スマートフォンやパソコンでWi-Fiを使おうとすると、必ず目にする「SSID」という言葉。
この見慣れない略語が原因で、Wi-Fi接続に苦手意識を持っている方も少なくないのではないでしょうか?
でも、ご安心ください。
SSIDは、実はとても簡単な概念なんです。コンビニやカフェに「○○店」という店名があるように、Wi-Fiにも「名前」が付いているだけなんです。
この記事では、ITやネットワークの知識がない方でもわかるように、SSIDとは何かと、確認のしかたを説明します。そのうえで、接続先の一覧に似た名前が2つ以上並ぶ理由と、自分で名前を決めるときに気をつけることまで扱います。
目次
SSIDとは?

SSIDとは、簡単に言うとWi-Fiネットワークの名前のことです。
例えば、カフェでWi-Fiに接続しようとすると、スマホに「Free Wi-Fi」や「Cafe-Guest」といったWi-Fiの名前が表示されますよね?
これがSSIDです。
SSIDは、それぞれのWi-Fiネットワークを区別するためのものです。家のWi-Fiルーターにも、固有のSSIDが設定されています。
電波が届く場所に無線LANが何台あっても、名前が付いているから選べる。それがSSIDの役目です。「自分のインターネットの名前」を探しているなら、それはこのSSIDのことです。
SSIDが必要になるのは、主に2つの場面です。1つはWi-Fiにつなぐとき。スマホやパソコンで接続先を選ぶ画面に並ぶのがSSIDなので、これが分からないとどれを選べばいいのか決められません。
もう1つはWi-Fiルーターを設定するときです。新しく設置するときにSSIDを決めることで、自分のネットワークを他と区別できるようになります。
接続しているWi-FiのSSIDを確認する方法

SSIDは、以下の方法で確認できます。
- STEP
タスクバーのWi-Fiアイコンをクリックします。
- STEP
接続中のWi-FiのSSIDが表示されます。
- STEP
「設定」アプリを開きます。
- STEP
「Wi-Fi」をタップします。
- STEP
接続中のWi-FiのSSIDが表示されます。
多くのWi-Fiルーターには、SSIDが記載されたシールが貼られています。
シールには、SSIDと一緒に暗号化キー(パスワード)も書かれていることが多いです。この2つは役割が違います。SSIDは接続先を選ぶための名前で、暗号化キーは鍵です。鍵のほうは人に見せないものです。
SSIDが2つ以上表示されるのはなぜ?

接続先の一覧を見ると、自分の家の名前が2つ、機種によっては3つ並んでいることがあります。どれを選べばいいのか迷うところです。
名前の中の「A」「G」は周波数の違い
多くのWi-Fiルーターは、2種類の電波(2.4GHz帯と5GHz帯)を同時に出しています。名前を分けて出しているので、一覧では2つに見えます。
- A / a / 5G が入っている … 5GHz帯
- G / g が入っている … 2.4GHz帯
⚠ 末尾のこともあれば、途中のこともあります。メーカーによって形が違うためです(例: NEC の aterm-xxxxxx-a は末尾、バッファローの Buffalo-A-1234 は途中で、末尾は数字)。
どちらを選ぶかは、使う場所で決まります。ルーターの近くにいるなら5GHz帯、離れた部屋や壁をまたぐなら2.4GHz帯です。
それぞれが何のためのものか、一度確かめる
名前が2つでも3つでも、それぞれが何のための接続先なのかを一度見ておくと安心です。というのは、古いゲーム機のために用意された接続先が混ざっていることがあり、そこだけ古い暗号化方式が設定されている場合があるからです。
総務省の「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル(令和7年2月版)」は、この点をこう書いています。
Wi-Fiルーターの中には2つ以上のSSID(ネットワーク名)を持つものがあります。そのうちの一部は古いゲーム機などのためのものであり、古い暗号化方式が設定されている場合があります。それぞれの必要性を確認し不要な場合は停止し、必要な場合は適切な設定に変更するようにしましょう。
つまり、名前が増えているのは便利のためだけではなく、古い機器に合わせて弱い設定が残っている可能性があるということです。名前が2つしかなくても、その一方がこれに当たる機種もあります。
心当たりの機器(昔のゲーム機やプリンターなど)を使っていないなら、その接続先は止めてしまってかまいません。使っている場合は止めないでください。そのままにしておくか、機器の側を新しくするかの判断になります。
逆に、1つしか表示されないとき
名前が1つしか出ないこともあります。これは壊れているわけではありません。
- 2つの電波を1つの名前でまとめて出している(バンドステアリングと呼ばれる機能)。ルーターがどちらかへ誘導しますが、最後に選ぶのは端末です
- ルーターの設定で、片方の電波が止められている
- 離れた場所にいる(5GHz帯は届く範囲が狭いので、遠いと一覧に出てこないことがあります)
1つしか出ていても、機器が5GHz帯に対応していないと決めつけないでください。確かめたいときは、ルーターのすぐ横で一覧を見てください。
SSIDを変えるとどうなる?

