断っています)。

⚠ ここで挙げた操作は、IPA・警察庁・山口県警察本部がパソコン(と、一部はタブレット)について案内しているものです。スマートフォンの手順は、この3つの資料には書かれていません(IPAの練習用サイトも「スマートフォンでは体験できません」としています)。

閉じられないように見えるのは、細工がしてあるから

「押せるところが無い」「マウスの矢印が消えた」と感じたなら、それは気のせいではありません。

IPAが実務者向けにまとめたサポート詐欺レポート(IPA)には、この画面に施されている細工が並んでいます。

  • 「ブラウザの表示領域全体でマウスが表示されない細工が施されている」
  • 「表示領域をマウスクリックすると、全画面表示になり、警報音が鳴る
  • 「全画面表示は、TopMost属性(最前面に表示)のため、他のウィンドウが全て偽警告表示の裏側に隠れ偽警告以外が表示されない」
  • 「警報音はタスクバーでの音量調整ができなくなる

そして、その結果をIPAはこう書いています。

一般のユーザは操作ができなくなったと思い込んでしまう

大事なのは「思い込んでしまう」という書き方です。ページには、その画面の外を勝手に操作する力はありません。できるのは、自分の絵を画面いっぱいに広げること、音を鳴らすこと、矢印を隠すこと——ページに最初から許されている範囲だけです。

全画面になるのも、勝手に起きるわけではありません。ブラウザの決まり(Fullscreen API Standard)では、ページの求めで全画面にするには、利用者が直前に何か操作していることが条件になっています。だからIPAの説明も「あわててキャンセルボタンなどをクリックすると、偽の警告が画面全体に広がるフルスクリーン表示に変わり」という順番なのです。

⚠ ここでいう「クリックしない」は、警告が出た直後の話です。まだ画面いっぱいになっていない段階でクリックすると、全画面に切り替わってしまいます。すでに画面いっぱいになっているなら、それ以上悪くはなりません(あとで出てくる切り分けの1つ目では、逆に一度クリックすることが必要になります)。

⚠ ふだん全画面から戻るときに使うF11キーは効きません。IPAのレポートも「ブラウザの F11 キーによる、全画面表示⇔可変サイズウインドウ の切り替えは、偽警告表示では使えない」としています。使うのはESCの長押しです。

何度も出る・閉じても消えないときは、まず切り分ける

「ブラウザを閉じたあと、どうなったか」というタイトルの図。ノートパソコンが2台横に並んでいる。左のパソコンの画面は真っ白で何も描かれていない。右のパソコンの画面は端から端まで水色で塗りつぶされている。左の下に「消えた」「たいていはここまで」、右の下に「消えない」「下の4つのどれか」と書かれている。

ここが、多くの解説で飛ばされているところです。「閉じれば終わり」で済まない場合が、4つあります。

⚠⚠ はじめに1つ。消えないからといって「本物だった」とは考えないでください。電話番号が書いてあるなら、消えても消えなくても偽物です。

症状正体やること
ESC長押しが効かない。電源を切って入れ直したのに、まだ出ているノートパソコンがスリープだっただけ。復帰した直後はブラウザがキー操作を受け取れない画面を一度クリックしてから、あらためてESC長押し
閉じたあと、ブラウザを開き直したらまた同じ画面が出たページの復元を押した「復元」を押さず、右上の「×」で閉じる
画面の右下から警告が繰り返し出る。ブラウザを閉じても止まらないブラウザの通知のしくみが使われているブラウザの設定から、その通知の許可を削除する
画面全体・キーボードもマウスも一切受け付けない。再起動しても変わらない別の手口。2024年6月から相談が寄せられているもので、IPAが「操作不能の偽メッセージ」として注意喚起している下の手順へ

1つ目は、IPAのレポートが原因まで書いています。「被害者は電源ボタンを押して電源を切ったつもりだが、ノートパソコンはスリープ状態で電源が切れている」「スリープから復帰した際には、ブラウザがフォーカスを持っておらず、ESCキー長押しが効かない」。一度クリックすれば、キー操作がブラウザに届くようになります。

2つ目は、ブラウザを開き直したときに起きます。そこで出る「ページの復元」を押すと、閉じたはずの警告がそのまま戻ってくるのです。IPAの手順書には、こう書かれています。

ブラウザを再起動するとページの復元を促すメッセージが表示されることがあります。その場合は、「復元」をクリックしないで右上の「X」をクリックしてください。「復元」をクリックしてしまうと、ブラウザ終了時にアクセスしていたページを再読み込みするため、再度、同じ警告画面が表示されてしまいます。

出典はサポート詐欺で表示される偽のセキュリティ警告画面の閉じ方(IPA・PDF)です。山口県警察本部も同じ注意を書いています。

3つ目は、ブラウザの通知を悪用する型です。IPAには「ブラウザを閉じても通知が止まらない」という相談が寄せられており、「ブラウザから通知の設定を削除することで対処します」と案内されています。消し方はブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意(IPA)にまとまっています。

