共有メールアドレスは誰が見る?info@の届き方3つと人が抜けるとき

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「info@ に来たメール、見ておいてね」——そう頼まれて受信箱を開いたものの、ほかの人も同じメールを見ているのか、誰が返事をすることになっているのか、はっきりしないことはありませんか?

「辞めた人にも、まだ届いているんじゃない?」と聞かれて、答えに詰まった方もいるかもしれません。

実は、共有メールアドレスの届き方は、大きく3つの型に分かれます。どの型かによって、返信が相手にどう見えるかも、人が抜けたときに外す場所も変わります。

共有メールアドレスとは、1人ではなく、複数人で受け取って扱うメールアドレスのことです。info@contact@ のような問い合わせ用のアドレス、代表メールアドレス(代表アドレス)、部署のアドレスがこれに当たります。

この記事では、ITの知識がなくても確かめられるように、自分の会社の共有メールアドレスがどの型かを自分の画面から見分ける方法と、型ごとに確かめておくことを説明します。設定の作り方には踏み込まず、設定できる人に何を頼めばよいかまでを目標にします。

共有メールアドレスの届き方は3つに分かれる

郵便受けと鍵を使って3つの型を横に並べた図解。左は1つの郵便受けの下に同じ形の鍵が3本、中央は1通の封筒から3本の矢印が小さな郵便受け3つへ伸び、右は1つの郵便受けの下に3人が並んで、それぞれの横に頭の形が違う鍵がある。上に「共有メールアドレスの届き方は3つ」、左に「① 同じアカウントに入る型」「合鍵を皆で持つ」、中央に「② 一人ひとりへ配る型」「届いたものを配り直す」、右に「③ 共有の受信箱を開く型」「自分の鍵で開ける」と書かれている。

共有メールアドレスは、外から見るとどれも同じです。送る側は、宛先に info@ と書いて送るだけです。

違うのは、届いたあと、社内の誰の画面に、どうやって現れるかです。郵便受けにたとえると、3つの型はこう分かれます。

郵便受けにたとえるとサービスでの呼び名の例
① 同じアカウントに入る型
info@ のアカウントに皆で入る
1つの郵便受けの合鍵を、何人かで持つ特別な名前はない(ふつうのメールアカウントを皆で使う)
② 一人ひとりへ配る型
届いたメールを各自の受信箱へ配る
届いた郵便を、それぞれの人の郵便受けへ配り直す転送、メーリングリスト、配布リスト(Microsoft)
③ 共有の受信箱を開く型
自分の画面から共有の受信箱を開く
共用の郵便受けを、それぞれが自分の鍵で開けられるようにしてもらう共有メールボックス(Microsoft 365)、委任(Gmail)、共同トレイ(Google グループ)

この記事では、3つを短く入る型・配る型・開く型とも呼びます。

① 同じアカウントに入る型は、info@ のアカウントそのものに、何人かが同じアドレスとパスワードで入る形です。受信箱は1つで、全員が同じものを見ています。

② 一人ひとりへ配る型は、info@ に届いたメールを、一人ひとりの受信箱へ配る形です。エックスサーバーはメーリングリストについてのマニュアルで、メーリングリストなら「送信者がメーリングリストの専用アドレス宛にメールを送信するだけで、登録されているすべてのメールアドレスに配信できます」と説明しています。

③ 共有の受信箱を開く型は、info@ の受信箱は1つのまま、一人ひとりが自分のアカウントのままその受信箱を開けるように、権限を分けてもらう形です。Microsoftは共有メールボックスを作成するで、共有メールボックスは「ユーザーのグループが info@contoso.comなどの一般的なメール アドレスからメールを監視および送信できるようにします」と説明しています。

Gmailでは、これを「委任」と呼びます。Googleは管理者向けのユーザーのメールアドレスを委任するで、「Gmail では、委任されたアカウントと共有された受信トレイは同じものです。」としています。

自分の会社の共有メールアドレスがどの型かを見分ける

ノートパソコン3台を横に並べた図解。左の画面には錠前の付いたログイン画面、中央の画面には5行の一覧があり真ん中の1行だけが水色、右の画面には左端に受信箱のアイコンが2つ縦に並んでいる。上に「どの型かは、info@ の見方で見分ける」、左に「info@ のパスワードで入る」「① 入る型」、中央に「自分の受信箱に混ざって届く」「② 配る型」、右に「自分のまま共有の受信箱も開ける」「③ 開く型」と書かれている。

