会計ソフトの乗り換え|前のソフトを解約すると過去の帳簿はどうなるか

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「新しい会計ソフトに切り替えたし、前のソフトはもう解約していいよね?」——そう聞かれて、すぐに答えられるでしょうか。

「過去の帳簿は新しいソフトに移していないけれど、解約したら見られなくなるの?」と不安になった方もいるかもしれません。

実は、会計の帳簿は、新しいソフトに移さなかった過去の分も、法律で決まった年数のあいだ残しておく必要があります。そして、前のソフトを解約したあとに過去の帳簿を見られるかどうかは、ソフトの会社によっても、やめ方によっても変わります。

この記事では、経理や総務を兼ねている方でも判断できるように、前の会計ソフトをやめる前に、過去の帳簿を何年残すかを確かめ、どの形で残すかを決める手がかりをそろえて、困らない順番で手続きするところまでを説明します。扱うのは、ブラウザで使うクラウドの会計ソフトです。勤怠や給与のソフトを替えるときのことも取り上げます。ソフトの選び方や料金には触れません。

もう前のソフトを解約してしまった方は、「もう解約してしまったときは」から読んでください。

会計ソフトの乗り換えは、ファイルの引っ越しと違う

年度の境目で会計ソフトを切り替える図解。左に前のソフトを表すノートパソコンと、閉じた紺の帳簿が3冊積んである。中央に年度の境を表す縦の点線があり、左のパソコンの上から点線をまたいで右へ矢印が伸び、右の新しいノートパソコンの横にある水色の硬貨3枚を指している。帳簿は左に残ったまま。上に「年度の始まりで切り替える」、左に「前のソフト」「過去の帳簿は残る」、右に「新しいソフト」「期首の残高から始める」と書かれている。

文書や表のファイルなら、新しいサービスに移して、開けることを確かめてから前のサービスを解約すれば、引っ越しは終わります。その確かめ方はクラウドサービスの乗り換えの記事で説明しています。

会計ソフトは、そうはいきません。帳簿には年度(会計期間)の区切りがあり、過去の年度の分は、新しいソフトに移さないことがあるからです。

家計簿にたとえると、新しいノートには今年の初めの残高から書き始めて、去年までのノートは捨てずにしまっておく、という替え方です。

ただしクラウドの会計ソフトでは、去年までのノートは自分の棚ではなく、ソフトの会社に預けてあります。解約したあとにそのノートを開けるかどうかは、会社しだいです。

年度の始まり(期首)に切り替えると、移すものが少ない

会計の年度の初日を期首(きしゅ)と呼びます。

freee は【法人】他社会計ソフトからのデータ乗り換えの流れまとめで、ほかの会計ソフトから乗り換えるときの進め方を、「期中乗換か期首乗換か」と「前期比較を行うかどうか」の組み合わせで4つに分けています。期首日が4月1日の会社が7月1日に乗り換える、という例を「期中乗換」として挙げています。

このうち、期首に乗り換えて、前の年度との比較もしないなら、「開始残高の設定」と「仕訳データの移行」のうち、必要なのは開始残高の設定だけです。年度の途中で乗り換えるなら、その年度の分の仕訳も、乗り換えた時点まで移すことになります。

開始残高は、年度の初め(期首)の時点で、預金や借入金などがいくら残っていたかのことです。マネーフォワードは「開始残高」画面の使い方で、「期首時点における資産・負債・資本の残高」を入力すると案内しています。freee も乗り換えの手順の表で「当期の期首時点の開始残高を登録します。」としていて、登録する残高の例に「現預金、固定資産、債権・債務、借入金等」を挙げています。

ただし、期首に切り替えても、前の年度の決算を前のソフトで締めるなら、決算書ができるまで前のソフトは止められません。freee は1.3 開始残高の設定で、「まだ前期の決算が済んでいない場合、開始残高の設定は決算書ができてから行います。」としています。

過去の仕訳を、全部移すとは限らない

過去の年度の仕訳(取引の記録)を新しいソフトに移すかどうかは、自社で決めることです。freee は同じページで、仕訳データの移行を「任意で行う操作」とし、必要になる場面として次の2つを挙げています。

