ネットワークコマンドとは?2種類の違いと代表的な6つを解説

4 min 14,350 views

「インターネットが繋がらない」「Wi-Fiの調子が悪い」—そんな時、あなたはどうしていますか?

専門家に頼む?再起動して祈る?

実は、あなたのパソコンには、ネットワークの問題を自分で解決するための強力な「魔法の呪文」が隠されているんです。

それが「ネットワークコマンド(ネットコマンド)」です。

難しそうに聞こえるかもしれませんが、心配はいりません。

特別なプログラミング知識は必要ありません。

ちょっとした操作で、あなたもネットワークトラブルを自分で解決できるようになります。

この記事では、ITやネットワークの知識がなくても理解できるよう、ネットワークコマンドの基本をわかりやすく解説していきます。

この記事は全体像をつかむための入口です。ここで出てくる6つのコマンドは、それぞれ専用の記事で書式と使い方まで説明しています。「いま困っていることに合うものを1つだけ知りたい」という方は、そちらから読んでも構いません。

ネットワークコマンドとは

水色の背景に濃紺の角丸の画面が置かれ、その中にピンク色で「>COMMAND」と書かれたイラスト(この節の扉絵)

ネットワークコマンドとは、ネットワークの状態を把握したり、ネットワーク関連の設定を確認・変更するために使うコマンドを指します。

ネットワークコマンドは、Windows、Linuxなど、ネットワーク機能を持つほとんどのOSが標準で備えている機能です。

ただしOSによってコマンドの名前やオプションが違うことがあります。同じ目的でも、Windows と Linux では打つコマンドが別ということが起こります。

このサイトでは、Windowsのネットワークコマンドについて説明しています。

Windowsのコマンドは Microsoft が公式に一覧を公開しており、「サポートされているすべてのバージョンの Windows と Windows Server には、一連の Win32 コンソール コマンドが組み込まれています」と説明されています。

つまりネットワークコマンドは、あとから何かを入れるものではなく、最初から入っているものです。この記事で紹介するコマンドも、すべてこの一覧に載っています。

ネットワークコマンドの代表と言えば、疎通確認が行える「ping」でしょう。

この「ping」を代表として、ネットワークコマンドのほとんどは、やることが1つに絞られたシンプルな道具です。何かをインストールする必要も、細かい設定も要りません。

ただしすぐ終わるとは限りません。相手から返事が来ないときは、あきらめるまで待つコマンドもあります。その場合の止め方はコマンドプロンプトの記事で説明しています。

ネットワークコマンドを用途で分類すると2種類ある

ネットワークコマンドは、機能で大きく分けると2種類あります。

  1. コンピュータ内部の情報を操作するネットワークコマンド
  2. 外部の機器にアクションするネットワークコマンド

コンピュータ内部の情報を操作するネットワークコマンド

ノートパソコンから吹き出しが出ている図。「コマンドの例」としてipconfig・netstat・arpが挙げられ、吹き出しの中に「ネットワーク情報」としてIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNS・MACアドレスが並んでいる

コンピュータ内部の情報とは、IPアドレスなどのネットワーク設定情報や、各ポートの状態のことです。

コンピュータ内部の情報を操作するネットワークコマンドは、ネットワークを通じて他の機器とは通信せずに実行結果を表示します

このサイトで解説しているコマンドでは、次の3つがこちらに当てはまります。

  • ipconfig … 自分のパソコンのネットワーク設定を表示する
  • netstat … 自分のパソコンの通信状況を表示する
  • arp … 自分のパソコンが覚えている相手の住所(ARPテーブル)を表示する

この3つは、オプションを付けない状態では相手に何も送りません。自分のパソコンが持っている情報を画面に出すだけなので、実行しても他の機器には影響しません。

外部の機器にアクションするネットワークコマンド

ノートパソコンからルータを経由して外部のパソコンとサーバーへ線がつながっている図。外部の機器が点線で囲まれ、「コマンドの例」としてping・tracert・nslookupが、吹き出しに「疎通確認・経路確認・DNSレコード確認」が挙げられている