自分の会社の info@ がどの型かは、info@ のメールをどうやって見ているかで、見当がつきます。

次の3つを確かめてください。

確かめることこうなっていれば
info@ のパスワードで入っている(自分で入れた覚えがなくても、パソコンやスマホのメールアプリに、誰かが info@ のパスワードを入れて設定している)① 同じアカウントに入る型
いつもの自分の受信箱に、info@ 宛てのメールが混ざって届く② 一人ひとりへ配る型
自分のアカウントのまま、info@ の受信箱も開ける(info@ のパスワードは入れていない)③ 共有の受信箱を開く型

見分けの決め手は、info@ のパスワードで入っているかどうかです。画面の並び方だけでは、①と③を見分けにくいことがあるからです。

MicrosoftはOutlook で共有メールボックスを開いて使用するで、管理者がメンバーに追加すると「共有メールボックスは、従来の Outlook の [フォルダー] ウィンドウに自動的に表示されます」と書いています。一方で「共有メールボックスは、メールボックスを共有しているユーザーがアカウントに直接サインインできるように設計されていません。」ともしています。

スマホの Outlook でも、共有メールボックスは「アカウント リストに表示されます」(Outlook Mobile に共有メールボックスを追加する)。①で info@ のアカウントを足した場合と、見た目では区別がつきにくいことがあります。

つまり、並んでいるだけでは①とも③とも言えません。info@ のパスワードで入っているなら①、自分のアカウントのまま開いているなら③です。Microsoft 365 を使っていても、info@ のパスワードで入っているなら、info@ は共有メールボックスではなく、ふつうのアカウントとして使われています。

③のときの見え方は、サービスによって違います。

  • Microsoft 365 の共有メールボックス… 新しい Outlook では、左側のフォルダー ウィンドウの[共有アイテム]の下に並びます。従来の Outlook では、自分のもの以外の受信箱として並びます
  • Gmail(パソコン)の委任… 右上のプロフィール写真を押したメニューに、「[委任] とマークされているアカウント」が並びます。Gmail ヘルプのパソコン向けの説明によると、それを選ぶと「新しいタブが開き、オーナーの受信トレイが表示されます。」
  • Google グループの共同トレイ… 担当の割り当てなどは、Google グループの画面を開き、グループの名前から見ます。グループのメールを受け取る設定(メール配信と全体設定を管理するの「メッセージごとにメール」など)にしていれば、自分の Gmail にも届くので、②にも当てはまります

もうひとつ、②に見えて①の仲間の形があります。個人の Gmail に、info@ のメールを取り込んでいる場合です。Gmail の設定の[他のアカウントのメールを確認]に info@ が足してあると、Gmail が info@ のメールを取りに行き、自分の受信箱に混ざって届きます。

Googleはパソコンで別のメール アカウントを追加するで、足すときに「ユーザー名とパスワードを入力します。」と案内しています。取りに行くのに info@ のパスワードを使っているので、外す場所は①と同じパスワードです。

2つ以上に当てはまるなら、型を組み合わせている可能性があります。その場合は、設定した人に聞くのが確実です。

自分が受け取っていないアドレス(営業部の sales@ など)は、自分の画面では確かめられません。そのアドレスを受け取っている人に画面を見てもらうか、設定した人に聞いてください。共有メールアドレスが複数あれば、アドレスごとに型が違うことがあります

画面で分からないときは、設定した人・契約先に聞く

画面を見ても決めきれないときは、info@ を設定した人に聞くのが早道です。社内に担当者がいなければ、ホームページやメールを手配した業者、または契約しているメールのサービスの窓口になります。

聞く相手が分からないときは、info@ のメールを誰が預かっているかから確かめます。会社で契約しているサービスなのか、レンタルサーバーなのか、社内の機械なのかで窓口が変わるからです。その見分け方は、メールサーバーの記事で説明しています。