  • 「現在の会計年度から見て、前期の会計情報との比較を行いたい場合」
  • 「現在の会計年度の途中からfreeeの使用を開始する場合」

あとから過去の年度も新しいソフトに入れたくなりそうなら、使い始める前に決めておきます。弥生は弥生会計 Nextに過去の仕訳データをインポートしたいで、「弥生会計 Nextに過去のデータをインポートして(取り込んで)管理する場合は、インポートしたい会計期間から弥生会計 Nextの利用を開始する必要があります。」と書き、「過去の年度は後から追加することができないため」とも説明しています。

ここで大事なのは、移さなかった過去の帳簿は、前のソフトの中に残ったままだということです。では、その帳簿は何年残せばよいのでしょうか。

過去の帳簿を残す年数は、法律で決まっている

左に紺の帳簿3冊と大きな砂時計、右にノートパソコンと小さな砂時計を、つながずに離して並べた図解。上に「残す年数と、ソフトが保つ期間は別に決まる」、左に「法律で決まる年数」「法人の帳簿は7年」、右に「ソフトの会社が決める期間」「会社ごとの決まり」と書かれている。

法人の帳簿を残す年数(保存期間)は、法人税の法令で決まっています。国税庁はNo.5930 帳簿書類等の保存期間で、帳簿と書類を「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間」保存しなければならないと説明しています。

ここでいう帳簿の例として、国税庁は「総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など」を挙げています。会計ソフトで作っている帳簿の多くが、ここに入ります。

数え始めるのは、年度の終わりではなく、確定申告書の提出期限の翌日です。また、欠損金(青色繰越欠損金)が生じた年度などは、7年ではなく10年(平成30年4月1日より前に始まった年度は9年)になると、同じページに書かれています。

個人事業主は、申告の種類と書類によって年数が分かれます。国税庁のNo.2070 青色申告制度は、青色申告の帳簿と書類は「原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。」としています。白色申告の場合は、個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存についてに年数の表があります。

ソフトの会社がデータを保つ期間は、法律とは別に会社しだい

気をつけたいのは、ソフトの会社がデータを保つ期間は、法律の年数とは関係なく、それぞれの会社の決まりしだいだということです。

たとえば弥生会計 Next と弥生会計 オンラインでは、契約の更新を止めたあとの「無料プラン」でデータを保持すると利用規約に書かれているのは、無料プランの契約が続くあいだ(移った日から3年まで)です。くわしくは「見えなくなるが、データは残っている型」で見ます。一方、確かめた freee とマネーフォワードの案内には、解約したあとデータをいつまで保つかは書かれていませんでした。

弥生の3年と、法人の帳簿の7年は、数え始める日が違うので、そのまま引き算はできません。それでも、ソフトに預けたままにしておけば7年もつ、とは言えないことはわかります。

前の会計ソフトを解約すると、過去の帳簿が見られるかは会社で違う

3つの箱を横に並べた図解。左は透明なガラスのケースの中に紺の帳簿が1冊立っていて外から見える、中央はふたの閉じた白い箱で中は見えない、右はふたの開いた空の白い箱。上に「解約したあとの過去の帳簿は3つの型」、下に左から「① 見られるが、CSVでは出せない」「② 見えないが、残っている」「③ 契約し直しても戻らない」と書かれている。

では、前のソフトを解約したら、預けてあった過去の帳簿はどうなるのでしょうか。

2026年9月に、freee・マネーフォワード・弥生の3社の案内を確かめたところ、解約したあとの扱いは3つの型に分かれました。どの型がよい、悪いという話ではありません。やめたあとの扱いが違う、というだけです。

例(やめ方)やめたあとの過去の帳簿
見られるが、CSV では書き出せなくなるマネーフォワード クラウド会計(有償のプランの解約)ログインすれば見られる。仕訳帳などは PDF で出せるが、CSV では出せない
見えなくなるが、データは残っているfreee会計 法人向け(お支払いの停止)
弥生会計 Next・弥生会計 オンライン(更新の停止)
見られない。データは保存されている(弥生は無料プランのあいだ)
見られなくなり、契約し直しても戻らない弥生会計 Next・弥生会計 オンライン(解約)見られない。再契約しても、解約前のデータは使えない

