パソコンをインターネットに接続するとき、パソコンからLANケーブルをよくわからない箱に接続していませんか?
その箱はもしかすると「スイッチングハブ」かもしれません。
実は、スイッチングハブは私たちの快適なインターネット環境を支える縁の下の力持ちなのです。
パソコンやゲーム機など、複数の機器をインターネットにつなぐときに大活躍する便利なアイテムなんですよ。
この記事では、IT初心者の方にもわかりやすく「スイッチングハブ」の基本について解説します。
目次
スイッチングハブとは?

スイッチングハブとは、複数のパソコンやプリンターなどのネットワーク機器を接続し、データ通信を円滑にするための機器です。
スイッチングハブの仕組み

スイッチングハブは、接続された機器から送られてきたデータを受け取り、宛先の機器にのみデータを送ります。
これにより、ネットワーク全体の効率が向上し、快適な通信が可能になります。
「スイッチ」と「スイッチングハブ」は同じなの?
ネットワークにおける「スイッチ」と「スイッチングハブ」は、非常に近い概念ですが、厳密にはわずかな違いがあります。
日常的な使用や小規模なネットワークにおいては、「スイッチ」と「スイッチングハブ」はほぼ同義として扱われることが多いです。
しかし、より高度なネットワーク管理機能が必要な場合には、「スイッチ」という言葉が、より高機能なネットワーク機器を指すことがあります。
簡単に説明すると、スイッチングハブはスイッチの機能のうち、ハブとしての機能に特化した機器であると言えます。
- LAN(ローカルエリアネットワーク)内で複数のデバイスを接続し、データ転送を効率的に行うためのネットワーク機器です。
- 主な特徴は、MACアドレスに基づいてデータの宛先を識別し、必要なポートにのみデータを転送することです。
これにより、ネットワークの衝突を減らし、効率的な通信を実現します。
- 「スイッチ」という言葉は、より広い意味を持ちます。
スイッチングハブの機能を含む、さらに高度な機能を持つネットワーク機器を指すことがあります。 - VLAN(仮想LAN)の設定や、QoS(Quality of Service)による通信の優先制御など、より複雑なネットワーク管理機能を持つスイッチが存在します。
これらのスイッチは、大規模なネットワークや、高いパフォーマンスが求められる環境で使用されます。
スイッチングハブとリピータハブの違い

スイッチングハブとリピータハブは、どちらも複数のデバイスをネットワークに接続するための機器です。
しかし、データの転送方法に大きな違いがあります。
スイッチングハブは賢いデータ転送
スイッチングハブは、宛先となるデバイスにのみデータを送信します。
これは、郵便局が宛先ごとに手紙を配達するイメージです。
必要な場所にだけデータを送るため、ネットワークの効率が向上します。
リピータハブは全員にデータをばらまく
リピータハブは、受け取ったデータを接続されている全てのデバイスに送信します。
これは、回覧板を全員に回すイメージです。(「回す」より「同時に渡す」の方が近いかも)
全てのデバイスにデータを送るため、関係のない相手に不要なデータを送ることになります。
その結果ネットワークの負荷が高くなり、速度が低下する可能性があります。
スイッチングハブとリピータハブの比較表
次の表に、スイッチングハブとリピータハブの機能比較をまとめました。
項目 | スイッチングハブ | リピータハブ |
---|---|---|
データ転送 | 宛先のみ | 全てのデバイス |
ネットワーク効率 | 高い | 低い |
通信速度 | 速い | 遅い |
衝突ドメイン | 小さい | 大きい |
価格 | 高い | 安い |
データが衝突(コリジョン)する範囲のこと。
データが衝突すると、送信されたデータは破損し、再送信が必要になります。
衝突ドメインが大きいほど、データ衝突が発生しやすく、通信速度が低下します。
スイッチングハブとリピータハブのどちらを選ぶべき?
スイッチングハブとリピータハブ、どんなときにどちらを選べばいいのか説明します。
小規模なネットワークの場合(家庭など)
機器 | 要求事項 |
---|---|
スイッチングハブ | 高速で効率的な通信が必要な場合。 |
リピータハブ | 低コストで最低限の接続ができれば十分な場合。 |
大規模なネットワークの場合(オフィスなど)
機器 | 要求事項 |
---|---|
スイッチングハブ | 必須。効率的なネットワーク構築に不可欠。 |
リピータハブ | 基本的に大規模ネットワークでの利用は推奨されません。 |
スイッチングハブの選び方

スイッチングハブを選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。
ポート数
接続する機器の数に合わせて、必要なポート数を選びましょう。
一般家庭では、5ポートから8ポートの製品がおすすめです。
通信速度
通信速度は、100Mbps、1Gbps、10Gbpsなどが一般的です。
高速通信が必要な場合は、1Gbps以上の製品を選びましょう。
機能
製品によっては、PoE(Power over Ethernet)などの便利な機能が搭載されています。
必要な機能があるか確認しましょう。
価格
価格帯は、数千円から数万円と幅広いです。
予算に合わせて、必要な機能と性能を備えた製品を選びましょう。
スイッチングハブに関するよくある質問
Q
スイッチングハブを使うと、インターネットが速くなりますか?
A
スイッチングハブ自体にインターネット回線を速くする機能はありません。
しかし、ネットワーク内のデータ通信を効率化することで、体感速度が向上する場合があります。
Q
無線LANルーターがあれば、スイッチングハブは不要ですか?
A
無線LANルーターのLANポートが不足している場合や、有線LAN接続を増やしたい場合には、スイッチングハブが役立ちます。
Q
スイッチングハブを選ぶ際、メーカーはどこが良いですか?
A
TP-Link、エレコム、バッファローなどが有名です。
これらのメーカーは信頼性が高く、幅広い製品を提供しています。
まとめ
この記事では、IT初心者の方にもわかりやすく「スイッチングハブ」の基本について解説しました。
スイッチングハブは、自宅のインターネット環境を快適にするための便利な機器です。
この記事を参考に、あなたにぴったりのスイッチングハブを見つけて、快適なインターネットライフを送ってください。