聞くときは、次のように尋ねると話が通じやすくなります。

  • 「info@ に届いたメールは、誰の受信箱に、どうやって届く設定になっていますか。転送ですか、メーリングリストですか、共有の受信箱ですか」
  • 「info@ のパスワードを知っているのは誰ですか」
  • 「info@ のメールを受け取っているパソコンやスマホは、どれですか。受け取り方は POP ですか、IMAP ですか」
  • 「info@ から返信すると、相手にはどのアドレスで届きますか」
  • 「info@ に、社外の人がメールを送れる設定になっていますか」(問い合わせの窓口なのに、社外から送れない設定のことがあります)

共有メールアドレスで返信すると、差出人は誰のアドレスになるか

同じ形の封筒3通を横に並べ、それぞれの左上に丸いバッジを付けた図解。左のバッジには郵便受け、中央のバッジには人、右のバッジには郵便受けと人の両方が描かれている。上に「相手に見える差出人は、設定で変わる」、左に「共有のアドレス」、中央に「送った人のアドレス」、右に「両方が見える」と書かれている。

お客さんへの返信が、info@ から届くのか、自分の名前のアドレスから届くのか。気になるところですが、開く型と配る型では、型だけでは決まらず、設定しだいで変わります。入る型だけは、相手に見えるアドレスは info@ です。

自分の会社でどう見えるかを確かめたいときは、いつも返信するときと同じやり方で、自分の個人のアドレス宛てに一度送ってみると分かります。

① 入る型は、相手に見えるアドレスは info@

全員が info@ そのものに入って送るので、相手に届く差出人のアドレスは info@ です。

ただし、名前の欄は別です。エックスサーバーはWindows10メール設定手順で、送信に使う名前の欄を「任意(差出人として受信者に表示される名前になります)」と説明しています。各自のメールソフトで名前を名乗っていなければ、誰が送ったのかは差出人からは分かりません

IPA(情報処理推進機構)は中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインで、「共有IDはなるべく使わないようにし、やむを得ず使う場合は共有IDを利用したユーザーを特定可能とするような仕組みを整備して規定の通り運用しましょう。」としています。1つのアカウントを皆で使う①の型は、この「共有ID」に当たります。

② 配る型は、返信した人のメールの設定しだい

配る型では、お客さんのメールは一人ひとりの受信箱に届きます。そこからお客さんへ返すと、返信は、返信した人のメールから送られます。相手に見えるアドレスは、その人のメールの設定しだいです。

たとえば Gmail では、別のアドレスを差出人にして送るには、そのアドレスを追加して確かめる手順が要ります(別のアドレスやエイリアスからメールを送信する)。追加していなければ、返信は自分の Gmail のアドレスから送られます。

Microsoftの配布リストでも、配布リストのアドレスで送るには、「差出人を指定して送信する」などの権限を割り当ててもらう必要があります(Exchange Online で配布リストを作成して管理する)。

もうひとつ見落としやすいのが、返信ボタンを押したときの宛先です。さくらインターネットはメーリングリストの利用における注意事項を知りたいで、メーリングリストから送られるメールは「返信先メールアドレス(Reply-To)がメーリングリスト名となります。」と案内しています。エックスサーバーのメーリングリストも、返信先を「そのメールの送信者」か「メンバー全員」から選ぶ形です。

返信先がメーリングリストのアドレスになっていれば、返信はお客さんではなく、メンバー全員に宛てて送られます。お客さんへの返事のつもりなら、送る前に宛先欄を確かめてください。

③ 開く型は、権限の付け方で見え方が変わる

Microsoftは共有メールボックスを作成するで、「共有メールボックスに送信されたメッセージにグループのユーザーが返信すると、そのメールは、個別のユーザーからではなく共有メールボックスから送信されたように表示されます。」と説明しています。そのうえで、「代理人として送信する」という権限で送った場合は、メールが「Reception Building 32 の代わりに John」によって送信されたように見える、という例も載せています。

後者なら、相手には、共有の名前と一緒に、送った人の名前も見えます

Gmail の委任について、Gmail ヘルプは「代理人があなたのアカウントからメールを送信すると、代理人のメールアドレスが表示されます。」としています。ただし会社で使う Google Workspace では、管理者が「アカウント所有者と代理人の両方のメールアドレスを含めるか、アカウント所有者のみを含めるかを設定できます」(ユーザーのメールアドレスを委任する)。