弥生が2つの型にまたがっているのは、弥生には「解約」と「更新の停止」という2つのやめ方があり、結果が違うからです。これは「データが残るやめ方と、データを手放すやめ方がある」で見ます。

見られるが、CSV では書き出せなくなる型

マネーフォワードは契約中の有償プランを解約すると、仕訳は削除されますか?という質問に、こう答えています。

有償のプランを解約しても、仕訳は削除されません。

該当の事業者にログインすれば、いつでも確認することが可能です。

一方、50件を超える仕訳の登録やCSVエクスポートなどの操作はできません。

ただし、マネーフォワードの無償利用状態で利用できる機能を教えてください。によると、有償契約を契約していない事業者(無償利用状態)でも、会計では「仕訳帳・総勘定元帳・補助元帳・残高試算表・決算書の閲覧とPDF出力」ができます。使えないのは、各種CSVの出力などです。

つまり、解約したあとも、仕訳帳や総勘定元帳などは PDF なら出せますが、CSV では書き出せません。CSV で残したいなら、解約の前に済ませます。法人向けの freee はプラン未契約になると仕訳帳・総勘定元帳を CSV でも PDF でも出せないので、ここが2社の違いです。

見えなくなるが、データは残っている型

freee はfreeeから退会する(お支払いを停止する)で、お支払いを停止すると、支払い済みの有料プランの期間が終わったあとに「プラン未契約」に戻る、と案内しています。

法人向けのプラン未契約で使える機能は限られます。freee の【法人】プラン未契約(無料プラン)の一部機能の提供終了についての比較表では、プラン未契約は次のようになっています。

機能プラン未契約
取引データの閲覧・編集利用不可
仕訳帳のCSV/PDF出力利用不可
総勘定元帳のCSV/PDF出力利用不可

一方で、同じページは「freee会計に登録しているデータは保存されています。有料プランに契約すると過去データの閲覧・編集含め利用できます。」としています。見えなくなっても、消えたわけではありません

弥生会計 Next と弥生会計 オンラインで「更新の停止」を選んだ場合も、この型です。弥生のサービスを解約したい/サービスの継続利用を停止したいによると、更新を止めると、今の契約期間の終了日以降は「無料プラン」に変わります。

その無料プランでは、弥生会計 Next にも弥生会計 オンラインにもログインできなくなります(無料プランについて知りたい)。そのうえで「弥生会計 Next」利用規約の第11条が、無料プランのあいだは移る前のデータを保持し、無料プランの契約は移った日から3年間が経過するまで続く、と定めています。「弥生会計 オンライン」利用規約の第11条も、同じ内容です。

見られなくなり、契約し直しても戻らない型

弥生のクラウドサービスで「解約」を選ぶと、手続きをした日が契約終了日になります。同じ案内には、こう書かれています。

契約終了日以降、データの参照を含めてサービスはご利用いただけません。解約前に帳簿を保存することをお勧めします。

(中略)

解約後に再契約する場合は、新規での契約となります。

解約前のデータを利用することはできません。

契約し直しても、解約前の帳簿は戻りません。弥生は解約したクラウドサービスを再契約したいでも、「解約された契約で使用していたデータの引き継ぎができませんので、ご注意ください。」と念を押しています。

データが残るやめ方と、データを手放すやめ方がある

確かめた3社には、どこもデータを残したまま支払いだけを止めるやめ方と、データまで手放すやめ方があります。

ソフトデータが残るやめ方データを手放すやめ方
freee会計お支払いの停止事業所の削除(「保存されているすべてのデータが削除されます」)
マネーフォワード クラウド会計有償のプランの解約マネーフォワード ID の退会(「そのマネーフォワード IDに紐づくすべてのデータが完全に削除され、復元ができません」)
弥生会計 Next・弥生会計 オンライン更新の停止(無料プランのあいだ保持)解約(再契約しても使えない)

freee の事業所の削除は、freeeから退会する(お支払いを停止する)というページと、事業所を削除するというページに書かれています。マネーフォワード ID の退会は、マネーフォワード IDを退会したいです。注意事項はありますか?に書かれています。また、マネーフォワード IDの退会方法によると「事前にマネーフォワード IDを利用しているすべてのサービスから退会しておく必要があります。」とされていて、会計ソフトを含むすべてのサービスから退会したあとの操作です。