コンピュータ外部の機器にアクションするというのは、疎通確認や経路確認など、通信相手との状態を確認したり、ネットワーク機器を操作したりするということです。

コンピュータ外部の機器にアクションするネットワークコマンドは、ネットワークを通じて他の機器と通信し、アクションを行います

このサイトで解説しているコマンドでは、次の3つがこちらに当てはまります。

  • ping … 相手と通信できるかを確かめる
  • tracert … 相手までどんな道を通っているかを調べる
  • nslookup … DNSサーバーに問い合わせて、ドメイン名とIPアドレスを調べる

こちらは相手に何かを送って、返事を見るタイプです。返事が来ないこと自体が手がかりになるので、トラブルの切り分けで活躍します。

どちらのグループも、打ち込む書式はごく短いものです。6つのコマンドの書式をまとめて見たい方は、次の記事にすべて並べてあります。

ネットワークコマンドにはオプションがある

各ネットワークコマンドには、実行する動作を細かく指定したり、表示する内容を変える「オプション」があります。

オプションはコマンドの後ろに

「スペース」+「-」または「/」+「オプション」

という書式で指定します。「-」と「/」のどちらを使うかはコマンドによって違い、両方が使えるものもあります。このあと出てくるヘルプの例が「/」なのはそのためです。

例えば、pingに疎通確認回数を5回にするオプションを付けると次のコマンドになります。

pingコマンドでオプション指定する例
ping 192.168.0.1 -n 5

各ネットワークコマンドには様々なオプションがあります。

ネットワーク初心者の方は全てのオプションを覚える必要はありません。

便利なものだけ覚えておきましょう。

オプションを全て表示させるにはネットワークコマンドに「/?」オプションを付けて実行します。

「ping」のヘルプを表示するには次のコマンドを入力します。

pingのヘルプを表示するコマンド

ping /?

デフォルトの機能で物足りないときは、ヘルプを表示しオプションで対応可能かどうか確認しましょう。

ヘルプは英語で量も多いので、慣れないうちは大変です。やりたいことを選ぶだけでコマンドを組み立てられる道具も用意しています。オプションの指定にも対応しています。ネットワークコマンドを作る

ネットワークコマンドを使うにはコマンドプロンプトが必要

Windowsでネットワークコマンドを使う場合は、「コマンドプロンプト」を使います。

コマンドプロンプトでは、Windowsの設定や閲覧など様々なことができます。

ネットワークコマンドを使う時に最低限の使い方を知っておくと効率が良いので、基本操作だけおぼえておきましょう。

ネットワークコマンドはどんな人に必要か?

ネットワークエンジニアはネットワークコマンドを使いこなして仕事をします。

ではネットワークエンジニア以外のエンジニアはネットワークコマンドを知らなくてよいか?

知らなくても仕事は回ります。ただ、知っていると「どこで止まっているのか」の切り分けが一気に早くなります

例えばこんな業界の人達です。

  • FA業界のエンジニア
    設備のIoT化で工場内のネットワーク化が必須となった。
  • ソフトウェアエンジニア
    通信が当たり前のソフトウェア業界、ネットワークの知識があると問題の切り分けが早い。
  • 一般家庭
    WiFiで無線化したが、インターネットにつながらないため調査したい。

意識していないだけで、ネットワークにつながっている機器はとても多いです。

ネットワークのことを少し知っているだけで、仕事以外でもとても役立つことがありますよ。

まとめ

ここでは、ネットワークコマンドがどんなものなのか、わかりやすく説明しました。

ネットワークコマンドとは、ネットワークの状態を把握したり、ネットワーク関連の設定を確認・変更するために使うコマンドです。

ネットワークコマンドはシンプルな機能のものが多いですが、オプションを指定することによって様々な操作や情報の表示ができます。

ネットワークエンジニア以外でもネットワークのことを少し知っていると役立つことが多いので、簡単なことだけ身につけておきましょう。

ネットワーク初心者が覚えておきたいネットワークコマンドはこちらの記事にまとめています。

よかったら参考にして下さい。

ネットワークの調子が悪いとき、何をどの順で調べればいいかはこちらの記事で説明しています。

関連記事