SSIDを変更したい場合は、Wi-Fiルーターの管理画面から変更できます。「無線設定」や「Wi-Fi設定」の中に、SSIDを入力する欄があります。
⚠ この管理画面は、SSIDを確認するときに見たシールの情報で開きます。アドレスとユーザー名・パスワードが同じシールに書かれていることが多いので、まずそれを手元に用意してください。ただし、設定画面のパスワードがシールに載っていない機種もあります。開き方はこちらの記事で扱っています。
ただし、変える前に知っておきたいことが2つあります。
つないでいた機器を、すべて設定し直すことになる
機器は「この名前のWi-Fiにつなぐ」と覚えています。名前が変わると、覚えていた相手が消えたことになるので、つないでいた機器のすべてで、あらためて選び直す作業が必要です。
スマホやパソコンだけではありません。テレビ、プリンター、スマートスピーカー、掃除機、体重計。家の中でWi-Fiにつながっているものを数えると、思ったより多いはずです。
変えるなら、時間があるときに、つなぎ直す機器を先に数えてからにしてください。
名前に個人情報を入れない
自分で名前を決めるとき、分かりやすさのために名字や部屋番号を入れたくなります。これは避けてください。
先の総務省の資料は、SSIDの決め方についてこう書いています。
自宅で利用するWi-Fiが、自宅の外でも表示され、そのSSIDから身元が特定される事例もあります。電波の届く範囲にいればSSIDは誰でも見ることができるため、SSIDを変更する場合は、名前やマンションの部屋番号など身元の特定につながるような名称にしないよう注意しましょう。
同じ資料は、スマートフォンのテザリング機能についても注意を促しています。機種によっては、登録しているスマートフォンの名前がそのままSSIDになるためです。氏名や電話番号を機器名にしていると、外出先でそれが周りに見えることになります。
SSIDとセキュリティ

Wi-Fiルーターには、SSIDを一覧に表示させない設定(ステルス機能などと呼ばれます)があります。これを使えば安全になる、と説明されることがありますが、位置づけを正しく知っておいたほうがよいところです。
まず、先ほど引用した総務省の資料は、SSIDについて「電波の届く範囲にいればSSIDは誰でも見ることができる」と書いています。だからこそ名前に個人情報を入れるな、という文脈です。
そしてこの資料が「自宅Wi-Fiを使うときに気を付けるべきポイント」として挙げているのは、次の5つです。
- セキュリティ方式は「WPA2またはWPA3」を選択しよう
- パスワードは第三者に推測されにくいものにしよう
- サポート期限内のWi-Fiルーターを利用しよう
- ファームウェアを最新の状態にしよう
- Wi-Fiルーターの設定を定期的に確認しよう
この5つに、SSIDを隠すことは入っていません。資料が家庭向けにまず勧めているのは、暗号化の方式とパスワード、そして機器を新しく保つことだということです。
SSIDを隠す設定を使うかどうかは、この5つを済ませたうえで考えることになります。名前を隠しても電波そのものは出ていますし、隠すとつなぐ機器ごとに、初回は名前を手で入力することになります(一度つなげば以降は覚えてくれますが、うまく再接続しない機種もあります)。
まとめ
この記事では、SSIDについて解説しました。
- SSIDはWi-Fiネットワークの名前で、接続する相手を選ぶために使う
- 名前が2つ並ぶのは、2.4GHz帯と5GHz帯を分けて出しているから
- 総務省の資料は、2つ以上あるSSIDの一部は「古いゲーム機などのため」のもので古い暗号化方式が設定されていることがあるとして、不要なら停止するよう案内している
- 逆に1つしか出ないのは故障ではない(2つの電波を1つの名前でまとめる機能や、離れた場所にいることが原因)
- 名前を変えるなら、つないでいた機器をすべて設定し直すことになる
- 同じ資料は「電波の届く範囲にいればSSIDは誰でも見ることができる」として、名前に身元が分かる語を入れないよう注意している
SSIDは、接続先を選ぶための名前です。守るのは暗号化の方式とパスワード、そして機器を新しく保つこと——総務省が挙げているのはこの側です。まずはそちらから確かめてみてください。