誰が返事をするかは、社内で決めておく

どの型でも、誰が返事をするかまでは、仕組みが決めてくれるとは限りません。決めていないと、全員が「誰かが返しただろう」と思ったまま、返事が出ないことがあります。

見ておいてと頼まれたら、頼んだ人に次のことを聞いておくと安心です。

  • 「自分が返事をしてよいですか。それとも、見るだけですか」
  • 「ほかに誰が info@ を見ていますか」
  • 「ほかの人がもう返事をしたかは、どこで分かりますか」

「もう返事をしたか」がどこで分かるかは、型やサービスで違います。Microsoft 365 の共有メールボックスでは、既定では返信の控えが共有の側に残りません。Microsoftは共有メールボックスの設定を構成するで、「既定では、共有メールボックスから送信されたメッセージは、共有メールボックスの [送信済みアイテム] フォルダーには保存されません。」とし、管理センターで変えられると案内しています。

ほかの人から「もう返したか」が見えないなら、共有の側にも控えを残す設定を、設定できる人に頼めます

担当を仕組みで決められるものもあります。Googleはグループを共同トレイとして使用するで、共同トレイでは「会話の割り当て先に自分または他のグループ メンバーを指定することができます。」と説明しています。対応を終えた会話には「完了」などの印も付けられます。

異動・退職で人が抜けるとき、共有メールアドレスで外す場所

3つのまとまりを横に並べた図解。左は錠前を水色の円い矢印2本が囲み、中央は人の並んだ一覧から一番下の行が右へずれて外に出ており、右は郵便受けと3人を結ぶ線のうち右端の人への線が点線になって、その人も点線で描かれている。上に「人が抜けるとき、外す場所は型で違う」、左に「① パスワードを変える」、中央に「② 配る先の一覧から外す」、右に「③ 開ける人の一覧から外す」と書かれている。

異動や退職で人が抜けるとき、本人のアカウントの扱いとは別に、共有メールアドレスからもその人を外す必要があります。

IPAは中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインで、「従業員の異動や退職等に伴う権限の変更・削除漏れ」を防ぐために、「権限の付与状況を管理しましょう」としています。共有メールアドレスを誰が受け取れるかも、この権限の一つです。

外す場所は、型によって違います。なお、辞める人本人のアカウントの止め方は、この記事では扱いません(止めるのは、会社のメールを管理している人や業者です)。

外す場所外し忘れると
① 同じアカウントに入る型info@ のパスワードを変えて、残る人にだけ伝え直すパスワードを知っている人は、抜けたあとも入れる
② 一人ひとりへ配る型転送先やメーリングリストのメンバーの一覧から、その人のアドレスを外す一覧に残っているかぎり、そのアドレスへ配られ続ける
③ 共有の受信箱を開く型共有の受信箱を開ける人の一覧(アクセス許可・代理人・グループのメンバー)から外す。送る権限も一緒に外す一覧に残っていれば、自分のアカウントのまま開ける

型を組み合わせているなら、外す場所も両方です。たとえば、受け取るときは②で一人ひとりに配り、info@ から送るときだけ①で入る形なら、転送先から外したうえで、パスワードも変えます。

後任を加えるときは、同じ場所に足します(①なら、新しいパスワードを伝えます)。

① 入る型は、パスワードを変えて伝え直す

①の型では、抜けた人も info@ のパスワードを知っています。パスワードを変えないかぎり、その人は入れるままです

パスワードを変えたら、残る全員に新しいパスワードを伝え、それぞれのパソコンやスマホの設定を入れ直してもらうことになります。人数が多いほど手間がかかります。

個人の Gmail に info@ を取り込んでいる人がいても、変えるのは同じ info@ のパスワードです。取り込みには info@ のユーザー名とパスワードが使われているので、パスワードを変えると、取り込みも止まります。

残る人が取り込みを続けたいときは、入れ直すより、この機会に自動転送などへ切り替えるかを、設定した人と相談してください。

Googleは、皆で1つのアカウントを使う形を想定していません。管理者向けのユーザー間でアカウントを共有しないで、「Google アカウントは、1 人のユーザーによる使用を想定しています。」と書いています。