4つ目は、これまでの話とは別の手口です。IPAは2024年6月から相談が寄せられているとして、こう注意喚起しています。

ウェブブラウザに偽の警告を表示していたものとは手口が異なり、これまでのサポート詐欺の手口でご案内した対処が通用しないことが確認されています。

出典はパソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中(IPA)です。IPAが挙げている対処は次の順番です。

  1. STEP

    ネットワークを切る

    LANケーブルでつないでいるならケーブルを抜きます。Wi-Fiなら、Wi-Fiルーターの電源を切るか、コンセントから抜きます。パソコンが操作できないので、外側から切るわけです。

    IPAは「操作不能の偽メッセージが表示されている間に遠隔操作されたケースを確認していますので重要な対処となります」としています。

  2. STEP

    2〜3分、そのまま様子を見る

    「ネットワークを切断することで、操作不能の偽メッセージが消えて通常操作できるように復旧したケースを確認しています」とあります。消えなければ次へ進みます。

  3. STEP

    【Ctrl】【Alt】【Delete】で反応を見る

    青い画面に切り替わったら、右下の電源アイコンからシャットダウンを選びます。反応がなければ次へ進みます。

  4. STEP

    電源ボタンを長押しして電源を切る

    最後の手段です。ここまで来たら、次の段落を読んでから使ってください。

⚠⚠ IPAは、この型については電源を切ったあとも、復旧したあとも、初期化を勧めています。ただし「初期化を実施すると、それまでパソコンに保存されていたデータは消失します」ともあります。手順や不明点は、パソコンのメーカーに確認してください。

⚠ セキュリティソフトでは消えない型でもあります。IPAは「正規のアプリケーションソフトを悪用している手口であり、プログラムそのものはウイルスではなく、セキュリティ対策ソフトでは検知されないと考えます」としています。

⚠ なお、IPA自身が「原因および目的などは不明な部分が多い」「従来のサポート詐欺との関連は2024年8月時点で不明です」と書いています。この記事でも、そこは断定しません。

電話をかけてしまった・操作させてしまったとき

「遠隔操作は、3つそろわないと動かない」というタイトルの図。同じ大きさの縦長の四角い枠が3つ横一列に並び、そのあいだに濃紺の+印が2つ置かれている。枠の中はどれも白で、何も描かれていない。それぞれの下に「ソフトが入っている」「ネットワークにつながっている」「本人が許可した」と書かれている。

ここからは、すでに電話をかけてしまった方へ向けた章です。

迷ったら、この2つから

1. 言われたソフトを入れてしまったなら、まずパソコンをネットワークから切り離します。LANケーブルを抜くか、Wi-Fiルーターの電源を抜きます。理由はこの節の後半に書きました。

2. かける番号を1つだけ選ぶなら「188」(消費者ホットライン)です。国民生活センターは「不安に思った場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等や警察へ相談しましょう」と案内しています。パソコンの状態については、そのあとでIPAの窓口に相談できます(番号は下の表)。

そのうえで、やることはどこまで進んだかで変わります。

どこまで進んだかやること
話しただけで切った(何もインストールしていない)画面を閉じて、念のためブラウザの履歴を消去する。IPAは「お使いのパソコンには何も影響はないと考えられます」としている
言われたソフトを入れて、遠隔操作されたすぐネットワークを切る → そのソフトをアンインストール → Windowsの「システムの復元」。画面に出していたサービスのパスワードも変える(IPA・警察庁とも推奨)
ネットバンキングを開かされた送金前ならパスワードを変更し、身に覚えのない取引がないか確認して銀行に相談。送金してしまったら、至急、振込先の銀行へ。あわせて自分の銀行と警察へ
お金を払ってしまったクレジットカードならカード会社に連絡して支払いの停止を依頼。電子マネーなら管理会社へ被害連絡し、決済手続の停止を依頼する

出典はIPAの安心相談窓口だより警察庁のサポート詐欺対策です。警察庁は「可能であれば初期化を行い、パスワードを変更してください」としています。

⚠ アプリの一覧に見当たらないことは、安心の根拠になりません。IPAは「遠隔操作ソフトの中にはインストール作業を必要とせず、アプリの一覧にも表示されないものがあります。その場合は、「システムの復元」だけを行ってください」としています。

電子マネーやギフトカードで払ってしまった場合は、コンビニのレシートと、買ったカードそのものを捨てないでください。警察庁は「支払ったクレジットカードの履歴や購入した電子マネーのカードも保存してください」としています。

⚠ 支払いが止まるかどうかは、資料に書かれていません。警察庁の記述は「電子マネーの管理会社へ被害連絡し、決済手続の停止を依頼するとともに、救済措置について相談してください」までです。止まるとも止まらないとも言えないので、連絡を先に延ばさないことだけをお勧めします。

「いまも見られているのでは」と不安になったときのために、もう1つ。遠隔操作は、次の3つがすべてそろわないと実行できません。IPAが挙げている条件です。

  • 「操作される側」のパソコンに遠隔操作ソフトがインストールされ、パソコンとソフトが起動していて遠隔操作可能な状態になっている
  • 「操作される側」のパソコンがネットワークに接続され、通信が可能となっている
  • 「操作される側」が、パソコンの遠隔操作ソフトが外部から操作されることを許可する

