UDPという言葉を聞いたことはありますか?
インターネットの世界では、私たちが普段何気なく使っているオンラインゲームやビデオ通話の裏側で、このUDPが重要な役割を果たしています。
でも、「UDP」と聞くと、なんだか難しそうで近寄りがたい印象を受けますよね。
実は、UDPは私たちの日常のインターネット利用を支える、とても重要な「配達屋さん」のようなものなんです。
この記事では、ネットワークの知識がない方でもわかるように、UDPについてわかりやすく解説していきます。
目次
UDPとは?
![高速なデータ](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/02/9-1-740x416.png)
インターネットで、例えば動画を見たり、オンラインゲームをプレイしたりするとき、あなたのコンピューターは他のコンピューターとデータのやり取りをしています。
そのデータのやり取りをスムーズに行うための方法(プロトコル)の一つが UDP です。
UDPは、データを小さなパケットに分割して、宛先を書き、インターネットという広大なネットワークに送り出すようなものです。
例えて言うなら、UDPは手紙を送るようなものです。
- あなたのコンピューターは、送りたいデータ(手紙の内容)を封筒(パケット)に入れます。
- 宛先(IPアドレスとポート番号)を封筒に書き、切手を貼ります。
- そして、ポスト(インターネット)に投函します。
UDPは、通常の郵便とは違って速達のようなものです。
相手に届いたかどうかを確認しません。
そのため、もし手紙が途中で紛失してしまっても、再送はされません。
「え、じゃあちゃんと届くか心配…」そう思うかもしれません。
しかし、UDPは スピードが命 の通信に最適なのです。
例えば、オンラインゲームでキャラクターを動かすとき、わずかな遅延も許されません。
もし、「届きましたか?」と毎回確認していたら、動きがカクカクしてしまいます。
UDPは、このようなリアルタイム性が重要な場面で力を発揮します。
UDPの特徴
UDPは、スピード重視でデータを送信することに特化したプロトコルです。
例えば、動画配信やオンラインゲームのように、リアルタイム性が重要な通信で活躍します。
- 高速な通信
- シンプルな構造
- 信頼性が低い
- セキュリティリスク
高速な通信
データの確認作業を省くことで、TCPなどの他のプロトコルに比べて高速にデータを送信できます。
シンプルな構造
ヘッダー情報が少なく、処理が軽いので、機器への負担が小さいです。
信頼性が低い
データが正しく届いたかを確認する機能がないため、データが途中で消失したり、順番が入れ替わったりする可能性があります。
セキュリティリスク
TCPに比べてセキュリティ対策が弱いため、悪意のある攻撃を受けやすい可能性があります。
UDPとTCPの違い
![比較](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/01/2-5-740x416.png)
UDPとよく比較されるプロトコルに、TCP(Transmission Control Protocol)があります。
TCPは、データの信頼性を重視したプロトコルで、データが確実に相手に届くように、確認作業を丁寧に行います。
そのため、TCPはファイル転送やメール送信など、データの正確性が求められる通信に適しています。
一方、UDPはスピードを重視するため、データの確認作業を省きます。
そのため、TCPに比べて信頼性は低いですが、その分高速にデータを送信することができます。
UDPが使われている場面
![データ通信を行う様々なシーン](https://network-beginners-handbook.com/wp-content/uploads/2025/02/8-3-740x416.png)
UDPは、以下のような場面で利用されています。
- 動画配信
- オンラインゲーム
- DNS
- VoIP
動画配信
リアルタイム性が求められる動画配信で、スムーズな再生を実現するためにUDPが利用されます。
オンラインゲーム
キャラクターの動きや音声などをリアルタイムに送受信するために、UDPが利用されます。
DNS
ドメイン名とIPアドレスを照合するDNSクエリで、高速な応答を実現するためにUDPが利用されます。
VoIP
インターネット回線を使った音声通話で、遅延を少なくするためにUDPが利用されます。
まとめ
この記事では、UDPについて、以下のような点を解説しました。
- UDPは、スピード重視でデータを送信するためのプロトコルである。
- UDPは、動画配信やオンラインゲームなど、リアルタイム性が重要な通信で利用される。
- UDPは、TCPに比べて信頼性は低いが、高速にデータを送信できるというメリットがある。
この記事が、UDPについて理解する上で少しでもお役に立てれば幸いです。