Gmail の場合、同じアカウントに何人もが別々の場所から入ると、一時的に使えなくなることもあります。Gmail ヘルプは「組織内の複数のユーザーがさまざまな場所から同じ Gmail アカウントにログインすると、アカウントが一時的にロックされることがあります。」としています。

パスワードを伝え直す手間を減らす方法として、info@ を Microsoft 365 や Google で預かっているなら、③の型に切り替えられないかを、設定できる人に聞いてみる手もあります。③なら、外すのは開ける人の一覧だけで、残る人のパスワードは変わりません。

② 配る型は、転送先とメンバーの一覧から外す

②の型では、info@ に届いたメールが、一覧に登録されたアドレスへ配られます。抜けた人のアドレスが一覧に残っていれば、そこへ配られ続けます

とくに気をつけたいのは、転送先に会社のものではないアドレス(個人のスマホや、個人で使っているメール)が入っている場合です。info@ の転送の一覧に残っているかぎり、会社のアカウントを止めても、そちらへの転送は止まりません。

抜けた人のアドレスを全部知っているとは限らないので、設定できる人に今の転送先とメンバーの一覧を出してもらい、1つずつ確かめるのが確実です。前に辞めた人が残っていないかも、そこで分かります。

転送先を外すときは、もうひとつ確かめることがあります。エックスサーバーは転送設定のマニュアルで、次のように注意しています。

転送先を設定せずに「メールボックスに残さない」に設定すると、受信メールはどこにも受信されず消失してしまいます。

この注意に照らすと、抜けた人を外して転送先が空になったとき、「メールボックスに残さない」のままだと、info@ に届いたメールがどこにも残らないおそれがあります。転送先を外すときは、残す設定になっているかも一緒に確かめてもらってください。

③ 開く型は、アクセス許可や代理人から外す

③の型では、一人ひとりが自分のアカウントのまま、共有の受信箱を開いています。外すのは、その受信箱を開ける人の一覧です。

Microsoft 365 の共有メールボックスは、そもそもパスワードで入る使い方をしません。MicrosoftはMicrosoft 365 の共有メールボックスについてで、共有メールボックスのアカウントのパスワードは、誰も知らない前提で、使うことも想定していないと説明しています。外すのは、アクセス許可のほうです。

Microsoftは共有メールボックスの設定を構成するで、メンバーの削除と、メンバーからアクセス許可を削除する操作を分けて案内しています。開く権限だけでなく、送る権限(「メールボックス所有者として送信する」「代理人として送信する」)も外します

Gmail の委任なら、代理人の一覧から外します。Gmail ヘルプには、設定の[アカウントへのアクセスを許可]から代理人を[削除]する手順が載っています。Googleの共同トレイなら、グループのメンバーから外します。

権限をグループにまとめて付けている場合は、共有の受信箱の一覧にはその人の名前が出ません。外すのは、そのグループのメンバーです。

業者に頼むときに伝えること

外すのは、たいてい設定できる人や業者の仕事です。頼むときは、次のことをまとめて伝えると、漏れが減ります。

  • どの共有メールアドレスか(info@・sales@ など、アドレスごとに)
  • 抜ける人の名前と、その人の会社のアドレス
  • 今の転送先・メンバー・開ける人の一覧を出してほしいこと(送る権限を含む。前に辞めた人が残っていないかも見る)
  • ①の型なら(個人の Gmail に info@ を取り込んでいる人がいるときも)、info@ のパスワードを変えて、残る人にだけ伝えてほしいこと
  • 残る人の中に、個人の Gmail への取り込みを続けたい人がいるなら、自動転送などへ切り替えられるか
  • 外した結果、一覧が空にならないか、info@ にメールが残る設定になっているか
  • 外したあと、テストのメールで確かめること(抜けた人には届かず、残る人には届く)

