インターネットに接続する時、皆さんのパソコンやスマホはどのようにしてネットワークと通信しているのでしょうか?
実は、裏側で DHCP(ディーエイチシーピー)という技術が活躍しています。
DHCPは、ネットワークに接続する機器に 自動でインターネットの設定を行う 便利な機能です。
この記事では、ITやネットワークの知識がない方でも理解できるように、DHCPについて分かりやすく解説していきます。
目次
DHCPとは?

DHCPは Dynamic Host Configuration Protocol(ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル) の略称です。
難しい言葉ですが、簡単に言うと、「インターネットに接続する機器に必要な情報を自動で設定してくれる機能」のことです。
DHCPの役割

DHCPの役割は、主にIPアドレスをはじめとするネットワーク設定情報を自動で割り当てることです。
IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなものです。
例えば、あなたが友達に手紙を送る際に、友達の住所が必要ですよね?
インターネットの世界でも同じように、機器同士が通信するためには、それぞれの機器にIPアドレスが必要です。
DHCPはこのIPアドレスを自動で割り振ってくれるので、私たちが手動で設定する必要がありません。
DHCPのメリット
DHCPを使うメリットは、次の3つです。
- 設定の手間が省ける
IPアドレスなどの設定を自動で行ってくれるため、手動で設定する必要がなく、時間と労力を節約できます。 - 設定ミスを防げる
手動設定によるミスを防ぎ、ネットワーク接続のトラブルを減らすことができます。 - 効率的なネットワーク管理
管理者は、DHCPサーバーを使ってネットワーク全体のIPアドレス管理を効率的に行うことができます。
DHCPの仕組み

DHCPは、 DHCPサーバー と DHCPクライアント という2つの要素で動作します。
- DHCPサーバー
IPアドレスなどのネットワーク設定情報を管理し、DHCPクライアントに提供する役割を担います。 - DHCPクライアント
インターネットに接続する機器(パソコン、スマホなど)に内蔵されている機能で、DHCPサーバーからネットワーク設定情報を受け取る役割を担います。
やり取りは、次の4往復で成り立っています。頭文字をとって DORA(ドーラ)と呼ばれます。
- STEP
Discover:「DHCPサーバーはいますか」と呼びかける
つないだばかりの機器は相手がどこにいるか知りません。そこでネットワーク全体に向けて呼びかけます(ブロードキャスト)。
- STEP
Offer:サーバーが「これでどうですか」と提案する
DHCPサーバーが、空いているIPアドレスと一緒に設定の候補を差し出します。
- STEP
Request:「それをください」と申し込む
機器が、受け取った候補のうち1つを選んで正式に申し込みます。DHCPサーバーが2台あると、ここで取り合いになります。
- STEP
Ack:サーバーが「どうぞ」と確定させる
サーバーが承認して、ようやく通信できるようになります。ここまでが一瞬で終わっています。
上の図のように、DHCPサーバーが別のネットワークにいる場合は、間のルーターが呼びかけを取り次ぎます。この役目を DHCPリレーエージェント といいます。会社で使われる仕組みで、家庭ではルーター自身がDHCPサーバーを兼ねているため出番はありません。
DHCPが配るのはIPアドレスだけではない
ここが見落とされがちなところです。JPNICは、IPv4で通信するには最低でも次の4つを設定する必要があり、DHCPを使うとそれを自動で受け取れると説明しています。
- IPアドレス(その機器の住所)
- サブネットマスク(どこまでが同じネットワークかの区切り)
- デフォルトゲートウェイ(外に出るときの出口)
- DNSサーバーのアドレス(名前をIPアドレスに変換してくれる相手)
つまり「DHCPがうまくいかない」と、結果として「名前が引けない(DNSの不調に見える)」ことが起こります。インターネットにつながらないときに、詳しい人が「DHCPかもしれない」「DNSかもしれない」と両方を挙げるのは、この2つが1本につながっているからです。
DHCPに関するよくある質問
DHCPについて、よくある質問をまとめました。
Q
DHCPを無効にするとどうなるの?
A
DHCPを無効にすると、IPアドレスなどのネットワーク設定を手動で行う必要があります。
設定を間違えるとインターネットに接続できなくなる可能性があるので注意が必要です。
Q
DHCPで固定IPアドレスを割り当てることはできるの?
A
はい、DHCPサーバーの設定で、特定の機器に常に同じIPアドレスを割り当てることができます。
これを「DHCP固定割り当て」といいます。
Q
DHCPリース時間とは何ですか?
A
DHCPリース時間とは、DHCPサーバーがクライアントにIPアドレスを貸し出す期間のことです。
期限が切れるのを待つのではなく、期間の半分を過ぎたあたりで自動的に延長を申し込みます(RFC 2131 の既定で50%)。
つないだままなら同じIPアドレスを使い続けるので、リース時間が短くても普段は何も起きません。
まとめ
この記事では、DHCPについて、基本的な知識から仕組み、メリット、よくある質問までを解説しました。
DHCPは、私たちがインターネットを利用する上で欠かせない技術です。持ち帰っていただきたいのは次の3点です。
- DHCPは、つないだ機器にネットワークの設定を自動で配る仕組み
- 配られるのはIPアドレスだけでなく、サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバーの4点セット
- いま何が配られているかは ipconfig コマンドで確認できる