だから、ネットワークを切ることが最初の一手になります。2つ目の条件が崩れるからです。

怖くなって電源を切り、そのままにしてあるという方も多いはずです。その状態では、1つ目の条件にある「パソコンとソフトが起動していて」が満たされません。次に電源を入れる前に、LANケーブルを抜くか、Wi-Fiルーターの電源を抜いておいてください。

警察に相談するなら、証拠を残しておきます。警察庁は「偽のセキュリティ警告画面やインストールしたソフトウェアが分かる資料のほか、支払ったクレジットカードの履歴や購入した電子マネーのカードも保存してください」としています。

相談したいこと窓口番号
契約を取り消したい・お金のこと消費者ホットライン(最寄りの消費生活センターへつながる)188
警察に相談したい(緊急ではないもの)警察相談専用電話#9110
画面の消し方など、パソコンの技術的なことIPA 情報セキュリティ安心相談窓口03-5978-7509(10:00〜12:00、13:30〜17:00。土日祝日・年末年始を除く)

⚠ ここに並べたのは、あなたが自分で調べてかける番号です。画面に出ていた番号とは別物なので、混ぜないでください。窓口の出典はパソコンで警告が出たらサポート詐欺に注意!−70歳以上で大幅に増加−(国民生活センター)です。

被害に遭ったときは資料を持って最寄りの警察署へ。警察庁は「事前に電話で担当者と日時や持参する資料の調整をしていただくと対応がスムーズに進みます」としています。

偽の警告に出会う前に、やっておけること

最後に、次に備えてできることを書きます。ただ、その前に1つはっきりさせておきます。

怪しい広告やリンクを、事前に見分けて避けるのは難しい——これはIPA自身の言葉です。

こうした不審な広告や検索結果を事前に見分けるのは難しく、クリックして偽のセキュリティ警告に誘導されてしまう場合があります。

出典はサポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?(IPA)です。同じ資料が、きっかけとして次の4つを挙げています。

  • 不審な広告のクリック
  • 不審なサイトに誘導する検索結果をクリック
  • アダルトサイトの動画再生ボタンをクリック
  • ブラウザの通知機能を悪用した偽のセキュリティ警告通知をクリック

広告枠に「次のページ」とだけ書かれていて、広告に見えないものもあるとされています。「気をつける」だけでは、避けきれません。

だから、力を使う先は避けることではなく、出たときに困らないことのほうです。

  • 閉じ方を、出る前に練習しておく。IPAが偽のセキュリティ警告画面の閉じ方体験サイトを公開しています(パソコン専用。音が出るので、始める前に音量を確認してください
  • 身に覚えのないダウンロードは、クリックしない。IPAは「実行形式のファイルはクリックするだけで実行してしまいますので、意図しないダウンロードがあった場合は絶対にクリックしないでください」としています
  • ブラウザの通知の許可を見直しておく。右下から繰り返し出る型は、ここから入ってきます
  • 家族に「電話番号が出たら偽物」とだけ伝えておく。国民生活センターは、70歳以上の相談が大幅に増えたと公表しています(2024年3月)

この手口は、いまも続いています。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」で、「サポート詐欺(偽警告)による金銭被害」は7年連続7回目の選出でした。2020年に初めて選ばれてから、一度も外れていません

⚠ なお、この一覧は個人向けについては順位が付いておらず、五十音順に並べられています。「何番目に危ない」という意味ではありません。出典は情報セキュリティ10大脅威 2026(IPA)です。

まとめ

この記事では、「ウイルスに感染しました」と全画面に出る警告について、どこから出ているのか、本物とどう見分けるのか、どう閉じるのかを解説しました。

  • その警告の多くは、パソコンではなく、開いていたページが描いたもの。警察庁は「ウイルス感染の有無に関わらず表示されます」としている(ただし例外の型がある
  • 見分けるのは画面いっぱい+電話番号の2つ。⚠ 逆に「番号が無ければ本物」ではない
  • 閉じ方はESCキーを3秒ほど長押し画面の中の「×」は偽物。駄目ならタスクマネージャでブラウザだけを終わらせ、最後に再起動
  • 閉じても消えない=本物、ではない。スリープ・ページの復元・ブラウザの通知・別の手口の4つに分けて考える
  • 言われたソフトを入れて遠隔操作されたなら、まずネットワークを切る。相談先は188#9110、パソコンのことはIPA

いま画面の前にいるなら、まず音量を下げてください。焦らせるための音です。そして、画面に出ている番号にだけは、電話をかけないでください。どの型であっても、そこが分かれ道になります。

参考: パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意(IPA)

参考: サポート詐欺で表示される偽のセキュリティ警告画面の閉じ方(IPA・PDF)

参考: パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中(IPA)

参考: サポート詐欺対策(警察庁)

参考: サポート詐欺「偽警告画面」の消し方(山口県警察本部)

参考: パソコンで警告が出たらサポート詐欺に注意!−70歳以上で大幅に増加−(国民生活センター)

参考: テクニカル サポート詐欺から身を守る(Microsoft)

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