共有メールアドレスで、メールが届かなくなる落とし穴

3つのまとまりを横に並べた図解。左は封筒から伸びた矢印が縦の棒の手前で止まり、棒の向こうの郵便受けに届いていない。中央は空の受信トレイの上に点線だけの封筒がある。右はノートパソコン2台のうち左の画面にだけ封筒の束があり、右の画面は空。上に「メールが届かなくなる落とし穴」、左に「社外から送れない設定」「メーリングリスト・配布リスト」、中央に「転送で残さない」「info@ の受信箱に残らない」、右に「1台が先に受け取る」「① 入る型で POP のとき」と書かれている。

「メールを送ったのに返事がない」とお客さんに言われたら、疑うのがここです。型ごとに、メールが途中で止まる落とし穴があります

まず、メンバーに登録されていない、会社以外のアドレス(個人のスマホなど)から info@ に一度送ってみると、実際に届くかが分かります。念のため、迷惑メールのフォルダも見てください。

① 入る型は、1台の設定でほかの人の画面に届かなくなる

①の型で、何台かのパソコンやスマホが、それぞれ info@ のメールを受け取っている場合です。受け取り方が POP(ポップ)だと、落とし穴があります。

POP は、メールをサーバーから端末へ取り出して受け取る方式です。さくらインターネットはサーバー上にメールを残す設定をしたいで、次のように注意しています。

複数の端末でメールを受信する場合、「サーバー上にメールを残す」設定が行われていない端末が1台でも存在すると、設定していない端末でメールを受信した時点で、サーバー上のメールは空になり他の端末でメールは受信できません。

つまり、1台だけ設定が違う端末があると、その端末が受け取ったメールは、ほかの人の画面には現れません。「届いていない」のではなく、「1台に持っていかれている」状態です。

これはさくらインターネットに限った話ではなさそうです。Gmail のヘルプも、Gmail から POP でメールを取り出すときは「メールを受信トレイに残すことをおすすめします」としています(パソコンで別のメール アカウントを追加する)。

見当がついたら、次の順に確かめます。

  • info@ を受け取っているパソコンやスマホを全部開いて、そのメールがどこかに入っていないか探す
  • それぞれのメールソフトの設定画面で、受け取り方が POP か IMAP かを見る。さくらインターネットは、「サーバー上にメールを残す」の項目が表示されない場合は、POP ではなく IMAP で受け取っている、と案内しています
  • 設定した人に「info@ を受け取っている端末はどれか、それぞれ POP か、サーバーに残す設定になっているか」を聞く

POP と、もうひとつの受け取り方の IMAP(アイマップ)の違いは、メールの移行を扱った記事の中で、郵便受けのたとえを使って説明しています。

②に見えて①の仲間の、個人の Gmail に info@ を取り込んでいる形には、別の注意もあります。GoogleはGmail の Gmailify と POP の今後の変更についてで、POP での取得は「サポートされなくなります」とし、「2026 年の第 1 四半期以降、この機能の新規ユーザーに対するサポートは終了します。既存ユーザーは 2027 年 1 月まで引き続きこの機能を使用できます。」と案内しています。

取り込みに頼っているなら、2027年1月までに受け取り方を見直す必要があります。代わりの方法の1つとして、Google は元のメールの側で自動転送を設定する方法を挙げています。自動転送にすると②の型になるので、人が抜けるときは転送先の一覧から外すことになります。詳しくは「② 配る型は、転送先とメンバーの一覧から外す」を見てください。

② メーリングリストや配布リストは、社外から送れないことがある

配る型のうち、メーリングリストや配布リストは、最初の設定では、登録されたメンバーや社内の人しか送れないことがあります。

エックスサーバーはメーリングリストについてのマニュアルで、「初期状態では、メーリングリストに登録されているメンバーのみが、メーリングリストを利用してメールを配信できます。」としています。社外から送れるようにするには「メールの配信前確認」という設定が要り、その場合は、管理者が確認して承認したメールだけがメンバーに配られます。

Microsoftも配布リストの管理のページで、組織内の人からのメッセージだけを受け付ける設定について「これは既定の設定です。」としています。この設定のままだと、組織外の人から送られたメッセージは拒否されます。