データを手放すやめ方を選ぶと、3つの型のうち「見られなくなり、契約し直しても戻らない」の側になります。

名前がまぎらわしいのが弥生です。弥生の「解約」は、データまで手放す側です。支払いを止めたいだけなら、「次回の更新を停止する」のほうを選びます。

マネーフォワードの会計ソフトには、ほかにも事業者ごとの「利用終了」と、アカウントごとの「退会」があります(事業者の利用終了について)。「退会」については、「ユーザー設定」画面の使い方に「退会するとメールアドレスに紐づく金融機関情報等のデータが削除されます。削除されたデータは復旧できません。」とありますが、仕訳がどうなるかは書かれていませんでした。「利用終了」でデータがどうなるかも、確かめた案内には書かれていませんでした。これらの操作をする前に、マネーフォワードに確かめてください。

借りて使うソフトをやめたときのデータの扱いがやめ方で変わるのは、会計ソフトに限りません。Microsoft 365 の例は、SaaSの記事で説明しています。

もう解約してしまったときは

ここでいう「解約」は、支払いの停止・更新の停止・解約・退会・削除など、前のソフトをやめる手続き全般のことです。解約してから気づいた場合でも、型によっては過去の帳簿をまた見られます。

  • マネーフォワード クラウド会計(有償のプランの解約)… ログインすれば、過去の仕訳を確認でき、仕訳帳や総勘定元帳は PDF で出せます。CSV では出せません
  • freee会計(お支払いの停止)… 有料プランに契約すると、過去データを閲覧できます
  • 弥生会計 Next・弥生会計 オンライン(更新の停止)… 無料プランのあいだはデータが保持されています。無料プランではログインできないので、もう一度見るには有償プランへの変更が必要です
  • 弥生の解約・freee の事業所の削除・マネーフォワード ID の退会… 解約前のデータは使えない、またはデータが削除されます

弥生の場合は、「サービスを解約する」と「次回の更新を停止する」のどちらを選んだかで結果が正反対になります。弥生は契約プランや契約内容を確認したいで、「クラウドサービスの契約プランや契約内容は、マイポータル(Web) から確認することができます。事業グループの管理者の弥生IDでログインします。」とし、契約の詳細の画面で「プラン名、契約期間など」を確かめられると案内しています。弥生の無料プランは、有償プランの契約の更新を停止したときなどに移るプランなので、無料プランになっていれば更新の停止の側です。

自分のやめ方がどれに当たるか分からなければ、そのソフトのサポートに「解約した契約の過去の帳簿を見られるか」を聞いてください。

見られる状態に戻せたら、「前の会計ソフトを解約する前に、過去の帳簿を残す」の順番で帳簿を書き出して開けることを確かめ、データが残るやめ方で止め直します。

データが戻らないとわかったときは、乗り換えのときに書き出したファイルや、決算のときに作った書類、顧問の税理士に渡した資料が手元に残っていないかを探します。書き出せないまま保存の年数が続く帳簿があるときは、顧問の税理士に相談してください。

前の会計ソフトを解約する前に、過去の帳簿を残す

4つの絵を矢印でつないで横に並べた図解。左から、向かい合って話す2人、ノートパソコンの画面から水色の矢印が下のフォルダへ入る絵、開いたフォルダの紙を虫めがねで見る絵、一時停止のボタン。上に「書き出してから止める」、下に左から「決める」「書き出す」「開いて確かめる」「止める」と書かれている。

