インターネットを使うとき、私たちはLINEでメッセージを送ったり、YouTubeで動画を見たり、ネットショッピングを楽しんだりしています。
でも、そのデータがどうやって相手に届くのか、考えたことはありますか?
実は、インターネットの世界には、私たちの大切なデータを確実に運んでくれる「運び屋」さんがいるんです。
その名も「トランスポート層」。
宅配便が私たちの荷物を安全に届けてくれるように、トランスポート層は、インターネット上のデータを確実に届ける重要な役割を担っています。
今回は、このインターネットの縁の下の力持ち、トランスポート層について、誰にでもわかりやすく解説していきましょう。
インターネットの仕組みが少し身近に感じられるはずです。
目次
トランスポート層とは?
![トランスポート層](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/02/11-740x416.png)
トランスポート層は、OSI参照モデルと呼ばれるネットワークの階層構造における第4層に位置付けられています。
トランスポート層は、インターネットの通信において、データの送り元と送り先の間で、安全かつ確実にデータを届けるための役割を担っています。
例えるなら、宅配便のサービスのようなものです。
あなたがオンラインショップで商品を注文すると、お店は商品を梱包し、宅配業者に配送を依頼します。
宅配業者は、荷物を確実にあなたの家に届けるために、住所や氏名を確認し、配送状況を追跡したり、破損がないように丁寧に扱ったりしますよね。
トランスポート層も同様に、データが正しく相手に届くように、様々な処理を行っています。
トランスポート層の役割
![宅急便](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/02/NN-6-740x417.png)
トランスポート層は、主に以下の役割を担っています。
データの分割と結合
大きなデータを小さなパケットに分割して送信し、相手側で元のデータに結合します。
信頼性の確保
データが途中で失われたり、順番が入れ替わったりしないように、確認や再送などの処理を行います。
フロー制御
送信側と受信側の処理速度の差を調整し、データの渋滞を防ぎます。
ポート番号による識別
複数のアプリケーションが同時に通信できるように、ポート番号を使ってデータの行き先を指定します。
トランスポート層のプロトコル: TCPとUDP
![比較](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/01/2-5-740x416.png)
トランスポート層で利用される主なプロトコルには、TCPとUDPの二つがあります。
TCP (Transmission Control Protocol)
信頼性を重視したプロトコルです。
データの順番や欠落をチェックし、確実に相手に届ける仕組みを持っています。
Webサイトの閲覧やメールの送受信など、データの正確性が求められる通信に利用されます。
UDP (User Datagram Protocol)
速度を重視したプロトコルです。
データの確認や再送を行わないため、TCPに比べて処理が速いという特徴があります。
動画配信やオンラインゲームなど、多少のデータの欠落が許容される通信に利用されます。
まとめ
今回は、トランスポート層について、ITやネットワークに関する知識がない方を対象に解説しました。
トランスポート層は、インターネット通信において、データを安全かつ確実に届けるための重要な役割を担っています。
TCPとUDPという二つのプロトコルがあり、それぞれの特徴に応じて使い分けられています。
この記事が、インターネットの仕組みを理解する一助となれば幸いです。