さくらインターネットのメーリングリストは、投稿できる人を「投稿が可能に設定されたメンバーのみ」「誰でも投稿ができる」「管理者の承認を必要とする」から選ぶ形です(メーリングリストの設定を変更したい)。③の共同トレイに使う Google グループも、投稿できる人を「ウェブ上のすべてのユーザー」まで広げられますが、会社のアカウントでは管理者が範囲を制限していることがあります(閲覧、投稿、管理できるユーザーを設定する)。

info@ を問い合わせの窓口にしているなら、社外の人が送れる設定になっているかを、設定した人に確かめてください。

② メーリングリストは、メンバーの受信箱に届かないことがある

info@ が受け付けたメールでも、メーリングリストからメンバーへ配る段階で届かないことがあります。エックスサーバーはメーリングリストについてで、「アドレスを統一する」という設定を無効にしていると、「Gmail宛・米Yahoo!メール宛の送信メールが届かなくなることや、迷惑メールとして処理されることがあります。」としています。

携帯電話会社のメールアドレスをメンバーに入れている場合も、注意が要ります。エックスサーバーは、同じくメーリングリストについて、こう書いています。

携帯電話各社のメールアドレスで「なりすましメール対策」を設定されていると、メーリングリストから配信されるメールを受信できない場合があります。その際は、メーリングリストのメールアドレスを受信できるよう、受信側で許可の設定を行ってください。

さくらインターネットもメーリングリストを知りたいで、メーリングリストが「不向きである例」として「携帯電話へのメール送信」を挙げています。

② 転送は、設定しだいで info@ に残らない

転送には、info@ の受信箱にもメールを残すか、転送先にだけ送るかの設定があります。エックスサーバーは転送設定のマニュアルで、次のように書いています。

「メールボックスに残さない」に設定すると、設定元のメールアドレスにはメールが残らず転送先にのみ送信されます。

残さない設定なら、info@ の受信箱を見ても、そのメールはありません。転送先の受信箱に届いているかを見てください。転送先を外すときの注意は、「② 配る型は、転送先とメンバーの一覧から外す」で扱っています。

もうひとつ、転送したメールは、転送先で迷惑メールに分類されることがあります。Googleはメールを Gmail に転送するおすすめの方法で、ほかのアカウントから Gmail へ転送すると「一部のメールが誤って迷惑メールまたはフィッシングに分類されることがあります。」としています。転送先が Gmail なら、info@ 宛てのメールが迷惑メールのフォルダに入っていないかも見てください。

まとめ

共有メールアドレスで押さえるところを、型ごとに並べます。

見分けの手がかり相手に見える差出人人が抜けるときに外す場所届かなくなる落とし穴
① 同じアカウントに入る型info@ のパスワードで入っているアドレスは info@(名前は各自の設定しだい)パスワードを変えて伝え直すPOP で1台だけ残さない設定だと、その1台が受け取ったメールはほかの端末に届かない
② 一人ひとりへ配る型自分の受信箱に info@ 宛てが混ざって届く返信した人のメールの設定しだい(配布リストは権限しだい)転送先・メンバーの一覧から外す社外から送れない設定がある
メーリングリストは、設定しだいで Gmail や携帯などのメンバーに届かないことがある
転送で残さないと info@ に残らない
③ 共有の受信箱を開く型自分のアカウントのまま開ける権限や管理者の設定しだい(共有のアドレスだけ/送った人も見える)開ける人の一覧から外す(送る権限も)Google グループは社外から送れないことがある

配る型のメーリングリストでは、返信先がメーリングリストのアドレスになっていると、返信はメンバー全員に宛てて送られます。また、info@ から個人のアドレスへの転送は、info@ の転送の一覧から外さないかぎり、会社のアカウントを止めても止まりません。

自分の Gmail に info@ を取り込んでいる形は、②に見えても、外す場所は①と同じパスワードです。この取り込みは、既存ユーザーでも2027年1月までしか使えません。

設定そのものは、たいてい詳しい人の仕事です。自分の会社の型が分かれば、何を頼めばよいかが決まります

メールを誰が預かっているか、受け取り方の違い、メールアドレスの種類は、それぞれこちらにまとめてあります。

参考: 共有メールボックスを作成する(Microsoft)

参考: メールを委任する、メールで共同作業する(Gmail ヘルプ)

参考: メーリングリストについて(エックスサーバー)

参考: 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版(IPA・PDF)

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