ここまでをふまえると、前のソフトをやめる前にやることは、次の順番になります。

  1. STEP

    残す年数と形を、顧問の税理士と決める

    何年分を残すかに加えて、どの形で残すかを決めます。帳簿を電子データのまま残すことは、電子帳簿保存法で「一定の要件の下で」認められています(国税庁電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】の問1)。

    同じ問1は、インターネットを通じた取引など(電子取引)でやり取りした注文書や領収書の情報は、電子データのまま保存しなければならない、とも説明しています。そうしたデータを前のソフトに取り込んで保存しているなら、それも書き出すものに含めるかを、あわせて確かめます。

    自分の会社の帳簿を、どの形で残せば決まりを満たすかは、この記事では判定しません。顧問の税理士に「前のソフトの帳簿を、どの形で何年残すか」を確かめてください

  2. STEP

    前の年度の決算を、前のソフトで締める

    前の年度の決算を前のソフトで締めるなら、決算書ができるまでは前のソフトを使える状態にしておきます。新しいソフトの開始残高も、その決算書の数字から入れます(freee の「1.3 開始残高の設定」)。書き出すのは、決算を締めたあとの帳簿です。

  3. STEP

    前のソフトの「やめ方」と、手続きの期限を確かめる

    そのソフトのヘルプで「解約」「退会」「データ」を探し、データが残るやめ方と、データまで手放すやめ方を見分けます。会社によっては、同じ「解約」という言葉が別の意味で使われています。

    手続きには期限があります。弥生は年契約について、次回の更新の停止は「メールに記載された期間内」に、解約は「契約終了月の前月末日まで」にするよう案内しています。弥生の月契約では、更新の停止は「契約終了月の末日までであれば原則、いつでも操作可能です。」とされています(サービスを解約したい/サービスの継続利用を停止したい)。freee は、支払いを止めても、支払い済みの期間が終わるまではそのプランを使えます。前の年度の決算の予定と、次の更新日を並べて決めます。

  4. STEP

    やめる前に、帳簿を書き出す

    やめたあとは書き出せない、または書き出せる形が限られるソフトがあります。マネーフォワードは解約後の CSV の出力を、freee は法人向けのプラン未契約での仕訳帳・総勘定元帳の CSV/PDF 出力を、どちらもできないとしています。弥生も「解約前に帳簿を保存することをお勧めします。」と案内しています。

    書き出すのは、税理士と決めた帳簿です。国税庁が帳簿の例に挙げている総勘定元帳や仕訳帳などのうち、前のソフトで作っていたものが候補になります。形は PDF や CSV などがあり、どれで残すかも税理士と決めます。ソフトに取り込んだ領収書や請求書のファイルがあれば、書き出せるかを見て、一緒に残します。

  5. STEP

    書き出したファイルを開いて確かめる

    残す年度がすべてそろっているか、ファイルが開けるかを見ます。確かめ方は、ファイルを移すときと同じです。クラウドサービスの乗り換えの記事で、移したあとの確かめ方を説明しています。

  6. STEP

    データが残るやめ方で止める

    支払いを止めたいだけなら、データが残るほうのやめ方を選びます。データまで手放す操作は、残す年数が過ぎて、書き出したものに困らないと確かめてからにします。

勤怠や給与のソフトを乗り換えるときも、残す年数がある

左に重ねたタイムカードと時計、右にノートパソコンの画面から水色の矢印が下のフォルダへ入る絵を並べた図解。上に「勤怠の記録も、残す年数がある」、左に「タイムカードなどの記録」「5年(当分のあいだは3年)」、右に「やめる前に書き出す」と書かれている。

勤怠のソフト(勤怠管理システム)や給与のソフトにも、同じことが言えます。こちらは労働基準法で、残す年数が決まっています。労働基準法の第109条と、附則の第143条はこうです。

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。

つまり、本来の年数は5年で、当分のあいだは3年です。附則第143条は、この「当分の間」がいつまでかを書いていません。2020年の改正法の附則は、施行から5年を経過したところで、改正後の規定について検討を加えると定めています。その5年はすでに過ぎていますが、2026年9月に e-Gov で確かめた現行の条文でも、附則第143条は「三年間」のままです。

対象は、労働者名簿や賃金台帳だけではありません。厚生労働省のリーフレット未払賃金が請求できる期間などが延長されていますは、労働基準法の「その他労働関係に関する重要な書類」に当たるものの例として、「出勤簿、タイムカードなどの記録」を挙げています。

勤怠のソフトも、やめたあとの扱いは会社で違います。2026年9月に確かめた4つの例です。

やめたあとの扱い
KING OF TIME(直販の解約)解約日の翌日から、管理画面へのログインをはじめ、すべての操作ができなくなる。データの閲覧や出力もできない
ジョブカン勤怠管理(解約)無料プランに切り替えるか、アカウントを停止するかを選ぶ。無料プランでは30日以上前のデータを閲覧・ダウンロードできず、アカウントを停止するとデータは削除される
HRMOS勤怠(退会)ログインできなくなり、勤怠データの出力もできなくなる。登録したデータは復元できない
弥生勤怠 Next(無料プラン)ログインできなくなる

出典は、KING OF TIME の本システムの解約方法、ジョブカンのジョブカン勤怠管理を解約するにはどうすればよいですか?、HRMOS の登録したアカウント(サイト)削除をしたいので方法を教えてください、弥生の無料プランについて知りたいです。KING OF TIME は「解約前のデータが必要な場合は、各製品のデータを事前にエクスポートしてください。」と案内しています。

HRMOS勤怠は、やめなくても、無料プランでは申し込みから1年が経つと、1年以上前の勤怠データが順に見られなくなっていきます(無料プランの「勤怠データ保存期間1年」とは?)。

給与のソフトでは、弥生給与 Next が無料プランになると「ログインして閲覧のみ行えます。」とされています。同じ会社の中でも、ソフトによって扱いが違うということです。

給与の書類には、税の決まりで残す年数が決まっているものもあります。国税庁はNo.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間で、扶養控除等申告書を「その申告書等の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間」保存する必要があるとしています。

勤怠のソフトを替えるときは、新しいソフトで打刻が始まってから前のソフトを止めるまでのあいだに、出勤簿やタイムカードなどの記録を書き出しておきます。KING OF TIME のように、解約日の翌日から出力もできなくなるソフトがあるからです。

5年(当分のあいだは3年)は、ソフトがデータを保つ期間よりずっと長いことがあります。どの書類を何年残すかは、社会保険労務士や税理士に確かめてください。社会保険労務士がいなければ、厚生労働省のリーフレットは「事業所の所在地を管轄する都道府県労働局または労働基準監督署」に尋ねるよう案内しています。

まとめ

この記事では、会計ソフトを乗り換えたあと、前のソフトを解約すると過去の帳簿がどうなるかを説明しました。

  • freee の案内では、期首に乗り換えて前の年度と比べないなら、仕訳は移さず、開始残高の設定だけで済む。移さなかった過去の帳簿は、前のソフトに残る
  • 法人の帳簿は、確定申告書の提出期限の翌日から7年(欠損金が生じた年度などは10年)残す。ソフトの会社がデータを保つ期間は、これとは別で、会社しだい
  • やめたあとの過去の帳簿は、見られるが、CSV では書き出せなくなる型、見えないが残っている型、契約し直しても戻らない型に分かれた(2026年9月に3社の案内で確認)
  • 確かめた3社には、データが残るやめ方と、データまで手放すやめ方がある。弥生の「解約」は、手放す側
  • やめる前に、残す年数と形を税理士と決め、前の年度の決算を前のソフトで締めるなら、そのあとで帳簿を書き出し、開けることを確かめて、データが残るやめ方で止める
  • 勤怠や給与の記録は、労働基準法で5年(当分のあいだは3年)残す。給与の書類には税の決まりで7年のものもある。勤怠のデータも、やめる前に書き出す

前のソフトは、帳簿を書き出して開けることを確かめてから、データが残るやめ方で止めてください(弥生なら「次回の更新を停止する」)。

参考: No.5930 帳簿書類等の保存期間(国税庁)

参考: 労働基準法(e-Gov 法令検索)

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